シノ
「何言われたのリリア」
「何でもない!可愛いねって言われたのよ!」
「言ってねえけどまあそれでいいや。で?どうなのウリュウサマ、その辺のとこは」
「デリケートな問題だし混乱を招きかねないから黙っていたんだ、そもそもリリアの予知が本物か僕も把握しきれてなくてね。
ただの妄想って事もあるだろ?確実じゃないのに組織の破滅を触れ回るのは避けたかった。」
「なるほどー?じゃあ今回ではっきりすんじゃねえか。ネメシスが双星を襲撃したら本物だ。
それがはっきりしたらあんたらちゃんとその件について俺らに説明してくれんだよなあ?」
「勿論、でも解ってるシノ?もし本物って解ったらリリアは組織に多大な貢献をする事になるんだ。そうなったら今日の舐めた態度や発言も撤回してもらうよ。」
「もし貢献したら、な。タラレバなんてあんたらしくないねー?何焦ってんだよ王子様」
「……」
彼は珍しく顔を顰めて黙り込んでしまった。
あのウリュウが対応に困っているなんて……
性格の悪さではシノが1段上のようだ。
「こちらで裏を取ればすぐにわかる事、幹部を挑発するのは辞めなさい、シノ。」
ミカゲが二人を制止する。
シノはどうして私とウリュウに突っかかるのだろう?
気味の悪い奴だ。
「チッ……じゃあどうすんの?今日の会議はネメシスが双星を狙ってるけど、加勢したら組織が破滅しますってリリアちゃまが言ってましたで終わりか?」
「……シノ」
「嘘だったら今日の会議無駄じゃん。責任とれんの?リリアちゃま」
「そもそもの前提がおかしいわ、私はこの会議で一言も発言してなかったのにあなたが引っ掻き回したんじゃない。」
「そりゃごもっとも、悪かったね」
シノはそう言って悪びれた様子もなくヘラヘラと笑う。
「リリア、僕と席変わる?彼はこの調子だからいつも隣に人がいないんだ」
「いいわ、立って聞いてる」
「それはいけません、名家の令嬢がそのようなことを……」
「私が立ちたいって言ってるの、気にしなくていいわ。会議を邪魔しちゃってごめんなさい、続きを聞かせて頂戴」
その後、ミカゲ中心に会議は続き
シノの妨害を受けることなく会議を終えることが出来た。
「あー!腹立つ!何よあのシノって奴!」
会議の終わり、私はウリュウと館内のカフェで食事する事になり
私はシノへの不満を爆発させていた。
「シノ、今日はやけに張り切ってたね。
いつもは最初から最後まで寝てるんだけど」
「すっごい感じ悪かったわ!
あんたもよくあんな舐められて穏やかでいれるわね」
「シノは同じ学校の同級生でね…
学校で見る顔にへりくだるのは年頃の男子には難しいんでしょ」
ウリュウが学校……そう言えばそんな年頃か。
この人が教室にいるところなど想像がつかない。
「そういえば貴方っていくつなの?車運転してたし成人よね」
「僕もシノ君もミカゲ君も17歳だよ」
「17!?免許は……!」
「この世界じゃ17で取れるの、いいだろ別に」
へえ、思ったより若いんだ。
高校生って事よね?大人びててそんな風に見えない。
「リリア様!こんな所にいたのですね、探しました!先程はシノがとんだご無礼を」
息を切らしながら、ミカゲがこちらに走り寄って頭を下げる。
探してたって…謝る為に?なんて律義な人なのだろう。
謝るべきはミカゲではなくてシノなのに。
「ああ、そんな全然気にしなくていいのよ!
少なくともあなたの謝る事じゃないわ!」
「ですがその……いえ、正直にお伝えした方がよろしいですね。個人的にリリア様と話したくて……」
私と?
「リリア様、本当にその……覚えていないのでしょうか。
私の事も、あの夜の事も……」
夜……?アニメでもこの2人の絡みなど見たことが無い。
確かアニメでのミカゲは好きな女の人を地球人に取られたとかで憎んでいるのではなかっただろうか。
彼の情報は殆ど出てきていないため、どう立ち回ればいいか分からない。
普通に考えるんだったら、エリヤが好きで地球人を憎んでるとか…?
歳も近そうだし無い話じゃないかも。
「ごめんなさい、本当に思い出せないの。
今日が初対面だと思ってたわ」
「そうですか……」
「リリア、何?あの夜って。返答次第によっては命が無いけど」
ウリュウが不機嫌に言い放つ。
「ひっ……だから知らないってば!ミカゲさんに聞いてよね!」
「それは……」
ミカゲが言いかけた所で、別の人影が現れ彼の言葉を遮った。
「おっいたいた!ウリュウにリリアちゃま
……あ?何でミカゲまでいんの?」
シノ……!
このヘラヘラした様子だと絶対謝りに来た感じでは無さそうだ。
「様を付けろと言っただろ?シノ」
「何?珍しいじゃん 君が誰かを探すなんて。」
「まあまあ、怒んなって!
なあリリアちゃま、俺と結婚しようぜ!」
…
「は?」
添削終わりました!前後合わない部分は無くなったかと思います。