表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
96/216

SP-05 【ヤスオ君アクティブスキル披露会(ほぼ強制)】 Ⅱ

※返信完了しました。沢山の感想有難うございます。


短くて申し訳ありません、現状の体力だと全部書くために集中が出来ない状態で(汗

1日開くとモチベが崩れてしまうとは言え、情けない限りです。

 変身スキルを使用したと同時に、ヤスオの全身に温かい何かが覆っていくと同時に力が湧き上がってくるのを感じる。


 それと同時にヤスオの全身から黒い影の様な物が全身を包み鎧を形成していく。足から禍々しささえ感じられる金属の様な物が装着されて行き、全員がその様子を再確認する前に全てが終わっていた。


「…お、おい……ありゃあ…マジかよ…」


「あれ…が、ヤスオお兄さん…」


 フィルとセレナの声は若干震えていた。恐怖ではなく【ありえない】という驚きにもにた感情で。


 それは多かれ少なかれ殆どの者がそうだったと言える。


「えーと…皆どうしたんですか? …ま、まさか変な姿になったとかじゃ…」


 気持ち悪い姿だったら嫌だなぁと若干凹むヤスオ。


「嘘だっ!!」


 そんな中一人ミキが開幕から真っ向否定してきた。


「開口一番ディスられた件について……」


「何処が鎧よ! いや、確かに鎧だけどさ……あんたの面影全部ないじゃない! 別人ですって言われても通るレベルよ!!」


「は…はぁ?」


 全身鎧っぽいものに覆われているのだから当然じゃないか? とヤスオは思っていたが、実際はそれ以上になっていた。


 まず何より身長がかなり高くなっている。元々の身長は160も無い小ささだが、今の変身したヤスオはこの中で一番背の高いファッツと同等位にまで大きくなっている。


 更に全体的にスマートになり、痩せたとは言えある程度筋肉質なヤスオは服や鎧を着ていると若干小太りに見える。だが、目の前に居る漆黒の全身鎧マンは腰も細いし背も高いし、と。フルフェイスヘルムを取ったら爽やかイケメンか中二病的なイケメンが出てきそうな体格だった。


 全身全てが漆黒の鎧に包まれ内部が見える場所が一つもない。唯一足の付根部分はウェストアーマーに覆われているのでそこを見れば、闇の様に何も見えない徹底ぶりだ。RPGなどの出てくる暗黒騎士というものがあれば、まさにそれだろうか。フルフェイスヘルムは特撮の変身ヒーロー物に出てきそうな見た目だ。どちらかと言うと悪役寄りだが。


 ショルダーアーマーが付き出しそこからどうなっている不明だかがこれまた漆黒のマントが靡いている。


「というわけで別人! キモい…てか怖い!!」


「OK後で話しあおう」


 ヤスオはミキをハリセンでどついても良いんじゃないかと再確信した。


「はっ! いいじゃねぇか! 戦士って感じがするぜ! いつものお前も良いがそっちも嫌いじゃねぇな!」


「変身ヒーローキタ~~~! いいねいいね! 私のハートにクリティカルだよっ!」


 ファッツやコリー、カトル等からは受けが良いようだ。


「私はパスだな、饅頭らしさが消えてるじゃないか。あれだ、今から饅頭になれ。後ほれ鏡だ、自分の姿見てみろ」


「あ、はい………誰だてめぇ!?」


「お前だお前」


 鏡に写ったダークヒーローっぽい姿につい突っ込んでしまう。


「私もどちらかと言うと、いつものヤスオお兄さんがの方が…そちらも格好いいとは思いますが、ちょっと、その、怖いです」


「あー…うん、ミキの気持ちも分かるわこれ…確かにこれじゃ僕って分からないし…でも、確かに身体は強化されてる感じがするな」


 今ならブラウンベアーも倒せるかもしれないと思えるほどに今のヤスオは強化されていた。実際戦い方を間違えなければ勝てるだろうと冷静に見ていたカノンは考えている。なにせこれ系の変身系スキルはヤスオだけという訳ではなく数こそ少ないが覚えている冒険者も居るし、実際に見たことがあるからだ。


「個人の持つ変身系アクティブスキルとしてはそこそこ見るタイプね。中には見た目がドラゴンになったりする人や性別が変わるタイプなどもあるわよ、見たことあるし。その中でもヤスオさんは比較的オーソドックスな感じね。どれも強力だけど制限時間付きだしデメリットも多いわ。使いこなせれば強いけど、使い際を間違えれば途端にピンチね」


 変身系のスキルはどれも強力だが、時間制限や極端な弱点を持つものが多い。ヤスオの【トランスブースト】も短時間のみ強力な力を手に入れられるが、効果が終了すればHPもMPも1割になってしまうと言う事を考えれば、使い所を間違えればそれは死につながる。


「そうなんだ、こんなスキル覚えてちょっと怖かったけど安心したよ。てか…ドラゴンはともかく性転換って怖いよなぁ…」


 自身の見た目的に女性化なんてしてしまったら精神ダメージを全員に与えてしまうだろう事は請け合いと考えていた。なにせ元からブサメンなのだから。


「ちなみに性格も反転してたわねその人は」


「なにそれ怖い…」


 そういう変身じゃなくて良かったと心からホっとするヤスオ。


「すごい力を感じますよ! パーティを組む時が楽しみです! (うわぁ、まさか僕と同じタイプのアクティブスキルだなんて見せる時緊張するなぁ、でも凄く頼もしいし、僕等も負けずに頑張らないと)」


「そう言ってもらえると嬉しいです。自分も精一杯頑張りますので一緒に頑張りましょう…って。力が抜け……」


―効果終了!! HPとMPが1割になった!!


 変身が解除され効果が切れた途端に立つ事も出来なくなる程の疲労感がヤスオを襲う、ふらふらと倒れこみそうになった所を鞘に入れたショートソードを杖代わりにして子鹿の様にぷるぷるしている。


「あ、あかんこれ…精根尽き果てる、戦闘中にこれになったら色々終わる…ごふぁ」


「なんか死にかけてるー!? 誰か回復! 回復してっ!?」


 今にも倒れそうなヤスオを引っ掴みアコライトを呼ぶミキ。直ぐにスノゥがやってきて【治癒】を唱えたが、1度では足りずなんと3回も唱える事になった。


「はい、お任せ下さい! 【治癒】! 【治癒】! 【治癒】!! 話には聞いていましたが、凄い消耗ですね…タフネスもあるのでしょうが、3回も使うことになるとは」


「すいません、助かります。これは、使った後敵倒せなかったら逆に大ピンチだよ…強いけどデメリットの方がでかいなぁ」


 通常の探索には間違いなく使えないし、相手が強敵でも3ターン以内に倒せなければやはり使えない。


「時間も2~3分程度か? 使いもんになるのかそのスキル?」


 もっともな意見をセイルが問いかけるが、こればかりは試してみないとわからないだろう。兎にも角にも疲労困憊状態になったヤスオを休ませる為に、一時休憩する事になった―



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ