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激突! 馬ケ背高校VS大淀川高校⑧

 朱莉のサーブで試合を再開する。

 朱莉の打ったボールは美郷の正面に飛び、美郷は夜光にAパスで返す。

 それと同時に紅炎は横に向かって走る。

(他の選手のスパイクの可能性は限りなく低い。だったら)

「華、スイッチ」

「了解!」

 三枝と華はお互いのブロックについていた場所を入れ替わり、三枝は横に走っている紅炎を追いかける。

 夜光はバックトスで紅炎にトスを上げ、紅炎は止まること体を流したまま跳ぶ。と同時に三枝も跳んで腕を伸ばす。

 ギリギリ引き付けたところで紅炎はボールを軽く押し馬ケ背コートに入れる。

「咲良!」

「っ!」

 秋穂はボールの落ちる正面にいる咲良に声を出して呼びかけるが、強打を警戒していた彼女の体は反応が遅く、前に跳び込むも全く届かなかった。

「ナイスフェイント、紅炎!」

 絹恵は紅炎に近づきハイタッチを求める。それを見た紅炎は絹恵の手を握り、

「三枝を最初に突破したのはボクだったね」

 にっこりと笑いそう囁く。

「……ふふふ、言ってくれるじゃない」

 絹恵の心に火が付いた。

「夜光次トス頂戴。全力で行くから」

「分かったけど、合わなくても文句言わないでよ」

「それは保証できない」

「……もうっ」

 それだけ言って夜光はエンドラインに立つ。

 審判の笛が鳴ると同時にボールを上にあげ打つ。

 ボールの威力は弱くすぐに降下し始めた。

「オライッ!」

 咲良は前衛の三枝と華を声でどけ、場所を確保する。

 ボールはネットの白帯にかかり前に落ちる。ちょうど前に走ってきていた咲良はそのまま前に跳びボールを上げる。

「ちゃんと上げたから許してね!」

「分かったから早く立ちなさい! 朋紀お願い!」

 レシーブをした咲良はうまく上がらなかったボールを見て謝罪とも取れない言葉を言う。

 うまく上がらなかったボールの落下地点に着いた秋穂は咲良に注意をして、アンダーハンドでトスを上げる。朋紀は十分な助走距離を確保してネットの前でブレーキを踏み後ろに跳ぶ。

「「「っ!」」」

 ブロッカーの紅炎、楓、絹恵の三人は一瞬驚くも腕を伸ばして跳ぶ。

 朋紀はボールが来たタイミングで腕を振りブロックの上を通す。

「アウト! ノータッチ!」

 絹恵は自分の上を通されたボールを見てすぐに声を出す。

 誰もがアウトと思った。

 しかし、ボールは強い縦回転により急降下していきエンドライン上に落ちる。

 線審は旗を下に向けボールインを示す。

「よっしゃっ!」

「よく打てたな、あんな難しいトス」

「三枝先輩ばっかり活躍させませんよ!」

「なら次のサーブで見せてくれるな?」

「もちろん‼」

 朋紀はボールをもってエンドラインから八メートル下がり、右手でボールを持ち笛が鳴るのを待つ。

 審判の笛が鳴り、朋紀はボールを上に投げ、助走を開始。エンドラインの手前で上に跳びボールを打つ。

(やばっ!)

 ボールは低い高度で飛んでいき白帯に当たり、威力を消されて大淀川コートに入る。

「チャンスボール!」

 美郷は声を出しレシーブをする。

 夜光は返ってきたボールの落下地点に入り、一度絹恵を見る。

(予定通りのトス、よろしく)

(了解)

 ボールが落ちてきたところで上に跳び、絹恵にトスを上げる。

 絹恵はトスが来ると同時に上に跳びボールを待つ。

 三枝と華は既にブロックについており同じタイミングで跳ぶ。

 しかし飛んだ後に三枝はあることに気づく。

(右腕が伸びている? ……まさか!)

 そして絹恵が後ろに引いている手を確認して気づく。

 絹恵が後ろに引いていたのは左手だった。

(ちょっと長い!)

(問題なし!)

 いち早く気づいた三枝は右腕を振り華の後ろからストレートをしめようとするが、絹恵の方がいち早く腕を振りスパイクを決める。

ボールはサイドラインより内側に入り、大淀川の得点になる。

『オオォー‼』

 二階席では大淀川高校のメンバーが絹恵の左スパイクに驚きと歓喜の声をあげる。

「ごめん! ちょっと長かった」

「決まったから問題なし! それよりも……」

 絹恵は一度紅炎に視線を向け言い放つ。

「紅炎、私はスパイクで増国三枝を破ったわよ!」

 絹恵は紅炎がフェイントで先に三枝を抜かれたのが悔しかった。

だからこそ隠し玉ともいえる左スパイクをしたのだ。

「分かった。それならボクもスパイクで三枝を打ち抜くよ。だから早くサーブ打ってくれ」

「想定していた反応とは違ったけど、まぁいいわ。私のサーブで点を稼いであげるから!」

 そう言って絹恵はボールを持ちエンドラインの後ろに立つ。

 笛が鳴り、絹恵は両手でボールを持ち軽く上にあげる。そして、ゆっくりと助走しエンドライン手前で跳び、落ちてきたボールを軽く打つ。

 ボールは無回転状態のまま秋穂の正面に飛んでいく。

 秋穂は飛んできたボールを見ていた。

 ボールは秋穂の手前で急降下を始める。しかし、秋穂は跳びつこうとせず、それどころかレシーブの構えを崩し体を横にずらした。

 するとボールは床に落ちず伸びはじめエンドラインの後ろで床に落ちた。それを見ていた線審は旗を上にあげてボールアウトを示す。

六対二と、大淀川高校がタイムアウト捕ってからなかなか点差が開かなくなり始めた。

三枝はボールを持ちエンドラインの後ろで笛が鳴るのを待っていた。

そして審判の笛が鳴る。

(一、二、三、四、五、六、七)

 七まで数えた時に三枝はサーブを打つ。

 ボールは絹恵のところに飛んでいく。

 なかなか来ないことでじらされてしまった絹恵はサーブをレシーブするも短くなってしまう。

「ごめん! 短い!」

「任せて! 恵聖!」

 夜光は素早くボールの落下地点に入り恵聖に高いトスを上げる。

「任された」

 恵聖はタイミングよく助走を開始しボールが落ちてくる瞬間に跳ぶ。

 トスが高いことにより素早くブロックに着くことができた華、咲良、里桜は同じタイミングで跳ぶ。

(格好の的)

 同時に飛んだブロックを見た恵聖は狙いを定める。

 ボールがスイング範囲に入った瞬間腕を振りボールを打つ。

 恵聖のスパイクは里桜の指に当たり後ろに飛んでいく。

(これであの人がリベロと交代する)


読んでくださってありがとうございます。

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