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私のパパは世界一

 私のパパは世界最高のパパだ。優しくて頼りになって父親なのに偉ぶらない。私がいつパパのことを大好きになったのかは記憶にない。気が付いた時からパパのことが大好きだった。パパは私の話をちゃんと聞いてくれる。私が悩んだ時も一緒に考えてくれた。そんなパパが私は大好き。


 パパは人たらしだ。身長185センチ、体重百キロのおっきな体なのに威圧感はまるでない。寧ろ包み込まれるような安心感だけがある。だからかパパは私の同級生の女の子達からも大人気だ。ママの話では昔からそうだったらしいし会社でも男女問わず慕われているらしい。パパがみんなに愛されているのは良い事なんだけど少しモヤモヤする。パパは私のパパだ。パパの1番は当然娘の私であるべきだし(ママは2番)、私の1番もパパだ。つまり私達は相思相愛なのだ。




 パパはとても優しい。私が子供の時からお願いはしっかり聞いてくれた。唯一本気で交渉して駄目だったのは一緒にお風呂に入る事。中学生になった時に私とパパの同時入浴は終了した。あの時私はガン泣きしたし交渉は3日に及んだけどパパはそれだけは認めてくれなかった。だけどそれ以外は私の事を大事にしてくれた。子供の時、疲れてもいても一緒に遊んでくれた。わざわざ有給をとって運動会に来てくれた。だから私は今はマッサージを勉強している。ちょっとでもパパの疲れを癒す為に。私が私立の高校に行きたいと言った時も応援してくれた。私の夢も応援してくれる。




 私のパパはとても勇敢。普段はふんわりしてるのに私の為に体を張ってくれた事がある。それは私が中学生の頃。学校からの帰りに怪しい黒服の人達に付き纏われた。芸能事務所って言ってるけど怪しさが凄かった。何度も断ったけどしつこくついてくる。その内黒服の数も増えてきて進路も塞がれて私は泣きそうになっていた。その時パパが現れた。いつもより帰りの遅い私を心配して見にきてくれたんだって。パパは黒服に向かって猛然と歩み寄っていく。そして滔々と私が嫌がっている事、これ以上付き纏うなら容赦しない事を告げた。黒服達はパパの威圧感を前に言葉も出ない。最後はパパの『分かったのか!』の声が全員逃げ出した。振り返ったパパは私をギュッと抱きしめてくれた。いつもの包容に安心したのか私の目から涙が止まらなかったのを覚えている。




 私のパパは料理が上手い。庭にピザ窯を作るくらいに料理が好きだ。子供の頃も良く一緒にパンを焼いたりした。でも今は少し不満だ。だって私が料理の練習をしてもパパより上手に作れている気がしない。パパは私の作った料理を喜んで食べてくれるけど…私は負けている。

 公式的に表すと

 パパの料理>私の料理+愛

 となる。勿論パパの料理には私への愛が初めから加味されているのだけどそれでも勝てないのは少し悔しい。ママはパパに料理で勝つのは諦めたらしい。…私は諦めない、いつかパパより美味しい料理を作ってやるんだから!。


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