空波のコミュニティ
コミュニティ…一種のパーティーのようなもので、危害が起こった後、知り合い・家族・友達、などが集まり結成したのが始まりらしい。
学生コミュニティ…通称臨時コミュニティと言われている。
学生が作っているため経営不振・コミュニティ崩壊になることも多く大抵の者は大人になったら出ていくことが多いその為、臨時コミュニティと言われている。
やはり同年代が多い心地の良さからか多くの学生を引き付けている。
多くの学生コミュニティは固まって作られることが多くそこにはコミュニティ特有の市場の様なものもできていて、そういうところも学生を引き付ける理由なのではないかと巷では言われている。
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[日本・東京都]「二時間前」
まだ町としての原型をぎりぎり保っているような保っていないような、それでも二年前とは比べ物にならないほど荒廃した世界。
復興運動が進んでないかと言われれば各コミュニティで進んでいるようだが未だ焼け石に水な状態な街。
そんなある一角の街角を曲がりコミュニティ街にでる。
日本の最下層コミュニティが集まっている地域、通称コミュニティ街は世界でもトップクラスで安全とまで言われていて一種のセーフティポイントになっていた。
空波は念願のコミュニティ入りを果たそうとそんなコミュニティ街で待っているはずの《《迎え》》を探しているのだが、中々見つからない。
困ったな…と空波は思う。
何しろ初めてのコミュニティ入りなのだ第一印象はよくしたい。
空波が迎えを探しに小走りで走っていると辺りがざわめきだした。
何というか、
耳をつんざくような音がした、と言えばいいのだろうか。
空波が足を止め音の発生源、コンビニ辺りを見てみると。
ここでは当たり前の風景なのだが。
少女と男、二つの鉄の棒がぶつかり あからさまな金属音があたりに響きそして《《殺し合い》》をしていた。
二人の様子をしばらく見て居た空波だが、ある一つの事に気が付く。
…あの少女の紋章、僕が入るコミュニティの物じゃないか?
………………その予感は残念ながら当たっていた。
そうなのだ、彼女こそが空波が入るコミュニティ[第55学生コミュニティ]、そのお迎えなのだった。
[日本・東京都]「二時間後」
「言ってくれると助かったんですが」と先ほどまで男と《《殺し合い》》していた彼女が空波に向って非難の目線を送る。
「うっすまん」
目の前で戦っている、僕と知り合いだとまだわからない人に声をかけろなど、並大抵の人間は難しいんだがと空波は思ったがそれは言わなかった。
「まあいいです憂さ晴らしもできましたし、ほらもうすぐですよ空波さん、ほら走った走った。」
この子は思ったより脳金なのかね?
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[第55学生コミュニティ前]
先ほどのコミュニティから約一時間歩き、とうとう都市部から離れて来たなという所にそれはあった。
俺のコミュニティである。
灰色じみた白い壁、ドアが8つほどあり、形は長方形、一般的なアパートがそこにあった。
「思ったより小さいんだな」
街のコミュニティでもなければビルぐらいの高さが一般的なんだがと空波は思った。
「5人が暮らすのには丁度いい狭さなんです、貴方が来て狭くなりましたけど…」
彼女は不機嫌そうに鼻を鳴らしそう言った。