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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
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24-10 【打ち上げ】

ダンジョンアタック終了です。

次は恐らく閑話系になります。

―大衆食堂【うちより安い店はねぇ!】



「皆お疲れ様でした。ハウルさんも今日はありがとうございました、ゆっくり体を休めてくださいね」


「おうっお疲れ様! 今日は役に立ててよかったよ! しっかり…儲かるんだな冒険者って。俺自警団員も良いけど冒険者もやりたくなってきたよ」


 料理以外にテーブルの上に並んだお金や素材を見てホクホク顔のフィル君。かなり稼いだもんなぁ。


「お前の人生だお前で後悔のないように決めろ。フィルはまだ若い、ゆっくり考えることだな」


【―のーないかのん― 打ち上げ…これがパーティの打ち上げなのね!! カノン! 夢が一個叶ったわよ!! あぁ…今日のことは日記に書いておかなくちゃ! これもヤスオさんとパーティを組めたお陰…ありがとうが脳内でゲシュタルト崩壊!! 次も誘ってね! 絶対よ! 絶対ですからねっ!】


「まったく…賑やかね貴方達、退屈しそうにないわ。今回のアタックは概ね成功、でも問題点もいくつかあるわ、それを生かして次がんばりなさい? ……ふぅ、ここは少し騒がしいわね、今度は皆で違う店に行くのもいいかしら」


 カノンはこういう時でもダンジョンなどでの指摘を欠かさない。こういう時は頭から離れやすいし、改めて気づかせてくれるありがたい人だ。


 そんな中一人微妙にそわそわしてこっちを見ている奴が居た、と言うかミキなんだが、目の前に置かれた報酬を見て少し困惑してるようだ。


「なんていうかさ…貰えなかったら貰えなかったでごねてたんだけど、私も山分けって貰って良いの? 一応私犯罪者で罪の清算中なんだけどさ? 言っておくけどもう返さないからね、こんな大金」


「おめーはやることやったしそれでハブにするほど僕は心狭くねぇっての。皆も、特に自警団副団長であるハウルさんが良いって言ってたし、貢献度を考えりゃ少し多くしてもいいぐらいさ」


 モンスターを探したりダンジョン内の安全地帯探したりトラップ解除したり、宝箱見つけて解除したり、戦いこそ役に立たなかったかもしれないがそれ以上にパーティの安全に貢献してくれている、ここまでしてくれて恩を返すんだからお金なんていらないよな、なんて非道な事を言うつもりは僕達にはない。


「ふーん…相変わらず甘いけど…ありがとね。まだまだ恩は返してないんだし、私をどんどん連れて行きなさいよ? あ、でも楽できる方向で、戦いはあんたらに任せたから」


 にぱーっと笑顔で答えるミキ、そのまま料理を食べ始めた。


「おめー弓使えるんだろうが、今度買ってきてやるから弓使え」


 ダメージソースに貢献しろ、少しは立場も良くなるぞ?


「えー…ちっ、お金のためと割り切るか」


「金への執念がすげぇ…昔の自分そのまんまだなぁ」


 家で引きこもってても欲しいものは沢山出てくる、働けばいいのにそれもしないで日がな一日ゲームして、親に部屋の中から怒鳴ってお金をせびってた…うん、クズ人間だなぁ…目の前のこいつとどっこいどっこい…てかまだミキの方がまともに見えるほどだ、今も大して成長してないし、考えると凹む。


「よっ、来客者全員にも酒を振る舞うとかやるじゃないの。かなり儲かったみたいだな? 私に奢ってくれてもいいぞ?」


「あ、ナナさんこんばんは。今回のアタックでお金も沢山手に入ったし、町の人には世話になってるからこれくらいしたくて」


 皆で相談して決めて来店中の皆にお酒や飲み物などを振舞っていた。ダンジョンアタック等で成功した冒険者が偶にやっていて、一度だけ僕もジュースを貰ったことがある、喜んでもらえてよかったよ。一部の冒険者の人にも感謝されたしね。


「いい心がけだ、その心忘れんな? 冒険者って強いて言えばヤクザもんみたいなものだしな。礼儀を示しときゃそれがそのまま帰ってくる。饅頭は饅頭らしくいろ。さぁ、どんどんたのめ、どこまでもたのめ、今日の稼ぎを0にする勢いでたのめ」


「それはないけど、俺はまだまだ食えるぜっ! 明日はエルに色々買ってやれそうだなぁ」


「すげー…ナチュラルにリア充発言してる…」


「フィル君は既に同居してるくらいだからね」


「あら、お熱いのね」


 エルちゃんは僕も何度か会った事がある、かなりの美少女でイケメンのフィル君にお似合いの子だった、ちょっと独特な雰囲気のある、ふわふわ~とした子だけどフィル君と話す姿は恋人同士を通り越して熟年夫婦だった。流石異世界…15歳にもなればここまでになるのかと戦慄する。


 ちなみに僕は見た目の問題でモテてません、ちょっと鍛錬した位で外見が変われば苦労しないっての。流石に痩せたのでデブから筋肉質っぽくはなったけどそれだけです。ま、今はそんなことより強くなる事や鍛冶をすることで頭がいっぱいなので正直色恋に関わってるヒマがないが。


「それじゃ僕もいただ……おめーはにやっへんはお」


 いざ食べようとした瞬間に両頬をつままれて伸ばされる、てか痛いっての。


「さすが饅頭! よく伸びるわねっあははははは♪」


「てへぇ! はなひやはれほっ!!」


 このやろう、後で仕返ししてやるからな…! 具体的には塩を送りつけてやる!! 1トンも余ってるから遠慮無く貰うがいい…!!



―24話終了…25話に続く



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