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6.人生の目標

日が昇りシーチ村の人々が働き出すころ、俺はブラエフと魔術の勉強を開始する。

「おはようございます、ユーリくん。今日は風魔術を勉強しましょう〜♪」

今日も必要以上に元気な声でブラエフが喋り始めた。緑色の石、風の魔石を取り出して、風の魔石の産出場所や品質の良し悪しの見極め方、形状による力の性質などなどあらゆる知識を教え始める。


やる気がないにも関わらず、俺には技能獲得(スキルゲット)能力があるため知識を習得してしまう。

『風の魔石の基礎知識 を習得しました。』


「では、実践にうつりましょう。」風魔術を使う際の力の流れを学ばせるため、ブラエフは俺の両手を手にとり力を込める。じわじわと暖かいような冷たいような感覚が手の先から全身を巡る。魔力だ。この世界には魔力と呼ばれる力があり、あらゆる生物はその体内に魔力を持っている。魔術は、この魔力と魔石を使って初めて使えるらしい。ブラエフの魔力と俺の体内の魔力が同調したことを確認すると、ブラエフは手を離した。

『風魔術を習得しました。』


「さぁこれで魔力の使い方もわかったはずです。ユーリくんならもうできるはずです!」満面の笑顔と期待の眼差しで俺を見つめてくる。

はいはいやればいいんでしょ。できますよ。

地面に置いた風の魔石に魔力を送り込む。

ブラエフと俺の間にスカートがたなびく程度のそよ風が吹いた。


「やりました、やりましたねー!!本当にすごいですね!いやーやっぱり天才だ」ブラエフが小躍りしながら賞賛の声を上げた。


もう見飽きたよー。ため息をしながらブラエフが踊り終わるのを待つことも日課となっていた。それもそのはずで、この頃には俺は8つもの魔術を習得していたからだ。


木魔術

土魔術

火魔術

水魔術

風魔術

光魔術

闇魔術

雷魔術



なんでこんなことしてるんだろ。せっかく生まれ変わって、技能獲得(スキルゲット)能力なんてものがあるのに、前の人生より楽しくない、いやつらい。


・・・まったりしてやる!人に振り回されずまったり!好きに!生きてやる!ぬくぬくと毎日を過ごして、この世界で天寿を全うしてやる!

ブラエフのおかげ(!?)で俺は明確な人生目標を掲げることができた。


「さて、一通りの魔術を習得できたので、ここいらで妖精の術も学んでおきましょうか。」

俺が決意を固めた矢先、ブラエフがきな臭いことを言い出した。


ここだ!ここで俺は断固たる決意で拒否の意志を示すんだ!

「俺はもう!やりたく」

俺が言い終える前に、周りの木々からキラキラ光る3つの発光体が飛び出てブラエフの前に集合した。


発光体は甲高い音を発し始めた「 … … …」

何の音か耳を澄まして聞いていると、次第に理解できるようになった。


「どもー。ユーリちゃんはじめまして。ずっと見てたよ~!キミの魔術すごいね。ねぇ、イーネ。」

「そうだね、アーネ。本当キミはすごいよ。本当はもっと前から喋りかけようと思ってたんだけど、ブラエフからの合図がなくてさー。今まで遠くから見てただけだったんだ。ねぇ、ウーネ。」

「そうだね、イーネ。妖精の術教えてあげるねー。今日から仲良くしてねー。」


妖精(ピクシー)の言語 を習得しました。』


キラキラ光を放ちながら三人の妖精が俺の前でキャッキャッと楽しそうに喋っていた。


うわぁっ。これ、、断れるかなぁ。。トホホ。





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