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激突! 馬ケ背高校VS大淀川高校①

時間は十一時四十五分になりお互いのチームはそれぞれの監督のところに集まっていた。午前中に試合に出た大淀川の桃子たちは二階席に来て応援の準備をしている。

 元成も昼食を取り終え、午前中に座っていた椅子に座り試合を見ることにしていた。

「みんな、午前中は高原さんたちの頼みを聞いて試合をして大淀川高校に迷惑をかけてしまったけれど、午後からはお互いに真剣勝負だよ。本当の馬ケ背高校の実力を見ちゃおうか」

『はいっ』

 琴海は高原たちが帰ったため少し浮かれていた選手たちの気合をしめなおす。

 三枝たちも琴海の『真剣勝負』という言葉に気を引き締める。

「あ、でも練習試合だからリラックスしてね。体に力を入れてたら自分のプレーは発揮できないからね。」

『はいっ』

 選手たちはスタメン発表を今か今かと待ち受ける。

「それと、練習試合だからいろいろな事試してもいいけど、三回以上ミスしたら交代させるかもしれないから気を付けてね」

『はい』

 なかなかスタメン発表をしない琴海に呆れ、返事の声を小さくする。

「あ、それと——」

『早くスタメンを発表してください!』

「は、はい」

 なかなか発表しない琴海についに選手たちは声を出して言う。

 琴海は驚き持っていた紙を即座に出す。

「それでは、スターティングメンバーを発表します」

 馬ケ背高校 スターティングメンバー


 WS 茅山朋紀 百七十五・二センチ  二年 四番


 WS 海熊朱莉 百七十三・五センチ 二年 五番


 MB 増国三枝 百八十七・一センチ 三年 一番 C


 MB 亀梨里桜 百七十六・一センチ 二年 七番


  S  日々屋華 百七十一・三センチ 三年 二番


 WS 奈良咲良 百七十四・四センチ 二年 八番


 Li 日車薫(かおる)  百五十六・二センチ 一年 九番


「午前中に出た秋穂さんと葵さんはこの試合は休憩してください。三枝さんと華さんはきつくなったら行ってください。控え選手と交代させますので」

「「「「はい」」」」

「それでは各自時間までアップをしていてください」

『はいっ‼ ありがとうございました』

 挨拶を終えレギュラー選手はアップに入り控え選手はボトルやタオルの準備に取り掛かった。

 朋紀、朱莉、咲良には笑顔が見られる。これまでは高原、島村、東郷がほとんどの試合に出ていたため今回の練習試合に出れて相当嬉しいのだ。

 そのためこの三人はいつも以上にアップに取り組んでいた。

「朋紀に朱莉と咲良、試合に出られて嬉しいのは分かるけど水分と休憩も取りなさいよ。今日はいつもより暑いんだから、熱中症にならないようにね」

「「「はいっ」」」

 華はいつもより汗を流している朋紀たちを見て熱中症の注意をする。これまでの頑張りを見てきた華だからこそ朋紀たちWSの気持ちがわかるのだ。

 注意された朋紀たちは一旦休憩を挟み、高ぶる気持ちを収めていた。


 一方、大淀川高校陣営でもスターティングメンバーの発表が始まろうとしていた。

「午前中は相手のミスで勝てたようなものだが、それでも一年と控えメンバーはいい動きをしていた。お前たちはそれにどう応える。大淀川(うち)に来たことを後悔させるような無様なプレーで応えるか、それとも大淀川(うち)に来たことを後悔させないような最高のプレーで応えるか。答えは試合中に見せてもらう。それではスターティングメンバーを発表する」

 大淀川高校 スターティングメンバー


 WS 桐山(きりやま)(きぬ)() 百七十七・二センチ 三年 二番 C


 S  椎葉(しいば)夜光(やこう) 百六十九・三センチ 三年 三番


 MB 青島紅炎 百八十五・三センチ 三年 四番


 MB 小林(こばやし)風夏(ふうか) 百八十・〇センチ  二年 九番


 WS 宮崎(みやざき)(かえで)  百七十三・五センチ 二年 八番


 WS 堂島(どうじま)(けい)(せい) 百七十五・三センチ 三年 一番


 Li 国富(くにとみ)美郷(みさと) 百六十・五センチ  二年 十一番


「もうすぐで試合開始だ。今のうちに軽くアップは済ませておけ」

『はいっ』

 大淀川の選手は菊の言葉に返事を返してそれぞれアップに入る。

「紅炎、あんたの言ってた中学時代のチームメイトってどれ?」

 紅炎にそう聞くのは大淀川高校キャプテンの桐山絹恵だった。

 絹恵は黒い髪の毛の中から飛び出している赤いサイドテールをなびかせながら、興味津々に訊く。

「馬ケ背高校のキャプテン。午前の試合でブロックしまくってて目立ってた子」

「ああ、午前中ひときわ目立ってたMBね。……面白いじゃない。いかにも倒しがいがありそう!」

 絹恵は心の中の闘志をさらに燃やしていた。

 紅炎は高校三年間絹恵と部活を共にしてきた。彼女の性格を熟知しているからこそ、一度頭を冷やさせる。

「落ち着け絹恵。闘志を燃やすのはいいが試合前から熱くなりすぎるな。お前はキャプテンなんだから皆の手本になるように行動しろ」

「もう、うるさいなー。そんなに言うなら紅炎がキャプテンすればよかったじゃん。私はキャプテンに向いてないんだから」

「そんなことありません。私は桐山先輩がキャプテンでよかったと思ってます」

 そう言って話に入るのは二年の宮崎楓だ。水色のベリーショートの髪に小さい顔とモデルのような体系が特徴的な少女だ。

「楓~。ありがと~」

「わっ、ちょっ、頭を撫でないでください。恥ずかしいです。」

 そう言ってはいるが楓自身撫でる手を振り払おうとしない。

 その光景を紅炎は嬉しそうに見る。

「仲良くするのはいいけどそろそろ時間よ、整列しないと」

 頭をなでる絹恵、撫でられる楓、それを嬉しそうに見る紅炎の三人の間に入って三年の椎葉夜光は整列するように促す。

「もう時間か。せっかくの試合だから楽しまないとな」

 そう言って絹恵は指を鳴らす。

 他のメンバーは一つため息をこぼすがその目は絹恵を信頼している目だった。

試合開始の五分前になりお互いの選手は整列をする。

審判の笛の合図とともに挨拶をしてそれぞれのポジションに着く。

「久しぶりだね三枝。中学の時はボクの方が身長高かったのに、今じゃ三枝に負けてるよ」

「私は身長なんて副産物でしかないと思っているぞ。一番大事なのは技術と経験だからな」

「確かに」

 ネット際ではあるが三枝と紅炎は三年ぶりの言葉を交わす。大会でも顔を合わせることのなかった二人だからこそ積もる話もある。しかし、今この二人には関係なかった。

「悪いけどこの試合、というより残りの全試合勝たせてもらうよ」

「望むところだ、私たちは負けるつもりなどない」

「ボクたちも負けるつもりはないよ」

 お互いに言いたいことを言い合い背を向けあう。

 中学の三年間お互いにチームメイトとして戦ってきたからこそ、負けたくないという気持ちを理解していた。

 審判が笛を鳴らし試合が開始される。

 馬ケ背高校のサーブからスタートだ。


読んでくださってありがとうございます。

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