2.ナギカ
「さて、俺を襲ったつけを払って貰おうか」「私は!?」
「ワウッ!?」
ウルフか顔を青くしてる。やっぱりレアなんだけど。
ボフン!
ケホッ、なんか煙出た。多分人化だろう、裸になるだろうから布団を掛けておこう。「きゃっ、布団取らないでー!」
「な、なんなのじゃ!?」
煙の中から女の声が聞こえる、のじゃ、か。どうせ幼女だろう。
「それを纏え、裸で出てきたらぶっ飛ばす」
「わ、分かったのじゃ!だからぶっ飛ばすのはやめてほしいのじゃ!」
「早くしろ」
「じ、人化できるモンスターなんて、最初期から生き残ってる奴ですよ!危険です!倒しましょう!」
「アルルミア様、お馬鹿キャラでもめざしてるんですか?降参させたでしょう、アルルミア様が布団で寝てる間に」
「元々は私を無理やり連れてきた明人さんが悪いじゃないですか!?」
「お、終わったのじゃ」
煙が晴れたそこに居たのは、やっぱり幼女だった。まったく、捻りが足りないな。きちんと布団を被っている。褒めてやろう。
「よしよし、ちゃんと言うことが聞けたな。偉いぞ」
幼女の頭を撫でる。子供っぽいし、これで手懐けられるだろう。アルルミア様は最初期からの生き残りとか言ってたけど、レアモンスターか、親から受け継いだか何かで人化を持っているだけだろう。
「私何でそんなに信用無いんですか!?」
「ふぁっ、気持ちいいのじゃぁ」
顔をとろけさせてされるがままの幼女。どうせコバルトウルフっていう種族名しか無いんだろうし、名前をつけてやるか。
「お前の名前はナギカでいいか?」
「ふぁ?名前?」
「ないだろ?」
「あ、ありがとうなのじゃ!ナギカ、ナギカかぁー、嬉しいのじゃ!」
ピカーとナギカが光る。あーこれはモンスターに名前をつけると進化する系だったかー。光が収まると、少しだけ成長したナギカがいた。120センチから130くらいに成長した。まだまだ小さい。
ガードナーウルフ Lv.15
超速移動
一撃必殺
上位索敵
人化
偽造
錬金
風魔法(小)
土魔法(中)
身体変化
称号
明人のペット
明人大好き
おお、スキルと称号が増えてる。称号は両方俺に関係してるものだけど。しかし、そうか、大好きなのか。
「よしよし、可愛いやつめ」
取り敢えず頭を撫でる。あ、サラサラ度上がってる。
「ふぁぁぁ、幸せなのじゃー」
ああ、何か俺も幸せ。ナギカを捕まえたのは気紛れだったけどナイス俺。
「ちょっとちょっとちょっと!!私の事忘れてませんか!?そろそろ何か方針決めましょう!」
ちっ
「今舌打ちしました!?なんで私扱いひどくなってるんですか!天界に訴えますよ!?本当はここに落としただけで重罪なんですよ!?」
それを実行出来ないのは俺に惚れて「わー!わー!違います!私はそんなにチョロくありません!」
「主様ー、あの女なんで一人で喋ってるのじゃ?」
ふっ、ナギカ、分かってるじゃないか。主様とかっ···!
「あの人はちょっと残念な人なんだ、ほっておいてあげてくれ」
「分かったのじゃー」
「違います!」
「で?方針でしたっけ?ナギカ、人間のいる場所知らないか?」
狼なら行動範囲も広いだろうし、何か知ってるだろう。
「ここに来る途中でみたのじゃ、ガリガリで不味そうだったからおいてきたのじゃ、女だったのじゃ」
おっと、死にかけですか。いやもう死んでるかも。「明人さん!助けに行きましょう!」「いいですよ」
「え?」
なんですか多分断られると思ってたんだろうけど、人が死にそうなら助けようとしますよ。別に冷血漢気取ってませんし。
「ナギカ、ウルフになってくれ、三人は乗れるサイズの」
身体変化はサイズを調整できるスキルだから、調整してもらう。
「分かったのじゃ。んぅーーー!」
ボフン!
また煙がでて、晴れた時には立派な狼が現れた。銀色の体毛に立派な体躯、イメージはフェンリルみたいな。
「乗せてもらうぞーナギカ」
「アウゥ」
ジャンプして飛び乗る。
「あ、待ってください!布団が、布団が!」
どうやら、愛着が湧いたようだ。仕方がない、持っていくか。一度降りて、布団を持ち、もう一度のる。というか、俺のなんだけど。
タイトル詐欺かも······