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心実、参考書を選別する。

 ご飯の後は買い物に行くことになった。明日はママがパパとデートする日だから私が一緒にいられるのは今日だけだ。行くことになったのは複合型ショッピングモール。一気にいろいろ見れるから便利でよく利用する。私としては是非本屋さんに行きたい。私ももう高校3年生。進学に向けて勉強しないといけない。…まぁ、他の学校よりも進学は楽だけど。それはいつ苦労するかの違いということで。私の高校は大学に内部進学することが出来るんだけどどの学部に行くのかは完全に成績中に希望する学部に行けるようになっている。私が希望するのは商学部。簿記の勉強をして税理士になるのが私の夢だ。そして出来たらパパの会社で働きたい。ただ商学部は外部テストの割合が高いから油断できない。だから対策をしっかりとやりたいのだ。


「ねぇ、ココ、本屋さん行きたい。受験勉強の本を買わないと。」

 着いて早々願い出る。早めに買っておかないと忘れてしまうかもしれないから。私の希望通り本屋さんに向かうことになる。多分2人とも欲しい本があったんだ。パパは多分漫画とラノベだと思う。そろそろ新刊の発売日だし。パパは色んなジャンルの作品を読む。時々面白いのか疑問に思う作品を買うけど読んで納得する。ワクワクするものだけが漫画じゃない。日常を描いた作品にも魅力はあるとパパのおかげで知ることが出来た。ママは料理雑誌のコーナーだと思う。普段からレシピの研究に余念がないようだ。


(…うーん、今まで買ったことないから分かんないよ。とりあえず教科は政治経済と数学にしよう。国語は何したらいいか全然分からないし、理科は化学選択の強みを活かせるから大丈夫。英語は得意だから問題ないし。)

 うちの高校では文系に進んでも3年生の時理科を化学、生物の中から選択してその教科で外部テストを受験する。ここで大事なのが『化学を選択した』ということ。化学を選ぶのは化学が得意だから。逆に生物にした人は化学が出来ないから生物にするしかなかった人もいる。つまり化学を選んだ人は理科で点を稼ぎやすいのだ。それに化学選択はとても数が少ない。うちの高校の中の内部進学希望の文系が約300人。その中で化学を選択するのは10人ぐらいなのだ。なので授業も一人一人にしっかり教えてくれる。子供の頃からパパの書斎で化学系の漫画を読んでてよかったと思った。


(…数学は問題数をこなすべきなの?。でもやる気が…。それに答えだけ見ても分からないかもしれないし…。)


(政治経済は大体頭に入ってるはず。でも…不安だから問題集じゃなくて解説本の方がいいよね。)

 私は無数にも思える参考書達と対峙していた。どれも大人気!とか受験生必見!とか書いてあって紛らわしい。なんて若干の憤りを感じているとパパがやってきた。手には結構な数の本が。


「…心実、もう決まったかい?。」

 そう聞いてくるパパに何を基準に選べばいいか分からないと正直に言う。するとパパは教科を聞きそれに適した勉強法を教えてくれる。それは私の考えていたものとは大きく違っていた。パパは何故そうするかも説明してくれる。数学は量より質。逆に政経はアウトプットの機会を増やす。成る程と頷いているとママもやって来た。ママにも話を聞いてみる。するとパパと同じような事を言っていた。これで2人の証言がとれた。因みにその時ママがパパはある意味外部テストの伝説になっていたと言っていた。是非今度その話を聞きたい。


「お待たせ、パパ決まったよ。」

 私はパパとママの意見を参考に決めた3冊の参考書をパパに渡す。うちでは本代はお小遣いとは別で計算している。それはパパの本には沢山触れるべきっていう考えからきている。だから漫画でも雑誌でもレシートを出せばお金を返してくれる。みんなに話したらめっちゃ羨ましがられた。お会計が終わった本はパパが持っている。こういう時何も言わずに持ってくれるパパは紳士だと思う。学校の男子だとこうはいかないだろう。


「一回車に荷物を乗せてくる。2人は何か見てるかい?。」

 パパは1度本を車に置きに行くらしい。まぁ、序盤で結構な量を買ったから妥当だと思う。でもその間にすることか。…ご飯にはまだ少し早い。でも服を見るのには短いし…。悩んでいるとママがスポーツ用品店に行きたいと言い出した。ウェアが欲しいようだ。私は知っている、最近ママが体重を気にしていることに。体重計は前回測った重さが記録されるのだけどそこに私のではない体重が記録されていた。つまりママが使用している。ママに太ったのかと告げるたら慌てて否定して強引に会話を切り上げた。追求するのは控えてやろう。女の情けだ。ということでスポーツ用品店に行くことになった。先に行っててと告げるパパに死亡フラグが立った気がしたが私は漫画の読みすぎだろうか。

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