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7.妖精達の信頼

手のひらサイズの妖精達はそれぞれ特徴があった。

アーネという名の妖精は、赤色の髪でショーカット。

イーネという名の妖精は、青色の髪で腰までスラッと伸びたストレートヘアー。

ウーネという名の妖精は、緑色の髪で肩先まで伸びた巻き髪だった。


水晶のように透き通った羽をはためかせ、ブラエフの周りをちょこちょこと飛び回っている。彼女たちはシーネ村を取り囲む森を住みかとしており、普段は森の奥で生活し、ごくたまにシーネ村に遊びに来ていたそうだ。人間は妖精の姿を認識できないため、妖精たちはいたずらをして遊ぶのだそう。


なんで俺は君たちが見えるのかな。普通は見えなんだよね?問いかけるとブラエフが教えてくれた。


「それはですね、私が妖精王と盟約を結んでいるからですね。私が信用たると判断した人物であれば、妖精達は姿を見せてもよい、というお達しがでてるんですよ。」

「そーそー。ブラエフが信用できる人物なら妖精族の発展にも協力してくれること間違いないもんねー」

「そーそー。ユーリ君にだけは姿を隠さないように魔法解除したんだもんねー」

「そーそー。私たちあなたのこととっても信頼してるんだよー。」


ヤバイ。外堀が埋められている。なんとかしなければ。


「姿を見せてくれたのは嬉しい! けど、、妖精の術を教えてもらっても俺は妖精族のためになることはできないと思う。せっかくだけどなかったこと・・」

ブラエフが割り込んで発言した。

「定期的に食べ物を妖精達に提供いただくだけでいいのですよ。」


え?食べ物?なんでそれが妖精のためになるの?


「妖精たちはいたずらはしますが、人の食べ物を勝手に拝借することはないんです。人の食べ物をそのまま食べると体を壊してしまうので。ただし、人間の食べ物に特殊な術をかければ、妖精でも食べれるようになります。」


特殊な術?


「火、水、風、土それぞれの魔力を同時に同量分ずつ、妖精の鱗粉に注ぐという術です。こうすると、ただの妖精の鱗粉が邪気払いの粉に変わります。この粉を人間の食べ物に振りかけると、あら不思議!妖精が食べても問題ない食べ物になるんですね。」


「そーそー。私たち人間の食べ物好きなのー。」

「そーそー。でも簡単には食べられないから不満なのー。」

「そーそー。人間の食べ物は美味しいし、体が元気になって寿命も伸びるんだよー。」

いつのまにか俺の左肩、頭、右肩に座っていた妖精達が教えてくれた。


「邪気払いの粉を作るのは非常に難しいんです。でも、ユーリ君ならきっとできます!」ブラエフが事も無げに言った。


「物はためし!早速やってみましょう!では、ユーリ君の手をを介して私がやってみますので、私の魔力の流れをしっかり感じ取ってくださいね。」

ブラエフは手早く妖精の鱗粉が入っている袋を地面に起き、俺の体に二人羽織のように被さって手を握った。

「ちょっ、ちょっと待って!俺はやらないぞ」


構わず、ブラエフは地面に置いた袋に向かって魔力を流した。

一瞬だけ袋が光った。

「さぁこれで完成ですよ。」ブラエフが言い終わる前に、あの抑揚のない声が聞こえた。

『邪気払いの粉の生成術 を習得しました。』


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