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激突! 馬ケ背高校VS大淀川高校⑬

次のサーバーでは紅炎だったが、ここで大淀川はピンチサーバーを起用する。


MB 青島紅炎 百八十五・三センチ 三年 四番  OUT

              ↓

 MB 木城海璃(きしろかいり) 百五十七・七センチ 二年 十三番 IN


「サーブよろしく、海璃」

「任せてください! 点差を一気に詰める予定ですので」

(とは言ったものの、だいぶ緊張する)

 意気込んでコートに入った海璃だったが、彼女がユニフォームを着てコートに立つというのはこれが初めてだった。

 海璃は既に何度も深呼吸を繰り返しているが、一向に震えが収まらないでいた。

 それを見ていた絹恵は海璃によって行き一声かける。

「海璃、これは練習試合なんだから失敗を恐れずに行きなさい! 去年、身長が小さいせいで私たちの上の代に何と言われようとも、サーブだけは人一倍頑張ってきたでしょ。だから自信をもって打ちなさい! 失敗しても私が倍で取り返すから」

「は、はいっ‼」

 海璃の震えは既に収まっていた。

 海璃はボールをもってエンドラインの二メートル後ろに立つ。

 審判の笛が鳴り、一息ついてボールを上にあげフローターサーブでボールを打つ。

 ボールは少し低い軌道で進んでいき、白帯に当たり馬ケ背コートに入る。

 ボールの起動が大きく変わり、構えていた薫は前に滑り込んでボールを拾おうとするが、コートに落ちるのが早く、拾うことはできなかった。

「すみません!」

「ドンマイ薫」

「次、次」

 五対四とついに一点差と背中を掴む。

 馬ケ背コートでは集中を切らさないように声が飛び交う中、サーブを打った海璃は得点をした余韻に浸っていた。それはボールが返ってくるまで続き、返ってくると次のサーブのシミュレーションを始めた。

(次の狙いは右側の奥端。これを決めれば同点に追いつける!)

「すぅぅぅ、はぁぁぁ。……よし」

 一息吐き審判の笛が鳴ると同時にボールを上にあげ、サーブを打つ。

(きわどい、けど!)

 薫はボールの軌道を見て一度考えるが、レシーブして華に返す。

「はぁ、はぁ」

 息切れしながらもボールの落下地点に入った華は、右肩をネットに向けて後ろにトスを上げる。

 トスの上がった先にはコウが移動攻撃(ブロード)に入っていた。

 ボールが頭上を越すタイミングで跳び腕を振るコウだったが、彼女の最高到達点より高いボールは手の平に当たらず体育館の横の壁に当たった。

 これで五対五の同点に戻った。そして馬ケ背高校にとってこのミスはとてもダメージが大きいものだった。

「華……」

「華、先輩……」

「はぁはぁ、ごめんね、コウちゃん。はぁはぁ、少し、手もとが、滑って、しまって。三枝、気に、しない、で、はぁはぁ、私は、まだ、やれるわ」

 華は心配そうに見つめる二人に、息切れしながら返す。

 それを見ていた琴海は一度タイムアウトを取る。

三枝たちは少し汗をかいた程度だったが、華はベンチに座り息を整え続けていた。

「はぁはぁ」

「日々屋さん、きついのであれば交代しますがどうしますか?」

「先生、まだ、いけます!」

「ちょっ、華先輩! いくら何でももう体力残ってないですよね!」

 琴海の質問に対し「まだいける」と言い放った華だったが、それを止めるように朋紀は声を出した。

 実際二年と一年は早く交代させた方がいいと思っていた。

「華が、いけるって言ってるんだから行かせてやればいいじゃないか」

 しかし、三枝だけは華の意思を尊重するのだった。そして三枝は話し続けた。

「これが公式の試合だったら私も止めるが練習試合なんだ、止める必要は無いだろ。それに華がいても大丈夫なように作戦は考えている。気にするな」

 三枝の言葉に皆しぶしぶではあるが納得する。

 そして三枝は華がいても問題ないという作戦を皆に話すのだった。


読んでくださってありがとうございます。

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