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あきらかになります!スター流誕生のひみつ!

宇宙が誕生すると同時にひとりの男が生まれた。


黒い三角帽子を目深にかぶり、漆黒のマントにブーツ、黄金色の髑髏の装飾の付いた大鎌を携えた長身痩躯の外見をしている。


男は全宇宙の正義を司るべく誕生した神的存在であり、名を闇野髑髏やみのどくろと言った。


無と闇が広がる宇宙にやがて星々が生まれていく。その様を眺め、宇宙を漂いながら男は声を発した。


「正しくあろうと生きようとする善なる者達よ。君達が悪なる存在に虐げられたときは、私の名を呼べ。必ず私が君達を助けるであろう。私の名は、守護神、闇野髑髏である!」


彼の声は宇宙だけにとどまらず平行世界にも轟いた。


やがて、宇宙各地から助けを求める声が出てきた。


闇野髑髏は宇宙のどこであろうとも瞬間移動で現れることができる。


男は宇宙により絶対無敵の能力を有していた。全知全能と表現しても過言ではなかった。


身の丈五十メートルは超える怪物が相手でも怯むことなく、全ての攻撃を受けきり倒した。


灼熱の炎、絶対零度の息吹、一瞬で生物を腐らせ死滅させる猛毒も男には無力だった。


惑星ひとつを焦土に変える光線を受けても男は掠り傷ひとつ付くことはなかった。


天高く轟く雷を受けても、無数の爆撃を受けても、男は平然としていた。


全宇宙の支配を企む悪魔と対峙した際、悪魔はどれほど魔力を放っても悠然と闊歩してくる闇野髑髏に恐れをなした。


自分だけが最強と高を括っていた悪魔は、予想外の存在を前にして己の力の小ささを悟り、闇野を心底恐怖するようになった。


掌から暗黒の力を込めたエネルギー波を放つが、闇野は軽く手を振っただけで無効化してしまう。


マントを風で靡かせながら、正義の守護神は悪魔の前に立ち、高らかに笑う。


金属が擦れたような甲高い笑い声が悪魔の耳に張り付いて離れない。


耳どころか脳の中にも笑い声が響いてくるようで悪魔は苦悶の表情を浮かべた。


「貴様、俺がそんなに可笑しいか」

「否。私は自らの運命に笑っているのだよ。私は永遠に生き続ける。何が起きようと決して滅びることがない。ただ、ひたすらに正義の為に悪を討ち続ける。それが私の存在意義だ」

「お前はまるで機械の神のようだ。正義が原動力で無情に悪を討つ」

「その通りだ。私はそういう生き方しかできぬ」


悪魔の言葉に闇野髑髏は目深に被った三角帽子の下から涙を流していた。


単に消滅させるだけでは悪は無限に沸いてきて滅びることはない。倒しても倒しても現れる。


まるで星のように。


永遠に続くイタチごっこのような正義と悪の対決に、闇野は次第に悩み始めていった。


自分は悪を消滅させることしかできない。だが、それは悪の中に眠る善なる心さえも滅ぼすことになるのではないか?


悪と断定して倒してしまい、未来の可能性を奪って、それで宇宙は救われるのか?


闇野は宇宙を漂いながら思案した。


もしも――悪を倒すだけではなく、善なる心に導いてやることができたら?


悪をこの世から完全に無くすことは不可能かもしれないが、減らすことができたら?


この世が善人で溢れる場所になれば悪も悪事を減らす場合があるのではないか?


私が現れて数え切れぬほどの歳月が過ぎた。


そろそろ、私にはできぬことができる者が現れても良いのではないか。


闇野の心は疲れ切っていた。不死身であるが故に永遠の孤独と数え切れぬ正義の戦いに身を宿し、精神が壊れる寸前にまで陥っていた。


自らの状態を冷静に分析した闇野はポツリと呟く。


「後継者を作ろう。私に代わって、全宇宙全平行世界を守護する者を育てよう」


彼は次世代の守護神の育成を決意し、結果として闇野髑髏はひとりの超天才格闘家に出会うことになる――


小惑星で闇野髑髏は佇んでいた。何をするでもない。


助けを求める声がなければ杖を突き棒立ちとなって時を過ごすのだ。


そして宇宙の星々を眺める。


悠久の時を生きる間に彼の心からは喜怒哀楽が少しずつ失われていった。心の機微というより正義を守るという使命感で彼は存在しているに等しかった。人間ではなく彼は分類上は神である。


それも、最古参の神であるため、神の仲間からも敬遠されており、彼は常に孤独だった。


宇宙に存在する無数の惑星にはそれぞれ異なった生命体がおり、環境があり、違った形ではあるけれど共同体として営んでいる。


しかし、自分はどうだろう。衣食住をすることもなく、永遠に生きていける。不老不死。


神の中でも最上位に君臨する最強の不死身の肉体。


だが正義を守るために存在する力が、結果として彼自身の心を追い詰めていた。


早く後継者を探さねば、私の心は近いうちに崩壊するだろう。そうなれば、この世に正義の概念は消え、地獄絵図の世界が誕生するだろう。


しかし、後継者がいない。心技体のすべてを受け継ぎ、私の能力を授けるに相応しい者が。


そんな折、ひとりの男が闇野の惑星へと降り立った。


柔らかな金髪に青の瞳を持ち、口元には柔和な笑みを浮かべている。三つ揃えの茶色のスーツを着た体格の良い青年だ。


青年は彫刻のように佇む闇野に歩み寄ると、朗らかに告げた。


「殺風景な場所ですな。あなた、こんなところにいては心が病気になってしまいますよ」

「――あなたは」

「失礼。申し遅れましたな。私はスター=アーナツメルツというものです。エデン星から来ました。どうぞよろしく!」


青年は快活に笑って闇野の枯れ木のような腕を掴み、握手をすると腕をシェイクせんばかりの勢いで振り始めた。


男の陽気さに闇野は圧倒されていた。誰しもが自分の外見を見て恐れおののくのに、この男は土足で踏み込んでくる。


スターと名乗る男は闇野のそばに立つと、いろいろと話をし始めた。


「私は宇宙旅行の最中でしてね。気ままにバカンスを楽しんでいたのですが、ふっと気まぐれ手この惑星へ足を運んでみたらあなたがいた、というわけです。これも何かの縁、良かったらお友達になりましょう!」

「……あなたは私が怖くはないのですか」

「いいえ。全く。まあ、こんな辺境の地に暮らしているのは可哀想だなと思いましたが」


可哀想と聞いて闇野は驚いた。今まで私に可哀想などというものはいなかった。


孤高に耐えるのが当然だと思っていたし、それが最善だと思っていた。


だがこの男は心から私を哀れに思い、あろうことか友達になろうとまで言い出すではないか。


同僚の神さえも敬遠する私に。


単純に面白い、と闇野は思った。そしてゆっくりと三角帽子を外し、ベールに覆われた姿を見せた。


いつも帽子を深くかぶり誰にも見せたことがない醜い素顔を――


「これでもあなたは私と仲良くなろうと言うのですか」


低くしゃがれた声で闇野が訊ねると、スターは言った。


「勿論ですとも!あなたさえ良ければ、ですが」

「私の顔が醜いとは思わないのですか」

「いえ、全く。それとも、醜いと言われた方が嬉しかったですか?」

「そうではありませんが――」


変わらぬスターの対応に闇野は面食らいながらも、思った。


この男を後継者にしたらどうなるだろう?


神である私に一切の恐れも見せぬ相当な胆力と明るさ。


この男が守護神になれば世界はどれほど明るくなるだろう――


闇野は恐る恐る言った。


「スターさんとやら。あなたさえ良ければ、私の後を継ぎませんか」

「フム。何かしらの後継者不足のようですな。近頃は伝統工芸もそうだと聞いている。優れた技術は後世に残すべきです。それで、あなたは何をされているのです」

「守護神です」

「え?」

「この宇宙の総ての平和を守っている神です。あなたが望むなら、私の後を継ぎませんか」


スター=アーナツメルツは宇宙各地に事業を展開するスターコンツェルンの御曹司である。


引退した父から事業を継ぐように言われているが自分は若く器もないと考えていたので、見識を広めるためという名目で宇宙旅行へと旅立った。その最中に闇野に出会ったのだ。


故郷へ帰れば多忙な日々が待っている。地球人(この時は地球さえ誕生していないが)と比較すると十分の一の速度で老化するエデン星人とはいえ、この機を逃せばいつ闇野に会えるかわからない。


スターは闇野に好感を覚えていた。決して多弁ではないが、彼の言葉からは誠実さと生真面目さを感じ取り、正義を司る守護神という言葉も嘘とは思えなかった。


若社長と守護神の両方を天秤にかけたスターは少しの間思案して答えを出した。


「では期間限定で守護神になりましょう。その代わり、私の後継者が見つかればその子に継がせようと思います」


期間限定とはいえ引き受けてくれるという返事は闇野にとっては想像以上の答えだった。


一時的にせよ後を継ぐ者が見つかったのだ。闇野はさっそく今後の予定を訊ねた。


「スターさん。この後の予定はありますか?」

「旅行は気まぐれなので特に予定はありません」

「宜しい。それでは明日から守護神としての修行に入りましょう。その前に」


闇野はスターの右肩に触れて言った。


「あなたに私の不老不死の力を分け与えました。これであなたは老いることはありません」

「生涯現役ということですな。素晴らしい」


闇野の力はスターの体内で微妙に変化し不老不死ではなく不老長寿となったが、ふたりがそのことを知るにはだいぶ時間がかかった。


翌日から過酷な修行が始まった。


指一本だけの腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワットを各三万回、闇野が作り上げた標高五千メートルの崖のぼりを往復三千回、身も凍るほどの海の惑星での遊泳を五万回、灼熱の惑星での猛ダッシュを二千回など常人ならば何度転生しても不可能なメニューをスターは額に軽く汗をかく程度でこなしてしまう。


スターはタンクトップに首にタオルをかけた姿で息を弾ませながら言った。


「適度な運動は健康維持に欠かせませんな」


過酷な修行を心地よい運動と言い切るほどの無尽蔵の体力にさしもの闇野も呆気に取られた。


ちなみに宇宙に昼夜はないので何日も何年も同じ修行が繰り返される。


百年ほど経ったある日、闇野が言った。


「そろそろ次のステップに移りましょう。私とスパーリングを行ってください」


闇野髑髏は次なる修行の段階として練習形式の戦闘を提案した。


宇宙空間に漂い、間合いを測る両者。常人ならば宇宙では生きてはいけないが、このふたりは適応でき無重力でも問題なく戦闘ができる。


無言の睨み合いが続いた後、間合いを詰めて手四つに組みあう。


力比べは互角。スターが力比べから逃れると、闇野は得物である黄金の大鎌を虚空から出現させて容赦なく切りかかる。師匠と弟子とはいえ、闇野に手加減の文字はない。全力で仕留めにかかる。鎌が振るわれる度に放たれる斬撃をスターは機敏に回避したり腕で防いだり。


斬撃の威力はすさまじく、スターの背後にある小惑星をチーズのように易々と切断していく。スターもガードはしているが幾度も斬撃を食らう間に服の袖が破れてきた。


お気に入りの服を台無しにされたことにスターは口角を上げて臨戦態勢を取った。


本気で攻めなければこちらが危ない。


スターは超高速で間合いを詰めて闇野の斬撃を躱しながら懐に入り込み、肘鉄を一発。


闇野の体がくの字に折れ曲がった隙を逃さず素早く両足を掴み取り、豪快にジャイアントスウィングで振り回す。自らの身体を軸にして台風のような猛烈な回転を起こすと、パッと闇野の手を離した。


闇野の身体は宇宙に漂う岩石に背中から激突し、連鎖反応を起こしドミノ倒しのように次々と岩を破壊していく。


突進してきた闇野を躱して背後を取ると、四肢を極めていく。両手両足を拘束した関節技の威力に闇野は呻いた。両手を封じられては自慢の大鎌も役には立たない。


これまで闇野に関節技を仕掛ける者など皆無だったので、スターの技に闇野は驚愕した。


互いの力は拮抗し技を仕掛けるスターも耐える闇野も極限の我慢比べに陥った。


先に体力が尽きた方が負ける。やがて、両者はどちらともなく技が解け、ふわふわと宇宙空間を漂い始めた。疲れ切って引き分けに終わったのだ。


始めての対決で自分を相手に引き分けに持ち込んだスターの才能に闇野は歓喜と恐れを覚えた。


この男はどれほど強くなるのだろうか。


スターは明るく笑って何でもない風に告げた。


「実にいい勝負でした。今は引き分けでしたが、次は勝ってみせますよ」

「スターさん。あなたはもう、私と互角まで成長された。免許皆伝です」

「それは嬉しい!ありがとうございます!」

「これからは私が授けた力を宇宙の平和のために使ってください」

「勿論ですとも。ところで闇野さん。免許皆伝ということで、本日より私独自の流派を立ち上げてもよろしいでしょうか」

「それは構いませんが……先ほどのような技が他にもあるというのですか」


スターは嬉しそうに頷き、非常に長い巻物を広げて見せた。


巻物には絵と文字が書かれ、それぞれスター流奥義と書かれている。


「私が闇野さんとの修行で新たに生み出した拳法、スター流格闘術の奥義千手です」

「短期間にこれほど多彩な技を……!」

「闇野さんの魂と私の編み出したスター流で全宇宙を平和にして見せますよ」


こうしてスターは闇野から巣立ち、スター流創始者としての第一歩を踏み出すのだった。


現在地球で使用されているプロレス技の大半が、スターの編み出したスター流奥義が起源となっている。


スターは巻物だけでなく持ち運びにも便利なように本としても作った後で、闇野の元を離れる決意を固めた。百年にも及ぶ師弟だが、遂に弟子の巣立ちの時が訪れたのだ。


互いに敬意を忘れることはなく、師弟というより年の離れた友達のように接してきたふたりの時間も終わりを迎えようとしている。


闇野は小屋でお手製のパスタを振る舞い、スターにご馳走した。


ちなみにこのパスタは後にスターが地球永住を決意した際、イタリアの地で広め、現在では世界各国で愛される料理となっている。


白い皿に盛られたペペロンチーノをフォークで口に運ぶ。


ピリッとした唐辛子の辛さが病みつきになる一品だが、闇野の手料理が食べられなくなると考えると一抹の寂しさが残る。


食事が終わり、スターはトマトジュースを、闇野は牛乳をグラスに入れて向かい合って飲んでいる。静かな晩餐だ。


無言の時が流れる中、闇野が口を開いた。


「あなたに私の能力の幾つかをプレゼントとして差し上げましょう」

「異能力ですか……」


以前にも述べたように闇野は全知全能の存在で無数の特殊能力を使いこなすことができる。


闇野の体内で突然に発生するそれは闇野にもいくつ能力があるのか把握できないほど、無数の能力が存在する。自分が所有しても宝の持ち腐れになるのも勿体ないし、スターの才能ならばどれを選んでも上手に使うことができると判断し、彼に譲ることにしたのだ。


闇野から差し出された能力のリストを眺め、スターは微笑んだ。


確かに膨大な数である。


軽く記述しただけでも、炎を操る能力、水や氷を操る能力、相手の武器を異空間に転送したり無力化する能力、霧になれる能力、自らの身体を太陽と同温度にする能力などなどだ。


スターが選んだのは時間を操る能力だった。時を止めたり動かしたり、過去や未来に自由に行き来できる力がある。


闇野は頷いて彼の手を握る。実感は薄いがこれで能力の譲歩は完了した。


「ひとつでよろしいのですか?」

「私にはこれで十分ですが、ひょっとすると弟子が必要になるかもしれません」

「それでは持ち運びがしやすいように飴玉にしましょう」


闇野は席を離れて小さな箱を持ってくると、掌をかざして無数の飴玉を落としていく。


これこそ能力を固体化し、食べたものに異能と不老長寿を与える『超人キャンディー』のはじまりの姿である。


キャンディーが入れられた箱を受け取り笑うスターに、闇野は少し躊躇いながらも訊ねた。


「あなたはどうして鏡を見ないのですか」


闇野はスターと暮らし始めてからというもの彼が鏡に自分の顔を映したことを見たことがない。


身だしなみに気を付け、服装もお洒落な男だが洗顔も風呂も一度も顔を鏡に写さずに行う。


この奇妙な癖が実に不思議だった。スターは波打つ金髪にきらきらと宝石のように字輝く青い瞳が印象的な美形である。特段、顔に劣等感があるとは思えない。


その旨を語るとスターは少し視線を逸らし軽く額に汗をかきながらも言った。


「それを知りたいのですか……他ならぬ闇野さんの頼みですから、教えましょう」


スターは少し肩を落としながら、闇野と共に鏡の前に立った。すると、どうだろう。


スターを写すはずの鏡の中には漆黒の髪、黒く淀んだ暗い瞳の不気味な男が写り、しきりに口を動かし何かを喋っている。あまりの光景にさすがの闇野も呆気に取られた。


「この男は誰なのです」

「私の『弟』です。エドワード=アーナツメルツと言います」


エドワードは生まれたときからスターと一心同体だった。


心の中に住み、時折、スターの身体を乗っ取る。スターが光ならば闇そのものがエドワードだった。


スターは頭をかきながら苦笑した。


「たまに鏡を見るとこいつの姿を浮かび上がる!私は見るのも嫌なのです!今のところは安全ですが、またいつ体を乗っ取るか、そればかりは何とも言えません」

「なるほど。あなたと初めて会った時に微かに感じた闇のオーラの正体はこの男でしたか」

「私はあなたの元で修行し、格段に強くなった!再び奴が体を乗っ取ろうとしても次こそは負けませんよ!ハハハハハハハハハッ!」


明るく笑うスターだが、闇野は彼の笑いの奥底に深い悲しみを見た。


この男はずっと自分の悪の面と戦っているのだ。


辛い現実を明るさで打ち消そうとしているのだろう。


スターは鏡から離れると小屋の外へと飛び出し、深呼吸をした。


「よい空気です。先ほどの悪夢を忘れてしまいそうなほどに」

「……そうであってほしいものです」

「それでは闇野さん。あなたは楽しい隠居生活を、私は守護神として全宇宙平和の道を!

行く道は違っても私とあなたは友達です!」

「その通りです」


固く互いの手を握りしめ、背中合わせとなる。


闇野がスターに指導した中で最も利便性に富んだ技の双璧が、『テレパシー』と『瞬間移動』だ。


テレパシーはどこの世界にいても念波を通じて相手とやり取りができ、瞬間移動は全宇宙全平行世界のどこへでも指を鳴らすだけで瞬時に移動ができる。


スターは目を閉じ、口角を上げて静かに言った。


「それではお師匠様、お元気で」

「弟子のあなたも幸運が訪れますように」


同時に指を鳴らし、ふたりは全く異なる人生に旅立った。

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