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【番外編】焔とナギの最推し対決

「隊長、リリアは最近俺のファンクラブでゴールド会員にアップグレードしたんです。

つまりリリアは俺が最推し!ファンクラブに入られてもない隊長はリリアの推しではありません。」


ナギは事務所の廊下にて、得意気な顔で焔に携帯を見せびらかす。


「いやわかんないじゃん、ファンクラブごとに名前が違うかもだし?

その『Chu♡BOSS』ってハンドルネームもリリアらしくない。それ別人なんじゃないの?」


焔が言うと、ナギはムッとしながら

「……わかりました。そこまで言うなら勝負しましょう。」

と言う。


「……勝負?」


「今日俺たちは午後から非番、リリアも研修の後は何も無いみたいです。

今からリリアをデートに誘って、成功した方がリリアの最推しってことでいいですか?」


ナギが真剣な顔で提案すると、焔は「大丈夫それ、なんか景品扱いみたいじゃない?」と不安を漏らす。


「あー……でも、最後に決めるのはリリアだから問題ないと思いますよ。嫌ならどっちとも出かけないだろうし。」


「なるほど、ならいっか。」


「じゃ、遺恨なく進めるために声をかける順番はじゃんけんで決めましょう。

最初はグー!じゃんけん、ホイ!」


ナギの掛け声と共に焔が手を出すと、ナギの勝利で決着がついた。


「ぐう……後手か。」


「隊長が出るまでもなくカタをつけて来ますよ。」


ナギは悔しがる焔にそう言い捨てると、更衣室を出て研修の後片付けを終えグラウンドで一休みしているリリアの元に歩み寄る。


「リリア、お疲れ。」


ナギが言うと、リリアはすぐに彼を見た。


「お疲れ様!グラウンドに用事?どいた方がいいかしら。」


リリアの言葉にナギは首を横に振ると、「俺はリリアに用があったから来たんだよ。」と答える。


「私に……?」


きょとんとしながら目を瞬かせるリリアに、ナギは咳払いを1つした後で

「なんかさ……お腹空かない?」

と尋ねた。


「いえ、私はそんなに空いてないわ。任務大変だったのね、お疲れ様!」


想定していなかった言葉を返され、ナギは慌てて

「じゃあその、服とか見たくない!?そろそろ夏服買う時期だろ!」

と質問をすり替える。


「ああ、それなら丁度昨日アンナと夏服を買いに行ったとこよ。……ナギはこれから買う予定?」


「……いや、俺ももう買った……」


「そう。……えっと……?」


意図がわからずリリアが困惑していると、ナギはダメ押しで

「じゃ、じゃあ……歌とかは!?」

と詰め寄った。


リリアは少し萎縮しながら

「私……歌って得意じゃないのよ……」

と答える。


「……リリアは……俺といるの、やだ?しんどい?」


断られ続けてとうとう心が折れたナギがそう弱音を漏らすと、リリアがわけもわからぬまま慌てだす。


「えっ、何でそうなるの!?ちょっとナギが何をしたいのか汲み取れなくて……!

あ、もしかして……ずっと何かに誘ってくれてたのかしら?」


リリアのその一言で、ナギの顔は茹でダコのように真っ赤になった。


「は……違うし!ちょっと世間話しに来てやっただけだよ、じゃあな!!」


ナギはそれだけ言うと逃げるようにグラウンドを後にする。

リリアはそれを見送りながら、「やっぱり難しいわ、彼……」と呟いた。


……


「酷すぎたよ、ただずっと質問攻めしてただけじゃん。」


事務所2階の会議室で焔が呆れながら口にする。

会議室の窓からはグラウンドが一望でき、焔は2人の様子をずっと眺めていたようだった。


「違いますよ、リリアの察しが悪かったんです……すぐにあっちから誘ってくると思ったのに。」


拗ねながら言うナギを焔は少し笑ってやると

「誘われるのを待っちゃダメだって、リリアはもっとぐいぐい行かないと伝わらないタイプなんだから。」

と得意気に言い放つ。


「なら、隊長はリリアを誘えるんですね。」


ナギが睨みながら言うと、焔は「まあ、見てろよ。」と口にして会議室を出た。


……


リリアがナギへの対応をどう間違えてしまったのか考えていると、次は焔がリリアの前に現れる。


「あ……ああ隊長。片付けなら終わったわよ。」


リリアが焔の顔を見るなり言うと、焔はニコニコと陽気な笑みを浮かべながら

「お疲れ様!良かったら水いる?」

と言ってリリアにペットボトルを渡す。


「ありがとう……今日はお菓子じゃないのね。」


リリアはどこか警戒しながら機嫌のいい焔の様子を伺っていた。


「リリア、甘いもの受け取ってくれたことないんだもん!ねえ、この後暇?俺非番なんだけど……

一緒に夏服選んでよ、もしかしたら撮影で使うかもしれないし女子の意見が欲しいんだ。」


「そっか、お仕事でも着ることあるのよね。でも服のことならアンナに聞いた方がいいんじゃない?連絡してみましょうか。」


リリアが言うと、焔は少し眉を動かし

「わかってないな……俺はリリアに選んで欲しいのに。

リリアが選んだ服を着た俺とお出かけできるんだよ?リリアは嬉しくないの?」

と不機嫌に言い放つ。


「後半は聞かなかったことにするとして、役不足じゃないなら付き合うわ。少し待っててくれる?着替えてくるから。」


リリアがそう口にすると、焔は小さくガッツポーズをした。


「勿論!俺も着替えてくるから事務所前で待ち合わせしよ!」


……


程なくして、リリアは事務所前で待っていた焔と合流する。


「待たせてごめんね……あれ……」


リリアは待っていた焔の姿を見て足を止めた。

「夏服を持っていない」はずの焔が夏服を着ていたからである。


「夏服……あるんじゃない。」


リリアの言葉に、焔は少し自分の服装を確認した後「あっ」と声を漏らす。


「焔、なんか企んでる?」


不審な様子で言い放つリリアを見て、焔は冷や汗をかきながら黙り込む。


するとどこからともなくナギが現れて

「リリア、騙されちゃダメだ!彼は俺と隊長どっちがリリアをデートに誘えるかって勝負をしてたから君に声をかけたにすぎない!」

と声を上げた。


「あんたら何やってんのよ!」


リリアは機嫌を損ねると、「もういい、帰る!」と言って歩き出す。


「やだー!リリア、デート行こうよ!リリアとご飯食べたり買い物したりしたいのにー!」


リリアを追いかけながら焔が言う。

リリアは顔を膨れさせながら「じゃあ初めからそう言えば良かったでしょ!勝手に裏で勝負とかしてるしほんと信じらんない……!」と悪態を突いた。


するとそこに事務所から出てきたフユキが居合わせ「あれ……事務所の前で何騒いでるんですか?」と尋ねる。


「……俺と隊長、どっちがリリアをデートに誘えるか勝負してたらリリアを怒らせちゃった。」


ナギのざっくりとした説明に、フユキは「はあ……?」と声を漏らした。


「いーなー、俺この後暇だからデート行きたいです。」


フユキが言うと、リリアは少し不機嫌に「そうね、こんな奴ら置いといて二人で行きましょ」と返事をする。


「でも俺、ナギ君と隊長もいたら楽しいと思うんですけど……そうだ!ナギ君と隊長がリリア様にごめんなさいして、4人で遊びに行きましょ!」


フユキの無邪気な提案にリリアの顔は緩み、「いいわよ、謝ってくれるならね。」と穏やかな笑みで言うとナギと焔を見る。


「リリア、ごめんね。」

「……ごめん、変な勝負して……」


2人が謝るのを見てフユキは満面の笑みを浮かべると、「俺、皆とゲーセン行きたいです!」と言い放つ。


焔とナギは1度顔を見合せた後少し笑い合うと、((ま、たまにはこういうのもいいか……))と心の中で呟いたのだった。

体調に引っ張られてメンタルが落ちていたので箸休めに番外編を沢山書いていたのですが、これが書き上がった時に早く上げたい気持ちが抑えきれなかった為章終わりでなくて恐縮ですが、上げてしまいました。


もし見にくい等のご意見があればロクタ編完結後に上げ直します。

次も差し支え無ければ番外編を上げたいと思ってます、月曜日から本編再開します。

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