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短編 はじめまして!川村さんとのお手合わせです!

「美琴殿、参るでござる」


長い黒髪を束ね袴姿の少年、川村猫衛門はくりくりとした大きな瞳で対戦相手の闇野美琴を見据えました。


同じ和装同士ということもあって、川村は美琴に親近感を抱いていました。


だからこそ勝負において勝利してみたいと思ったのです。


リングに入った川村は流れるような動きで腰に携帯した日本刀『斬心刀』の唾に触れました。


川村は他のスター流メンバーとは異なり素手よりも剣術を得意としていました。


当然、美琴に隙があれば全力で斬るつもりなのです。


色白で小顔、一見すると少女にも見える猫衛門の目にはギラギラとした殺気が宿っています。


普段は温厚な猫衛門も勝負となれば鬼となるのです。


互いの間合いを図り、どちらも踏み込めないまま、リングをぐるぐると回っています。


先に美琴が踏み込み、川村に低空タックルを仕掛けました。


しかし、川村は愛刀の柄で美琴の細い顎に一撃食らわせ、顎が上がって動きが硬直した一瞬を逃さず、抜刀。


照明の光に照らされて銀色の刃が輝いた瞬間、川村の剣技が発動しました。


「華麗米斬り!」


美琴が反応できないほどの速度で斬撃を「米」の字に浴びせていきます。


それも彼女が怪我をしないようにすべてみねうちで済ませているのです。


肩や膝、腕など至るところが紫色に晴れ上がり、美琴は前のめりに倒れて動かなくなりました。


もしも川村が本気で斬っていれば、美琴はバラバラになっていたことでしょう。


チャンと金属音を立てて刃を納めた川村は微笑を浮かべました。


「美琴殿もまだまだ精進の必要がありそうでござるな」


「川村さん。本日はお手合わせをありがとうございました」


ふたりとも向かい合って正座をして深々と頭を下げました。


練習試合でも礼儀を忘れないところが日本人の誇り高さなのです。

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