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異ノ覇-コトノハ-  作者: 徳永慶喜
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相性って大事だな。


「お姉様が妹、お姉様が妹、お姉様が妹、お姉様が妹、お姉様が妹、お姉様が……妹ォォォォォ!!」


 クリスティーナは持っていた槍を大きく振りかぶり、俺の世界の槍投げよろしくギールに向けてぶん投げた。

 槍は凄まじいスピードで飛んでいきギールの後頭部に刺さる、と思ったところでギールはそれを見もせずにキャッチする。それをそのままギールがクリスティーナに向けて投げ返そうとすると、クリスティーナはその槍を光の粒子化した。


「あぁ⁉︎んだこれっ!」

「目隠し⁉︎そういうプレイなのか⁉︎」


 なるほど、粒子を目眩しに使ったのか、すごいな。……なんか聞こえた気がするけど気にしない。


 光に覆われた所為でギール達は頭上に大きな水の塊が出来てもその影に気付くことは無かった。


「『愚者は愚者なりて愚者のままに 雨を求めよ!』」

「「がばはがごぼっ!!」」



 クリスティーナが詠唱の最後の部分を唱え終わるとギールとギーグに向けて大量の水が一気に降り注いだ。

 あれって惑いの森で火を消すときに使ってたイデアだよな。あんなにえげつない威力だったのか……。


「このっ……やってくれるな、お嬢ちゃんがよぉ!!」

「やはり……いいっ!」


 怒りの声と変態の声が同時に聞こえた気がするけどやっぱり気にしない。

 ギールが怒りのままにクリスティーナの元へ向かおうとしたとき、クリスティーナが次のイデアを唱え始めた。


「『土を濡らすは涙である 枯れることない涙である 土を満たすは血である 乾くことない血である 大地はそれらを沼となす 終わることない沼となす』」


 クリスティーナがイデアを唱え始めた瞬間、さっきのイデアで濡れた地面が異常なほどぬかるみ始め、ギールは泥に足を取られ思うように進めずにいた。やがてイデアを唱え終わる頃にはギールの下半身は全て泥に、いや沼に埋まっていた。



「当初の予定通りですね。やはり貴方は埋まる運命だったのです」


 クリスティーナはそう言って満足気に笑った。



 クリスティーナ、勝利。




 ……いやクリスティーナ怖ぇ。

 いや確かに肉弾戦が得意そうな爪の民にはイデアで遠距離から戦えるクリスティーナが有利だと思って俺が送り出したんだけど、ここまで圧倒的だとは思わなかった……相性って大事だな。

 でも多分接近戦だったらクリスティーナに勝ち目はないだろう。遠くの意識の外から攻撃を開始できたこの状況だからこの圧倒的勝利なんだろうけど……いややっぱクリスティーナ、やっぱあいつやべぇ。






「くっ!この足掻けば足掻くほど埋まってゆくこの感覚……まさにクリスティーナ殿の魅力を形容しているかのようだ!!抜け出せん!!!」




 あいつはさっさと埋まってくれないかな。俺の理想が完全に崩れ落ちる前に。


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