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まさかの選手交代です!

美琴は身体を貼ってエネルギー弾を食らい、ムースと街を守った。


だがその代償として全身は緑色の光線に包まれ、激痛のあまり悲鳴を発する。


光線が消えた後、彼女は服を黒焦げにし、両膝から崩れ落ちるようにして倒れた。


「美琴様!」


慌てて駆け寄るムースに彼女は弱々しく笑みを浮かべる。


「ムースさん……」


「大丈夫ですの!?」


「心配しないでください。これくらい何でもありません……」


苦痛に顔を歪めながらも立ち上がる美琴に、HNΩは電子音を発して嘲笑した。


「よく耐えたと言いたいところだが、その様子では止めを刺されるために立ち上がったとしか思えんな」


「違いますわよ」


美琴の代わりに口を開いたのはムースだ。彼女はHNΩを指差し。


「ポンコツの機械人形であるあなたはご存じでないのも当たり前でしょうが、美琴様はあらゆる攻撃を何倍にもして跳ね返す能力を持っていますの」


「あらゆる攻撃を何倍にもして跳ね返す……だと!?」


「あなたの攻撃もすぐに反射してご覧に入れるでしょう。そうですわよね、美琴様」


美琴に返事はない。だが、彼女の肉体や肌からダメージが癒えてきていることからムースは彼女が何をしようとしているのかを察した。


嘗て自分と闘った時も同じような現象が起きたことを思い出しながら、ムースは得意気に告げた。


「あなたのご自慢の光線銃がアダとなりましたわね。激痛を味わうのはあなたの方ですわ。

さあ、わたくしに存分にアルトの断末魔を聴かせてくださいな」


表情こそ変わらないものの、一、二歩後退し頭を抱える様子にムースは勝利を確信した。


彼女の無敵の能力の前では光線銃など玩具以下の武器でしかない。


相手が悪かったと後悔しながら、破壊していく姿を見せてほしい。


期待に満ち溢れた歓喜の笑みを顔に貼りつけるムース。


「オーッホッホッホッホ!

無様ですわね。

そのままスクラップになって焼却炉で燃え尽きるのが、あなたにはお似合いですわよ。

お馬鹿な機械人形さん」


勝ち誇ったムースが彼を煽ったその時である。


身体の治癒が完了したはずの美琴が再び倒れ、地面を七転八倒し悶絶し始めたのである。


突然の異変にムースは困惑する。


「何が起きたのです!?」


「どうした、俺に光線を跳ね返す算段ではなかったのかな」


「あなた、何をしましたの!」


掴みかからんばかりの勢いで睨むムースにHNΩは地面に突き刺していた愛銃を拾い上げ。


「俺の銃は対能力者用に作られている。

まともに食らったら能力を一日封じられる効果があるんだよ」


敵から放たれた衝撃の事実に、ムースは言葉を失った。


一見治癒しているように見える美琴だが、よく見ると定期的に身体に緑色のスパークが現れる。


これは先ほどの光線を受けた影響と見て間違いない。彼女は光線の力に蝕まれているのだ。


今の美琴は能力が使用できない。


それ以前に激しいダメージで闘うことも困難な状態だ。


もしもこの状況下でもう一度光線を受けたら、彼女は間違いなく力尽きる。


そこまで考えた時、ムースは全身に寒気を覚えた。


実際の寒さではなく、相手の能力に恐怖を感じたからである。


だが、ムースは逃げるという選択肢を取らなかった。


それどころか倒れている美琴を背にして、HNΩにコルセットの裾を持ち上げ、礼をする。


これは彼女が戦闘態勢に入ることを意味している。


「ムース……さん……」


蚊の鳴くような小さな声で相棒の名を呼ぶ美琴。


その声を聞いたムースは頷き。


「今日は趣向を変えて機械油と音声合成音の悲鳴が聴きたくなりましたの。

この勝負、わたくしに譲ってくださいな」

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