第14話 放課後、とある彼女と出会ったんだが
な、何なんだよ……。
教室にいる啓介は気恥ずかしさを隠すため、席に座ったまま俯きがちになっていた。
クラスの陽キャ女子の内の一人が、啓介の方を見、意識しながら莉子のおっぱいを揉んでいたのだ。
「もういいでしょ」
背後からおっぱいを触られている莉子は抵抗している。
「えー、私はもっと触っていたいんだけど」
陽キャ女子は面白半分で、両手で揉み続けていたのだ。
「それはやめて」
莉子は批判的だが、嫌そうな顔を見せているわけではなかった。
「そう言えば、これの大きさはどれくらいなの?」
「そういうのは内緒だから」
「えー、というかさ、こんだけ大きいんだから。色々な相手と付き合ってるんでしょ?」
陽キャ女子らから胸のこと。恋愛的な質問もされていたが、莉子は強引に話題を変えようと必死だった。
抵抗する莉子に対し、十分に堪能した陽キャ女子は揉む事を辞めていた。
莉子は、今会話していた人らと教室を後にしていく。
教室内が急に静かになった。
莉子は仲間内から弄られているというよりかは、グループ内では、それが普通らしい。
莉子自身も揉まれていた時、一応抵抗はしていたが、そこまで嫌な顔を見せてはいなかったからだ。
「そろそろ帰るか」
誰もいなくなった教室内。
啓介は教室の電気を消し、後片付けをしてから立ち去る。
啓介が外に出た時には、学校周辺の通学路に、先ほどの陽キャ女子らの姿はなくなっていた。
莉子の姿も見当たらない。
本当は放課後に遊ぶ約束をしていたのだが、あの陽キャ女子らとの付き合いもあり、急に予定を変えてしまったのだろう。
恋愛だけでなく友達との付き合いもある事から啓介は察する事にした。
啓介が通学路を歩き、曲がり角を曲がったところで見知った姿をした子を見つけた。
背後からでもわかったが、多分、クラスメイトの桜田亜佑奈だと思う。
啓介の前を歩いていた、その彼女は急に立ち止まり、振り返って来たのである。




