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視線の正体

(……なんだろう。)

 今日は2人から視線を感じる。いつものように美咲が作った晩ご飯を食べているのだが2人の視線が時折僕の手元に向かう時がある。因みに今日のメニューは目玉焼きハンバーグとコーンスープ、サラダにエビのガーリック炒めだ。僕はそれプラスご飯を食べている。普段は美咲と心実もご飯を食べるのだが今日は何故か食べていない。


(…まぁ、いいか。…黄身を割ったハンバーグをご飯の上に乗せる。ご飯にハンバーグの肉汁と卵の黄身が絡む。…それを…一口で!。)

 口の中に広がる多幸感。美味しい料理を頬張る瞬間は幸せだ。美咲特製のハンバーグからは玉ねぎやにんじんなどの野菜からの甘み、焼く時に使用したバターのコク、そして何より挽肉からの甘い肉汁の味わいが溢れ出す。敢えて塩胡椒も振っていない目玉焼きのシンプルな味もバッチリだ。付け合わせのインゲンとコーンも美味しいさを引き立てる。


『…チラ…チラ…』


(次はサラダだ。今日のドレッシングはイタリアンか。うーん、少し焦げ目がついたベーコンとシャキシャキなレタス、スライスされたトマトにオニオン。この味は…ご飯案件だ。)

 僕はサラダでもご飯を頬張る。本来前菜であるはずのサラダ。だけどご飯と一緒に食べてはいけないなんてルールはない!。


『…チラ…チラ…。…ごくっ……』


(…コーンスープは落ち着く味だ。僕たち日本人に味噌汁があったように何処かの国でもこのスープに郷愁を感じる人がいるんだろうな。)


(…最後はこの問題児だ。決してメインディッシュではないはず、なのにまるで自分が主役かのような存在感を放っている。攻撃的なその香りはすでに美味しいことを確信させてくる。)

 ガーリックシュリンプの存在感は絶大だ。今日のメインである目玉焼きハンバーグは決して弱くない。だが匂いが訴えかけてきている。旨いぞと。僕はガーリックシュリンプを一つ取りご飯に乗せる。本当はパンの方が良いんだろうけど…。


(…っ⁉︎。…この味は…紫蘇!。…普通はバジルとかを入れる所に紫蘇が入ることによって…)

 ご飯が進むんです!。ニンニクの強烈な風味と唐辛子のピリリとした辛味、それを紫蘇が最後に爽やかにしてくれている。大変だ、今日はご飯が止まらないぞ!。


「…ふぅ、…今日のご飯も美味しいよ。ついついご飯を食べすぎちゃうよ。」


「そう、なら良かったわ。…その…善一さんって体型が変わらないよね。」

 美咲がそんなことを聞いてくる。


「ココも思ってた!。パパってご飯とかスパゲティーとか大好きなのになんで体型変わんないの?。夜にもお菓子食べたりしてるのに。」

 …うーん、2人の様子から見るに体重を気にしているようだ。この前、気にしない方が良いって言ったんだけどやっぱり女性は気になるようだ。早見さんも偶に昼食でサラダだけの時があって栄養を取れているのか気が気じゃない。


「そうだなぁ、食べ過ぎたと思った次の日は良く歩くようにしているよ。歩くっているのは人間が一番行う運動でその消費カロリーも馬鹿にならないからね。大体僕は1日に1万歩ぐらい歩いているんだけど僕の体型だとそれだけで700キロカロリーぐらいになるんだって。」

 会社では色々と歩き回っている。部屋に篭っていても社員のみんなの顔が見れないから。


「うーん、そうなんだ。…後、筋トレもしてるよね。筋トレをしてたら基礎代謝も上がるんでしょ?。」


「そうだね、筋肉が増えるとそれだけエネルギーが必要になるから。一応学生の時よりは減ったけど筋トレは続けているよ。」

 筋トレをすると頭が冴える気がする。それに筋肉痛は痛いけど効いているのが実感できて結構好きだ。


「…筋トレねぇ、…腕立てとかがいいのかしら?。」


「いや、先ずはスクワットの方が良いかな。足の筋肉は体で一番大きいからその分消費するカロリーも多いんだよ。だから足からやったほうが良いと思うよ。」

 足の筋トレは軽視されがちだが効果は出やすいと思う。軽視されているのは形に出づらいからだと思う。


「…うん、…私スクワットやってみる!。目指せ!燃焼系女子高生!。」


「私もスクワットをやってみるわ。早速今日からね。」

 2人共スクワットを始めるみたいだ。ただスクワットは正しい姿勢で取り組まないと腰や膝を痛めてしまう。


「…なら僕が教えてあげるよ。直ぐには痩せないけど絶対に効果はあるから。…だからご飯を我慢せずに食べること。炭水化物は大事な栄養源だから抜くなんてダメだよ。」

 健康な体は十分な栄養から成る。下手に一つだけ抜くのは短的には良いかもしれないが長期的に見れば良くはない。僕の説明で少しは安心したのか2人はご飯を装い、おかずと一緒に食べ出した。

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