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コズミック5出動

私はその後焔と合流すると、焔は私を見るなり腕を掴み

「丁度良かった、ついてきて。」

と言ってそのまま手を引き走り出した。


珍しく急いで、どうしたのだろう?


……急だったから気づかなかったが、よく見ると焔、顔に怪我をしている……?足にも痣があるようだ。

どうしたのだろう、火傷ではないみたいだが何かぶつけたのだろうか?


焔に連れてこられた場所は、コズミック5の事務所だった。

そしてそこに何故か…

「あれ?リリア様!」

フユキもいる。


「何であなたがここに……!」


「さっきナギくんに絞められていたところをレッド先生に助けられたんです!

ついでに良い物見せてあげるから事務所に来いって……」


焔はフユキのことをかなり気に入っているようだ。

焔は急いだ様子で私とフユキを見ると特に何も言わず事務所の奥まで消えてしまった。


「やあ、お二人さん!出動するとこ見るのは初めて?」


私が焔を見送ると、緑川が話しかけてくる。


「ええ、出動って……何かあったの?」


「最近ヒーローに報復したいって異星人が徒党を組んだらしくて、そいつらを蹴散らしに行くんだってさ。」


『ネメシス』のことか……


ヒーロー達は駆け足にエントランスまで出てくると、私は目を輝かせる。


ヒーロースーツを着ている……!こんなもの無料で見ていいのだろうか?

メンバーの中には、見たことのない人物もいる。

あれは言わば先代グリーン?女性みたいだ。

私の知ってる「若葉」ちゃんも女性だったし、緑川のキャスティングがレアケースのようだ。


イエローも知らない人物だ、この人は男性みたいだが……

ブルーと同じくらいの長身で、比較的細身だ。


「双星の研究生たちも付いてきて!今から原塾に向かう!」


焔に促されるまま、私達はヒーロー達を運ぶバンに乗り込んだ。


「今日は『ネメシス』っちゅー異星人を倒しに行くらしいで。

負けちゃ駄目ネメシス!なんつって!」


イエローが言う。

若いの男性の声だ、前任はこんな感じだったのか。

場の空気はピンクがくすくす笑うのみで、私の氷魔法を使った時よりひんやりしている……


「何やねん皆~!ちょっとは愛想笑いくらいしてや!」


「私は好きだったよ?」


「イエローちゃんのギャグって古いのよ

駄目ネメシスの語感も悪いし。」


頬に手を当ててグリーンが言う。

彼女も40代~50代くらいの女性の声だ。


そんな世代の女性がヒーローってかっこいいかも…


しかし後任を育ててるってことはそろそろ辞めてしまう予定があるという事だ、元気そうなのに何か事情があるのだろうか?


「もー、皆緊張感削ぐのやめろよ……!研究生も見てるんだからな。」


焔が照れ臭そうに言う。


「おーそかそか!焔きゅんは今先生やっとるんよな!

へー、可愛い子連れてきたやん!隅に置けんのお!」


「顔で選んでないから……!」


焔は裏返った声で下を向く。

アットホームないい雰囲気だ。

焔も先生をやっている時より自然体のように見える。


コズミック5も結構好きになれそうだ。


「せや研究生の子、飴ちゃん食べる?」


イエローがそう言って飴を差し出す。


「私も持ってるわよお菓子!ゼリーあるのゼリー!」


イエローとグリーンはそう言って私達にお菓子を渡す。

もしや、レッドの年寄りくさいムーブはここからきているのだろうか?


「いただきまーす!えへへ!俺甘いの大好きです!」


フユキが笑顔で言うと二人はグッドサインをしながら

「いい笑顔!街を守るモチベが沸くで!」

「子供が笑顔でいれるのが一番よね」と言って笑った。



目的地に着くと、そこには銃器を持った異星人達が待ち構えていた。


「コズミック5……!お前らが来るのは解っていた!

よくも我が同胞たちに怪我を負わせてくれたな!」


「お互い様だろー?こっちだって毎回命かけてんのよ。」


ブルーが言うと、「うるせえ!」と叫びながら異星人達が銃を撃ち始める。

しかしブルーが地面を隆起させたお陰で、全員無傷だった。


あんな一瞬で大きな壁を作ってしまうなんて、流石現役ヒーローだ。


その後、グリーンが身一つで異星人達の場所に乗り込むと、銃弾を跳ね除けそのまま彼らを蹴り伏せる。


銃弾が効かない?まるで体が鉄になったみたいだ。

硬化能力か何かだろうか?


銃器が手を離れてるうちに、ピンクが周りを爆破して武器を破壊する。

銃器が無くなったことが解ると、

他のメンバーも続いて異星人達に乗り込んでいき相手はあっという間に制圧されてしまった。


一瞬で異星人達が倒されていく……!

私が知ってる初期のコズミック7より、足並みが揃っていて強いようにすら思える程の連携だ。


「今日も鮮やかだねー、あの中に入って行ける気しねえや。」


呑気に言い放つ緑川。

そもそも何でこいつはブラックホール団員なのにヒーローになろうとしてるのだろう。


慣れた手つきで異星人達を縛り、後からやって来た車に乗せると、

ヒーロー達は「疲れたー」とぼやきながら再びバンに乗り込むのだった。


「あ、私末っ子のお迎えあるから皆先帰ってて」


車に乗り込まないグリーンを見て、私は急いでバンを降りる。


「わ、私グリーンに聞きたいことがあるの!皆先に帰ってて!」


「ええ!?」


何か言いたげな焔をよそに車はそのまま発進し、

その場には2人だけ取り残された。


コズミックグリーン……

多分近々コズミック5を辞めてしまう人。


事情によっては仲間に引き込めるかもしれない。

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