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五番目の弟子、ヨハネスさん登場!男子か女子かわかりませんっ!

超人キャンディーを食べると不老長寿になる。


ムースさんが告げた一言は、わたしにとってあまりにも衝撃の大きなものでした。


キャンディーを食べたときは李さんの捜索に夢中で副作用があるなど考える余裕なんてなかったのも事実ですし、そもそもキャンディーに副作用があるなど、想像さえしていませんでした。


ですから、ムースさんからの告白に対し真っ先に浮かんだ感情は後悔でした。


不老長寿になると知っていたならば、あのとき食べるのを躊躇したかもしれません。


それに仮に食べてしまった後でもスターさんと話をする機会は何度もあったのですから、彼に訊くこともできたかもしれません。


もっと早くに訊いていれば、これほど驚くことはなかったと思いますし、制作者本人なら不老長寿の副作用を無くす術を知っているかもしれません。


後悔先に立たずとはまさにこのことです。


ですが過去は変えられなくても未来なら変えることができるかもしれません。


そうです、今からだって遅くはないのです。


この任務が終わったらすぐにスターさんに副作用を打ち消す方法をきけばいいだけのことではありませんか。


先ほどは落ち込んで自分を責めていなのに、次の瞬間には前向きに思考を切り替える。


そんなわたしの考えを変わり身が激しすぎると批判するかもしれません。


ですが、いつまでも悪い考えにばかり囚われていては何も始まらないのです。


行動を起こさなくてはなりません。


と、ここで掌が軽いことに気づいて我に返りました。


すると、考えに集中し過ぎていたからでしょうか。スプーンがわたしの掌から消えていました。


似たような光景がつい先日もあったような気がします。


あの時は確か……


「上ですね!」


自信満々に視線を上に向けますが、スプーンは影も形もありません。


一体どこへいったというのでしょう?


「下ですわよ」


にっこりと笑うムースさん。


彼女の指摘通りテーブルの下を覗いてみますと、スプーンが床を滑って移動しているのがわかります。


このままだと誰かに拾われてしまいますので、迷惑をかけるまでに行動をしなければなりません。


決意を胸に椅子から立ち上がり、一歩踏み出したそのとき。


申し訳ないことに、スプーンは白い手袋をはめた手に拾われてしまいました。


斜め前に座るその人の席に走っていきます。


「ありがとうございます」


「会話に夢中になってスプーンを落とすなんて、集中力が欠けている証拠だねえ」


「本当にありがとうございました!」


お礼を言ってスプーンを受け取ろうとしたとき、相手の顔を見たわたしは思わず口から「あっ」という声を出してしまいました。


どうしてそんな声を発してしまったのか、理由は簡単です。


その人の顔立ちがあまりにも綺麗だったからです。


お尻まで届きそうなほど長く伸ばした銀髪に緑色の大きな瞳が特徴の美少女です。


鹿撃ち帽子にインバネスコートという探偵風の恰好をしているのが気になりますが、所謂コスプレというものでしょうか。


彼女はわたしにスプーンを渡すと優しく微笑み。


「初めまして、美琴さん。こうして僕らが会うことは、ずっと前にわかっていたよ」


「どうしてわたしの名前を……」


「僕に知らないものは何もないからね。

僕はヨハネス=シュークリーム。スターさん五番目の弟子だよ。

よろしくね」


スターさん五番目の弟子?


それにしても女の子にしてはハスキーな声です。


一人称も「僕」ですし。


もしかすると男の子の可能性も……


しかしこの外見で男の子というにはいくらなんでも無理があります。


李さんも僕っ娘でしたから、彼女もそうなのでしょう。


握手を求める彼女の白手袋をはめた手を握り返します。


「ここで会えたのも何かの縁ですから、もし良かったらわたし達と少しお話しませんか」


「断る理由は何もないからね。いいよ」


こうしてわたし達はスターさんの弟子というヨハネスさんから色々話を聞くことにしました。


ですが、わたしの隣に彼女を座らせたのがムースさんにとっては面白くないのでしょうか。


背後からドス黒いオーラを放出しているのが感じ取れます。


口元にこそいつもの笑顔がありますが、手にしたスプーンにギリギリと力を込めていることから察するに、相当に怒っているようです。


このままだと腕力だけでスプーン曲げを成功させそうな勢いでしたので、彼女の怒りを鎮めるためにも、ヨハネスさんにはムースさんの隣に座ってもらうことになりました。


横目でギロリと冷たく睨むムースさんに対し、彼女は涼しい顔で答えます。


「そんなに怖い顔をしなくても、僕は君のライバルになる気はないよ」


「あなた、信用できませんわね。

その外見でどれだけの玩具達を口説いてきたんですの」


「ウフフフ……

僕は口説いたりする趣味はないからね。ただ、周りの人が僕にお付き合いを申し込んでくることは頻繁にある」


「ますます気に入りませんこと。

あなたの顔の皮を剥ぎ取って剥製にして差し上げたいくらいですわ」


「僕はお腹が空いたから、とりあえず何かを食べることにしよう。どれにしようかな……」


ムースさんの挑発を完全スルーし、メニューを眺めるヨハネスさん。


マイペースといいますか、ある意味で大物です。


このまま何もなければいいのですが。

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