お兄様!!!!!
お、お兄様でしたか…
いやぁデカッ。説明不要。
「おー、ソイツが婚約者のリルラック王子か」
「はい!」
グイ、と持ち上げられ掲げられる。
もうどーにでもなーれ。
「ヴァン、下ろしてやれ。ソイツにも男のとしてのプライドがあるんだ」
お兄様…!!!!!
「はい…」
しょんぼりしないでくれ。俺が悪いみたいになるじゃないか。
「あー、初めまして。リルラック・フィジランテです」
「どーも。ジェスイック・ラブラードルだ。妹の我儘に振り回されて可哀想にな」
「助けてくれませんか?」
「いや。面白いし」
この野郎……
「お兄様?何かご用だったのではないですか?」
「嗚呼、入学おめでとうってな。あと婚約者の顔が見たかったもんで」
辺境伯は王都に来にくいからな。
ラブラードル辺境伯だって、十年前の兄貴の誕生日以来だし。
にしてもデカイ。ヴァキューランよりデカイ。
え?辺境伯本人はどんだけ?5mとか???
「そうだ。リルラック王子、コイツの愛称ヴァンって言うんで。そう言ってやってくれ」
「あ、はい」
「そう言えば、リルラック様には愛称とか……」
「いや…ない……」
呼んでくれる相手が居なかったからなぁ…
「じゃあ、リル様とお呼びしても?」
「!……勿論、ヴァン」
なんか可愛い感じだな?
まぁいいが。