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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
90/216

25-03 【上級クラス】 Ⅲ

リアルデスマーチ中です(汗

ゆっくりお話を書きたいですが、そんな時間すら無い現実に全私が涙…

30分~1時間でキリの良い所まで書く…これが大変です。

―町中



「でさぁ、あの店長いちいちやかましくて。毎日毎日全身が痛くてきっついわ」


 家に戻る帰り道、同じく仕事が終わったミキと出会ったので途中まで一緒に帰っている。


「そりゃおめー、罰なんだから当然じゃないか。セイルさんは厳しいけど理不尽じゃないんだから、ちゃんと働けばそれに答えてくれると思うぞ?」


「へーいへい、わかってますよーだ。任期終えるまではしっかりやるっての。ヤスオってその辺厳しいよね、昔からそうなの?」


「………昔、か…そうだなぁ…」


 思い出さなくても脳裏の浮かんでくるのはニートでダメな自分。親を困らせ苦しませ、それでも自分は悪くないと思い込んで居た…それがたったの数ヶ月前の自分なのだ。


「悪事こそしてなかったけど多分、今のミキ以上に最悪な人間だったよ。今の僕が昔の自分見たら、多分殴ってしまいそうになる位には、さ」


「こんにゃろ! 誰が最悪だっ! って……あんたが? 嘘でしょ? アンタみたいな良い子ちゃんなんてあんまり見ないよ? 私をかつごうってもそうは行かないからね」


「残念だけど事実なんだよな。あんまり話したくないからこの話はこれで切り上げさせてくれ。流石に自分の黒歴史を掘り起こしたくない」


 歴史って言うにはほんと少し前過ぎて思い出すとダメージがガツンと来るんです。ほんと、よく変わったなぁ僕も。


「そりゃまぁ、無理には聞かないけど…まさかあんたがねぇ…」


 心底不思議そうな表情で言うミキ、多少まともになったつもりで居るけど実際そこまで変わってるかと言われたら、あんまり変わってない気がするんだよなぁ…ダメ人間がそんな数カ月で変わる訳がない、今はまだ付け焼き刃程度なんだろうから、これをちゃんとした刃に出来るように、身も心も鍛えなくちゃな。


「まぁ…今は少しずつ改善出来てるしこのまま頑張るだけだから。それよりもミキ? お前って、僕への借り返して任期終えたらどうするんだ? 違う街に行くのか?」


 彼女がここにいる理由は軽犯罪を起こしてしまった罪滅ぼしの為の無償奉仕と僕への恩返しの為に残っているに過ぎない。僕への恩なんてこの前のダンジョンアタックで十分返してくれてると思うんだけど、そんなんじゃ恩にもなってないと突っぱねられてる。何を持ってミキが恩を返したと考えるのかはあいつにしかわからないんだよな…居てくれると助かるのは確かだけどね。


「そうだなぁ…正直小さな悪事するより、ダンジョンでシーフやってるほうが美味しいんだよね。そりゃ楽したいけどスリとかして捕まったら此処以外じゃ殺されるし、普通の仕事なんてやる気しないし………ねぇ、やっぱりあんた養ってよ」


「超お断りだ」


「ちぇーっ………(そういや…私何したいんだろ? そんなこと考えたことなかったな。毎日楽に生きられればいいやって……そんなのしたいことじゃないし。あのクズ共に復讐? んなつまんない事なんかしてらんねぇわよ。あー…何も思いつかない)」


「ミキ……?」


「近いうちに考えるわよ。で、あんたは何かやることあるの?」


「ある……。と言うか今僕はそれに向けて毎日頑張ってるんだからな」


 気がついたら死と隣り合わせの森の中に飛ばされ、馬鹿をやって死にかけて…それでも死にたくないから森で必死に生きてきて…そんな地獄だった場所で…あの人達に出会えた。地球でもなかった他人の暖かさ、優しさをくれた3人に自分は一緒についていきたい…そしてやりたい事を見つけたい。


「言葉にすると陳腐でさ、同情誘うような事ばかりなんで詳しい事を言うつもりはない…単純に言うと、尊敬する人達に追い付きたいから…共に歩いてみたいから今を全力で頑張ってるんだ」


 こんなダメ人間でも必要だと言ってくれたあの人達の為に…


「……………ふ、ふーん。(何こいつ、真剣な顔しちゃってさ…似合わねーっての)」


「ってまぁ、まだブラウンベアー相手でもきつい現状じゃまだまだなんだけどな、もう少し鍛えねーと側にも近づけねぇし」


「あれだけ色々できても、まだ足りないってその知り合い何者さ? 無理して追いつく必要ないんじゃないの? ヘタすると死ぬわよ? 先週だってあの自警団員やばかったんだし。もうすっかりピンピンしてるけどね」


「死ぬのは怖いなぁ……ハウルさん後遺症がなくてよかったよ。心配しすぎて怒られたけど、あの顔は正直僕も怖かったです」


 こう、いい加減にしろとクドクドと怒られました。イケメンがガチで起こるとあぁいう顔になるのですね、分かります。めっちゃ怖かったです…


「やーい、怒られてやんの~♪」


「うぷぷ……ほぼ毎日怒られてる奴がなにか言ってますね。今日は怒られませんでしたか?」


「よーし、その喧嘩買った。覚悟しやがれ饅頭男!! ハンデでてめぇは両手足不自由な?」


「おうこらテメェ、ナチュラルにハンデつけんなコラ」


 今すげぇストレートに言いましたよこいつ。せめて対等でしょうに。


「(ほんと、ヤスオと居ると退屈はしないわっ。金も稼げるし暫くはこいつに付き纏ってやろーっと♪ ふふふ、稼がせてもらうわよ♪)ふははははははっ! 乙女の怒りを思い知れっ!」


 びしびしとジャブのポーズを取るミキ。ほうほう、お前がそのつもりなら僕にも手はちゃんとあるのです。


「じゃあ魔法使うわ」


「あっ!? ずっこい! 魔法も禁止っ!」


「そりゃただのサンドバックじゃねぇかっ!」


「はっはっはっはー! 可愛いミキ様に甚振られることを喜びなさいっ」


 そんなバカをやりながら赤く染まった町の中を二人で歩いていった。



―25話終了…26話に続く


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