質問いいか?
二度目の挑戦!ほぼ台詞だけの回です。夢の中なので地の文無しという方法をとっています。
「与一さん?聞こえてますかー?」
「ん……あぁ?何だこれ。何処だここ……」
「おーい、与一さん?こっちですよ」
「あっ!コンスタンティン!」
「はーい、与一さんのアイドル、可愛いコンスタンティンちゃんですよ?また夢の中に出てきちゃいまーした☆(ほし)」
「黙れ」
「そんなので黙る僕じゃないですけどね」
「ちっ……まぁいいか。で、何の用だよ」
「何の用だってひっどいなぁ。聞きたいことが沢山あるだろうと思ってわざわざ出て来てあげたのにぃ」
「……まさか、槍の民達について、何か知ってるのか⁉︎」
「知ってますよー」
「教えてくれ!お前が知ってること、全部!」
「そんなに迫らないでくださいよ、僕そっちの趣味はないんですけど。えっと、とりあえず、ほとんどの槍の民はまだ生きてますよ。前もってカムランが逃がしていたようです。ハクアミロスで戦っていたのは戦闘を得意とする槍の民だけです」
「そうか、良かった……それじゃあ、カムランは?ピータンはどうなってる⁉︎」
「それは教えられません」
「何で……まさか、もう2人とも死んで……⁉︎」
「いえ、教えられないのは別に理由があります」
「……何だよ、それ」
「ごめんなさい」
「謝んなよ、多分俺とか、世界とかの為だろ?」
「そうですね、与一さんにかける情なんて微塵もないので世界の為です。何ですか?やりますか?受けて立ちますよ。コンスタンティンフィストが火を吹きますよ」
「くっそ……あぁ、じゃあ他に質問いいか?」
「ええ、構いませんよ」
「モルガナって分かるか?」
「あぁ、与一さんのファーストの相手ですね」
「そうなんだけどな、何だろうな馬鹿にしてるよな」
「してますけど」
「いつか殺す」
「叶うといいですね」
「はぁ……それで、そいつの記憶とか、感情とか、これからしようとしてる事とかが分かるようになったんだけど、これって意思疎通の影響か?」
「ええ、それもありますが、一番の理由は与一さんとモルガナの魔力のパターンが完全に一致している、という所にあります」
「魔力のパターンが、一致?」
「ええ、本来はあり得ない事なのです。同じ世界に同じ魔力パターンを持つ人間はいない、と言うのがこの世界の常識ですから。ですが、与一さんは別世界の住人です。なのでそんなウルトラC的状況があり得るんですよ」
「じゃあ何か?モルガナはパラレルワールドの俺自身……とか、そんな話か?」
「はっ、アニメの見過ぎですねクソオタクが」
「死ねよお前もう」
「まぁそれは置いといて、そんな事はありませんよ。言ってしまえば血液型が完全に同じ、みたいなものです。規模が全然違いますが」
「それで、魔力が同じだと、どうして記憶なんかが分かったりするんだ?」
「魔力は魂から生まれ、魂は魔力によって構成されています。それ故、魔力は魂の記録を持っているのです。わかりやすく言うと遺伝子のようなものですかね。本来そんな物は微々たるもの過ぎて解析など出来ませんが、与一さんにはそれが出来てしまった」
「意思疎通の能力か⁉︎もうなんかめちゃくちゃだな意思疎通!」
「その通りです。よく出来ました。そしてさらに同じ魔力同士は惹かれ合います。その世界にある、魔具という道具がその性質を利用しています。道具にイデアを込め、その道具に込めたイデアと同じ魔力を流し込む事でイデアを発動させる、と言う仕組みなのですが、これは同じ魔力が惹かれ合う、と言う性質無しには成り立ちません」
「モルガナの記憶で見た、スカートみたいなやつか」
「そうですね。話を戻しますが、与一さんの魔力とモルガナの魔力は同じものです。そのため、モルガナが与一さんに呪いをかけた時、与一さんの魔力とモルガナの魔力が惹かれあってしまった。それもキスなんていうゼロ距離の状態で絡み合った為、かなり深く混ざり合ってしまったんです。だから記憶だの感情だのが読み取れてしまったんだと思います」
「なるほどな、でもなんで恥ずかしい記憶ばっかりだったんだろうな」
「それはモルガナにとっても与一さんにとってもキスが恥ずかしいことだったからじゃないですか?知らないですけど」
「……否定できないから悲しいよな」
「ぷぷぷ、童貞は辛いですね」
「うるせぇ。……でもこの状況って不味いんじゃないか?あいつからも俺の感情とか考えとかばれたら……」
「馬鹿ですか?意思疎通も持ってない奴がそんな事出来るわけないでしょう」
「似たようなの持ってるじゃねえかあいつも!」
「あれは言語理解!意思疎通とは似て非なるもの!月とスッポン!高級ウォシュレットと野グソです!」
「な、なるほどな」
「あ、因みにですが、まだその繋がりは切れてない、というか恐らく一生切れないので相手に気づかれないように気をつけてくださいね?多分覇王クラスになると利用されちゃうと思うので」
「なっ!どうにかしてくれよ!」
「無理です、民事不介入なので」
「明らかに民事じゃねぇ」
「あっ、そうだ。与一さんにプレゼントがあるんですよ」
「相変わらず話の逸らし方がえげつないよな」
「なんだか通訳として頑張っていたみたいなのでその役目を奪うようで申し訳ないのですが」
「別に通訳じゃな……いや、否定は出来ないな……」
「先程話題に上がった、魔具をプレゼントします。今与一さんの体を操って作っちゃいました」
「マジかよお前そんなことできんの?怖いんだけど」
「与一さんが寝てないと無理ですけどね」
「それで、何作ってくれたんだ?」
「テレパシー用の指輪です」
「テレパシー?」
「はい、通訳が大変そうだったので同じ指輪をつけてる人に与一さんが一方的にテレパシーを送れるようになる指輪です」
「何それすげえ」
「まぁ正確には相手から聞こえた言葉の内容を他の人にそのまま送るだけなんですけどね」
「つまり全自動翻訳機ってことか?」
「理解が早くて結構です」
「すごい便利だな、それ」
「魔力を流している間だけ発動するので、大勢で会話する時には忘れずに発動させといてくださいね」
「魔力を流すって……どうやるんだ?」
「意識を魔力を流したい部分に集中させてたら出来ますよ。意識したところを温めるイメージです。感覚です感覚。分からなければクリスにでも聞いてください」
「あぁ、聞きづらい」
「頑張って下さいね」
「お前状況知ってて言ったな?このクソ野郎が」
「こんな可愛いのつかまえてクソ野郎とか目腐ってんじゃないですか?」
「お前を見続けた所為だな」
「寝てる間気を抜かないようにして下さいね、気がついたら裸で外に、とかならないように」
「お前俺操る気だろ、この鬼畜が」
「あ、指輪は10個作っておいたので、無くさないで下さいね。相手も付けてないと無駄ですから。ぶきやぼうぐはもってるだけじゃ……ってやつですよ」
「お前ってやたら俺がいた世界の事にも詳しいよな」
「コンスタンティンですので」
「答えになってねぇよ」
「答える必要がありませんから」
「……前から思ってたこと言っていいか?」
「いいですよ?何ですか日頃の感謝ですか?」
「いやさ、お前ってなんか未来の猫型ロボ」
「それ以上はいけない」
「今回のもなんかほんやくこんにゃ」
「黙れと、言ったはずです」
「悪かったよコンスタンティえもん」
「はい殺すー!殺しますー!それ言ったー!言っちゃいけないこと言ったー!」
「落ち着けよ、殺すとか教育に悪いぞ」
「僕別に金曜7時にテレビとか出てないので!教育とか関係ないので!……ふぅ、もういいです。そろそろ朝なのでおいとまします。僕そろそろ寝ないと明日早いんですよ」
「また俺も寝不足かよ、くっそ」
「でも僕がいないと心配事だらけのままだったでしょう?」
「増えた気もするけどな」
「それじゃあ、また来ますね」
「おう、二度と来んな」
目がさめるとベットで寝ていた。コンスタンティンが操ったからか。そして枕元には指輪が10個、並べられていた。
さて、どんなものか、楽しみだ。




