第〇三話|隣の島崎君がお眠すぎる。
大学でもクラスというのは存在するが、実際同じ組での授業というのは週一度しかない。
なので実際他クラスの人と話したり、授業を受けたりというのが案外多いみたいだ。
僕の場合、以外と同じクラスの友人数名と選択している授業が同じだったりしているが。
島崎君と授業が被っているのは週に三回で、そのうち二つが一限の授業だ。
よって、何がいえるかと言えば至って単純で、
「とにかく眠い!!!!!!!!!!」
朝起きようとすると、目覚まし後の十分間葛藤があり、それがかなりつらい。
そして僕は大学生から一人暮らしを始めたので、仮に二度寝した場合、確定で授業を休むという
とんでもなく悔しい事態になってしまう。
これを友人達と話したら、どうやら島崎君も一人暮らしをしているようで、彼も朝はあまり強くないらしい。
朝が弱い人にとって、一限の授業というのは最悪である。
授業が一時間半だとすると、最初の三十分は何とかなる。
しかし、段々とウトウトしてくる。
そこで水を飲んだりするが、もはや”午前弱者”な僕らからすると「こうかはいまひとつのようだ」。
もはや素直に諦めて寝た方が健康、身の為なのかもしれない。
しかし、僕は何としても起きなければならない理由があった。
その理由とは、「島崎君のウトウトが見たい!!!!!」
何度か同じ授業を受けて分かった事がある。
最初はお目目がパッチリなのだ。
だが、三十分いかないところで段々と左右にフラフラ揺れ、明らかに眠そうなのがわかるようになる。
そしてその葛藤がしばらく続いて、四十五分もすれば夢の世界へ旅経つ。
パッと左の席を見たら、何処のモデルだよとツッコミを入れてやりたい程の完璧な寝顔が完成しているのだ。
もはやあれだ。高校の時、美術室にあった何か考えている人の像のようだ。
ここは何だ?古代ギリシアか?彼は何だ?プラトンか?ソクラテスか?アリストテレスか?
独特なツッコミが脳裏でスパッと事象を裂く。
彼の寝顔というのは、言葉の通り「世界を救う」のかもしれないと思った、朝一限であった。