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短編 ジャドウさん、スパーリングでも手は抜きません!

特訓場にあるリングで行われた美琴とジャドウのスパーリング。


一方的な敵意を向けているジャドウは能力をフルに発動して、単なる練習試合を超えた真剣勝負を挑んできた。


最初は打撃で様子を見て、投げを放って互いに身体のエンジンを全開にさせていく。


美琴の蹴りがジャドウの胴体に命中したが、ジャドウは身体を霧と化し無効化してしまう。


続けて放たれた踵落としもジャドウの頭頂部に触れた瞬間に彼を一刀両断にするが、美琴の打撃が鋭いのではなく、ジャドウが被弾と同時に霧に変化しているだけだ。


いかなる打撃も通用しない。格闘技においては反則(チート)とも言える能力。


ジャドウもスター流の一員であり、特殊能力を得られる超人キャンディーを食べていることは美琴も感づいていたが、まさか霧になれるとは思ってもいなかった。


驚いた隙を突かれ、美琴はネックハンキングツリーで吊り上げられて喉にジャドウの親指が食い込んでいく。


そのまま宙高く放り投げられ、右膝と右肘による挟み撃ちを受け、美琴は唾を吐いた。


マットを七転八倒する中、ジャドウは容赦なく美琴の長い髪を掴んで無理やり立たせ、彼女の喉に拳を打ち込む。喉が凹んで、美琴は小さな口から大量の吐しゃ物や血を噴出した。


更にドロップキックで追い打ちをかけ、彼女の首元をカットする。


ダラダラと血を流して白い忍装束を赤く染めていく中でも、美琴の闘志は消えない。


構えを取り、戦闘続行を示した。


ジャドウが意に返すことなくサマーソルトキックを見舞うと、美琴はその足を掴んで素早く片足逆エビ固めに移行する。


渾身の力で反り上げるが、ジャドウは腕の力を使って切り返し、パイルドライバーで美琴の頭部をマットに串刺しにしてしまう。


どうにか首を抜いてブンブンと頭を振ってダメージから回復したものの、ジャドウの姿が無い。


ハッとして上を見上げると、ジャドウが掌を向けて錐もみ回転で迫ってきていた。


顔面を鷲掴みにされ、凄まじい勢いで顔に回転が伝わっていく。


顔を高速回転させることにより、美琴の顔の皮を剥がそうとしているのだ。


しかし意図を読んだ美琴もマットを蹴って逆方向に回転することで、威力を相殺していく。


次第にジャドウの指が美琴の顔から離れていき、遂に完全に技を外した。


ジャドウは指先から血を滴らせて残忍な笑みを見せた。


「美琴よ。少しはやるではないか」


「ジャドウさんこそ……」


精一杯の笑顔で応えたが、喉への一点集中攻撃を受け続けダメージは深い。


普段は相手の打撃を見切って回避したり、受け流したりする消極的な戦法が基本の美琴だが、今回は受けに回っていた。


躱さずに食らうことで彼の怒りや恨みを浄化しようとしているのだ。


だが、どれほど受けに徹しても――ジャドウは攻撃を止めないどころか苛烈さを増していくばかり。


ジャドウにとって美琴への攻撃は飲むほど乾く酒のようなもので、どれほど続けても満足するということがない。


美琴は考えた。


このまま受け続けても彼は満たされない。


全力で戦ってこそ、彼に報いることができるのではないでしょうか。


気持ちを切り替えた美琴は静から動へと変わった。


ジャドウの拳を回避して背後に回って、投げっぱなしのスープレックスで彼の頭を鉄柱に叩きつけて倒すと、自分はロープに背中から当たって反動を利用して高く跳躍。


ドリルのような爪先に猛烈な回転を加えて、倒れているジャドウの腹を抉った。


今度はジャドウをロープに飛ばして、跳ね返ってきたところを待ち構え、羽交い絞めに極め、そこからスープレックスで投げた。フルネルソン・スープレックスである。


二度も高度な投げを食らってジャドウは悶絶し、辛うじて立ち上がるが、今度は両腕を絡められ、頭突きの連発を食らって、そこから巴投げで空高く飛ばされていく。


自らも追いかけ、逆さまに弓矢固めをかけると、凄まじい勢いで落下していく。


首と両太ももをがっちりと極められているのでジャドウは脱出できない。


膝による攻撃を十八番とするジャドウが背骨を美琴の両膝で強烈に攻められ、マットに激突。


落下による衝撃で限界まで背骨を反られたジャドウは吐血するが、まだ立ち上がってくる。


しかし立ち上がるのがやっとで戦意喪失しているのは明らかだ。


彼を華麗な一本背負いでマットに押し倒して気絶させ、美琴の勝利が決まった。

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