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心実の新学期

ブックマーク3件ありがとうございます。不定期なこの作品へのブックマークは励みになります。これからもよろしくお願いします。

「ねぇ、心実。聞いてよぉ。最近彼が冷たいんだけど…どうすればいいと思う?。」

 朝学校に行くと私の友達がいきなり抱きついてきた。そして質問を投げかけてくる。


「…どうすればいいって言われても。…嫌なら別れるしか無いんじゃない?。別れるのが嫌だったら彼氏も態度を改めるでしょ。」

 質問に対して当たり障りのない答えを返しておく。だって私には経験がないのだから仕方ない。みんなも私が誰とも付き合った事ないって知ってる筈なのに何で聞いてくるかな?。


「…えー、でもそれで向かうもムキになって喧嘩になったら嫌だよぉ。私、別れたくないよ。」


「私としてはそんな事でムキになる男とは別れるべきだと思うけど…もし優香が本当にその人の事を好きなら直接言ったほうがいいよ。案外男と女の適切だと思う距離感って違うらしいから。向かうは今が丁度良いと思ってるかも。寂しいってちゃんと言ってみたら変わるかもしれないよ。」

 前に雑誌で読んだ知識を絞り出す。でも私からすれば彼女が寂しいと思っていることに気づかない時点でダメだと思う。パパなら私のちょっとした変化も見逃さないし、相談にも乗ってくれる。そこら辺の男子生徒とは包容力が違うのだ。


「…うん、そうしてみる。ありがとう心実。やっぱり心実に相談するに限るよね。」

 それでもなんとか優香は納得したようだ。これから優香と彼氏が上手くいくのかはその彼氏にかかっている。親友としては幸せになって欲しい(ダメ男なら許さないけど)。




「…であるからして……我が校の生徒としての自覚を…」

 今は始業式の真っ最中。校長の話が長いのは全国統一なのだと思うけど今日はいつもよりざわついている。1年生がいるからだ。早いもので私ももう3年生。入学したての1年生が初々しく見える。ブラバンには後輩が何人ぐらい入ってくるからなぁ。ブラスバンド部はやっぱりある程度の数がいないと活動しにくいので出来れば30人ぐらい入ってほしい。自慢なんだけどうちの学校は他の学校と違って楽器を運ぶ手間がない。何故かラグビー部が練習前に楽器を運んでくれるのだ。仲の良いラグビー部の子に聞いてみたけど理由は不明だった。誰かは分からないけど良い伝統をありがとうございます。


(…だからかな、私としては友達にラグビー部の子をお勧めしちゃうんだよね。ラグビーをやってる人はみんな他人の為に体を張る事を厭わない人だからとても優しい。特にFWの子達は温和で、友達に最適だ。)

 パパもラグビー部だったらしいし私はそういう人を好きになりやすいのかもしれない。補正が働いている?。


「…………これで始業式を終わります。」

 なんて考え事をしていたら終わってた。私としては退屈な時間を知らぬ間に過ごせてラッキー!。






「終わった、終わった〜。いつも思うけど始業式の日くる意味ある?。」


「それ思う。宿題なんて最初の授業の日でいいよね。校長が話したいなら配信してくれたら良いのに。」

 教室に帰ってくるとみんな思い思いに喋る。内容には100%同意だけど。


「うーん、でも今日朝起きるのしんどくなかった?。始業式なかったら授業初日からこれだよ?。生活リズムを取り戻すためのワンクッション的な感じなんじゃないかな。」

 そんな中1人がそんな事を言う。余りの発言の正しかに目から鱗が落ちる思いだった。


「確かに、そう考えれば悪くない?。案外良心的な感じかも。」


「そうそう、今日はこれで終わりだし。みんなでお昼食べながらお喋り出来るし。春休みの間の事とか話すための日なんだよ。」

 周りの友達も始業式に肯定的になりだした。この掌がねじ切れんばかりのフットワークの軽さがJ Kの売りだ。結局そのあとみんなでハンバーガーを食べに行った。こんなお昼も悪くない。

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