結論はまだ
常々、冒険や活劇に嗅覚は鬼門と思っていました。
例えば血痕が残っていたとします。
人の一万倍も嗅覚が鋭い犬獣人なら――
「三種類ほど血の匂いがする。
男の匂いが二種類、女が一種類……多分生理中だな。
軽い加齢臭もするから、男のうち一人は中年以上。
香水の匂いがしないから、女は貧困階級かもしれない。
石鹸の残り香もするが……このメーカーは高級品だぞ? 少なくとも一人は金持ちだな。
そして激しく匂いが散らばっているから、少し揉めたんだろうな。おそらくは男の二人が出血するぐらい。
匂いは一塊となって、あのドアから出て行っている。追ってみよう」
ぐらいは可能でなければならない……と思っていたからです。
でも、こんなん物語でやられたら、即座に終わりですよ!?
またゴブリンスレイヤーは影響受けたくないので、触り程度しか拝見してませんが……なにやら自分の体臭までケアしているとか?
正直、それを知って――
「ああ、また面倒臭いことの蓋が開けられた」
と思ったりも(苦笑)
これは犬獣人だけでなく、使い魔に犬がいるとか、犬と意思疎通ができるとかでも同じでしょう。
というか野生の獣が出てきた段階で、色々なことが不可能となります。
仮にモンスターが獣のような嗅覚持ちだと、必ず冒険者たちは察知され、当然に奇襲を受けねばなりません。
でも、そういう世界観は楽しくないよね!?
なので、あまり察知合戦へは舵を切らないタイプでした。
あと森で野生動物と鉢合わせることもあるといいますが、あれって野生動物が人間に気付いていない時らしいです。
獣は人間の数千から数万倍も嗅覚が優れているけど、それでも不意は討てる!?
嗅覚ってどういうシステムなのさ!?
しかし、偶然見かけた記事によると「『犬は一万倍』は論拠に薄く、人間だってそれほど嗅覚が弱くない」とのこと。
要約すると機能的には大きな差がなく、犬にできることをヒトができないのは、その訓練をしていないからだ……らしい?
つまり嗅覚の鋭い人が四つん這いになって地面の匂いを嗅ぐ訓練をすれば、犬のように追跡もできる!?
逆説的にヒトが「さすがに無理やろ」と思うことは、無理でOK!?
というか地面から離れないことが肝要らしく、直利歩行しながら匂いを追跡は不可能だとか!?
もう少しツッコむと、小さな子供の頃から『足跡の匂い』を認識してこなければ、どれだけ訓練しても脳が識別してくれない……みたい。
ふーん? でも、それって義体とか電脳とかだと解決できちゃう?
爪先あたりに嗅覚センサーを付けて、電脳経由で『足跡の匂い』を学習? サイボーグだと誰でも追跡犬レベルに!?
まあ、とにかく!
中世ヨーロッパ風冒険活劇なら、それほど匂いを警戒しないでいい?
困るのは、どちらかが四つ足歩行の動物使役している場合だけ?
………………その内、追跡調査だな。