激突! 馬ケ背高校VS大淀川高校⑩
里桜がサーブの番に選手交代となり葵が里桜と交代する。
MB 亀梨里桜 百七十六・一センチ 二年 七番 OUT
↓
MB 日車葵 百八十二・〇センチ 二年 三番 IN
葵はボールを持ちエンドラインの少し後ろに立つ。
審判の笛が鳴り、葵はボールを上に投げサーブを打つ。ボールは美郷の正面に向かって進み、美郷はこれをレシーブして夜光に返す。
夜光は一度三枝を見て上に跳びライトにいる恵聖にトスを上げる。
三枝は朋紀の横に立ち恵聖と同じタイミングで上に跳ぶ。
(私の目の前ではブロックなんて無意味)
恵聖は朋紀の右指に狙いを定めて腕を振る。と同時に三枝は朋紀の右腕を握り下におろす。
「「っ⁉」」
その行動に朋紀は普通に驚き、恵聖は想定外の行動に驚いた。
恵聖の腕の振りは止まらず、手の平をボールに当ててしまい壁に向かって飛んでいきノーバウンドでコートの外に出る。
線審は旗を上げアウトを示す。
ここで六点差と試合が再び動き出す。
「三枝先輩、ありがとうございます!」
「気にしなくていい、それよりも腕を強く握ってしまったと思うが痛くなかったか?」
「はい、大丈夫です!」
「そうか、大淀川(向こう)の一番はブロックアウトを狙うのがうまい。視線で狙われていると思ったらすぐに腕を動かせ」
「は、はぁ」
(多分、そんな芸当ができるのは馬ケ背じゃ三枝先輩だけですよ……)
一応返事を返す朋紀であったが心の中では「できない」と否定していた。
三枝はそのことに気づくことなく自分のポジションに戻る。
葵はサーブを打ち、ボールはネットにかかり、大淀川の得点になる。
次のサーバーである楓はいいコースにサーブを打つもアウトとなり馬ケ背の得点になる。
その後、お互いにラリーを続けるも点差が変わることなく、二十五対十九で馬ケ背高校が二セット目を取り返す。
「はぁ、はぁ」
ベンチに返ってきたばかりの華は既に息を切らしていた。彼女は午前中の一試合目から連続で出場している。特に一試合目は高原たちがしたミスのカバーも行っていたため長時間動いていた。
一・二年は心配そうに華を見るもどうすることもできなかった。馬ケ背高校には彼女以外にセッターがいないのだ。
そんな華にいつも通り、そして心配そうに声をかける人物がいた。
「華、大丈夫か? 疲れたのだったら私が代わりにセッターに入るが……」
「はぁ、はぁ、まだ、大丈夫、すすすぅぅぅ、はぁぁぁぁ、うん、まだいける」
「……あまり無理はするな、疲れたと思ったらいつでも言え、交代させるから」
「わかった」
華は三枝の提案を断り、大きく深呼吸をして息を整える。
三枝は華の意思を確認した後一・二年を見て次の作戦を伝える。
「三セット目だがこれで行く」
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