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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
83/216

24-08 【強敵との接敵】

時間の都合でなかなか24話が終わりません。書ききってから予約すれば良いのですが

1日1話がモチベにつながってるので崩せないジレンマです。

休みがほしいですね…

「でもさぁ、ヤスオってやっぱ甘いよね~」


「? 何が?」


「さっきのよ、さっきの。普通あぁいう時は攻めるもんだって、うまく行けばポーション以上の儲けになるじゃん。冒険者同士なら普通っしょ?」


 からから笑いながら言うミキ。


「いや、相手が困ってたしなぁ……」


「そう間違った事は言ってないわよ? あのシーフも」


「うぇ…あ、あんたが私の事フォローするの…?」


「そういう事もある、というだけね。値段的には等価でも需要や自身の考えによっては交換出来なかったり、レートが上がるのは普通。勿論相手が了承しなければそれで終わりだけど、ね」


 成程な…確かに僕が使ってるショートソードを同値段のお金とかレアアイテムと交換してくれって言われても、絶対に断る。どれだけ大金を積まれてもこいつは手放せないから。


 物の執着などもトレードに関係する、か。MMOやってた時にもそんなのあったの思い出すな、レアアイテムが欲しくて等価になるようにアイテム持って来てトレードしてくれって頼んだら一蹴されたっけ。あの時はギャンギャン騒いでたけど、相手にとってはそんな物より何倍も大事だった、もしくはそんなんじゃ足りなかったんだろうな。


「でも…ま、あれはあれでいいさ。探索中に他のことでモヤモヤしたくないしね」


「ふーん……ま、いいんじゃない? あんたらしいわ」


「はいはいありがとね。探索頼むぞ?」


 周囲の警戒やトラップの感知、場合によっては敵の探索、調査とシーフのやる事は本当に多い、何だかんだと言いながらもその全てを問題なくこなし、僕達に探索時の安全を確保してくれるのだから、彼女には感謝だ。


 面と向かっては言わない。かなりの勢いで調子に乗るからなこいつ…うん、昔の僕の様に褒めてるといい気になって叱るとすげー不貞腐れるから、こう、上手いさじ加減が必要になる。


「そういえばさ、特定のモンスターとか探せるか?」


「あん? なんでモンスターなんて探さなきゃなのよ?」


「探索の他にレベル上げも必要だろう? フィル君や僕も強くなりたいからさ、頼んでもいいか?」


「…………あー、はいはい。探せばいいんでしょ探せば、ここでちょっと待ってろ」


 言うが早いか飛び出して行き、直ぐに見えなくなる。


「ほぅ、言うだけあってシーフとしての能力だけはまともだな」


「あ、あはは……ハウルさんもあいつが凄いって思ったんですか?」


「ここまで何の問題も無く来たのはあれがまともに動いたからだ、その点に関しては何も言うことはない。シーフの仕事をするならば、な」


 ハウルさんがダメだ思ってたら、まず一言で切り捨てるだろうから、頑張ってる所を認めてもらえたんだろう、この調子で頑張れば早く強制労働から抜け出せるぞ? 頑張れよ。


「あいつ、モンスター怖い怖い言いながら、こうやって普通に探索に行くよな。出来るならちゃんとやればいいのによ」


「出来るのと感情は違うしね、あいつもあいつなりに頑張ってるんだと思うよ?」


「…だな、ちゃんとやってりゃ認めてやるさ、腕は確かだしなあいつ」


「………能力……たか――」


 アリアちゃんが話そうとしたタイミングでなんか凄まじいスピードでミキが帰ってきた。


「おおおおいっ!! 変なの! マジ変なのいた!? 何あれ箱!? 箱が動いてるんだけど!? ってかこっち向かってきてる!!」


「……箱?? ユニークモンスターかしらね」


「いきなり…!?」


 ダンジョンには大きく分けて、【雑魚】【強敵】【ユニーク】【ボス】が存在する、他にもまだ居るらしいけど基本的にはこの4種だ。その中で【ユニーク】に関するモンスターはボスに匹敵する能力を持っていたり、特殊なスキルを持っていたりと厄介な存在だ、勿論倒せば美味しいドロップなどが沢山手に入るが、失敗すれば此方が全滅してしまう。


「……来るっ!!」


 そして…そのモンスターが現れた―!!


―ジュエリーボックスが現れた!!


 宝箱の…いや少し大きめの宝石箱みたいなモンスターだった。ログを見れば名前もそのままジュエリーボックスとなっている。


 手足などは無く、開いた口に多種多様の目がギョロギョロしているという不気味なモンスターだ、飛ぶ事は出来ないようでぴょんぴょん跳ねながらこっちに向かって来ている。


「く…速い!?」


―戦闘開始!!


「GYOAAAAAAAAAAAAA!! 【風刃裂】!!」


「なっ!? うわああああああああああああっ!! 【土壁】【風壁】!!」


―ジュエリーボックスは【風刃裂】を唱えた!!

―ヤスオに大ダメージ!! 残り7割

―ハウルに大ダメージ!! 残り7割

―フィルに絶大なダメージ!! 残り6割

―カノンに微小ダメージ!! 残り9割

―アリアオロは風耐性!! ダメージがない!! 残り10割

―【割り込み】!! ヤスオは【土壁】を唱えた!!

―【割り込み】!! ヤスオは【風壁】を唱えた!! 

―ミキに甚大なダメージ!! 残り3割


 凄まじい突風に身を切り刻まれる―! 全身から血が溢れてくる。あれは僕が使える【風刃】の中級魔法…! 周りを見ると【土壁】と【風壁】のダブルでバリアを張ったのにそれすら打ち破ってミキが直撃を受けてしまう。衝撃で後ろの飛ばされて倒れ呻いているのが見えた…! ま、まだ死んでない…良かった…!


 回復魔法を…いや、あれをもう一度食らってしまえば僕等はまだ耐えれるとしてもミキが死ぬ!!


「速攻で潰す!! 皆力を貸してくれ!! 【蓮華】!!」


―【開幕】【先手】発動!! 【速】+5!

―ヤスオの攻撃! 【蓮華】発動!!

―ジュエリーボックスに小ダメージ!!

―連鎖発動!!

―【三散華】発動!! 絶対命中!!

―ジュエリーボックスに小ダメージ!!


 叩き壊す勢いで剣を叩きつけるが、鋼を殴ったような衝撃が腕に伝わる。それでも連鎖を掛けて【三散華】を叩き込むが大してダメージを与えられていない。


 同時のタイミングでハウルさんとフィル君が攻撃を仕掛けたが、ちょこまかと動いて攻撃を回避してしまう。


「ちぃっ! 俺では当てられんかっ! ヤスオ! 俺はミキのカバーに回るぞっ! あれならあと2回は耐え切れる!!」


「ちくしょうっ! こいつめちゃくちゃ早い!? ヤスオ、次は俺にあれを使う許可をくれ!」


 ハウルさんは攻撃をした勢いのままミキの元に駆け寄る。あれならさっきの魔法を受けてもあいつを守れるはずだ…! そしてフィル君のあれ…あの技なら確実に当てられるし威力も高い、デメリットを考慮しても今使うべきか…!


「お金…命…お金…命、ちくしょ……ふざけんなっ!! うっげぇめちゃまずい…」


―ミキはポーション(高級品)を飲み干した! HP回復! 残り8割


 意識は失ってなかったようで、持っていたポーションを飲んで回復する。流石にHPは回復すれど立ち上がるには痛みや衝撃がきつかったようでその場でへたり込んでいる。


「……まずいわね、まさかジュエリーボックスだなんて、高確率でストーンかマジッククラスのアイテムを落とすモンスター。能力は中級ランクだけど、タフネスが低いのが唯一倒しやすい利点、でもこいつほぼ攻撃魔法無効化するのよ」


 その言葉通りカノンとアリアちゃんが放った魔法を全て無効化してしまう。早くて魔法が利かないモンスター、実際に戦うとこれほど面倒な敵はいないぞっ…!!


 再び剣を構えて走りだすが、それよりも先にモンスターの魔法行使の方が速い―!


「GYOOOOOOOOO!! 【大崩落】!!」


「ちっ…! 離れろ!!」


「んな!? 何を―!?」


―ジュエリーボックスは【大崩落】を唱えた!! 対象:ミキ

―【行動放棄】!! ハウルがミキをカバーする!! ハウルに即死ダメージ!! 

―ハウルは倒れた!!


「がああああああああああああああああああああああっ!!」


 ミキを全力で押しのけたその瞬間、ハウルさんの真下の地面が突如崩れ、上空に土砂が浮かび上がり、落ちていくと同時に土砂が勢い良く落ちていったハウルさんを埋めてしまう。


「い、いやああああっ!? ちょっとっ! 生きてるの!? 返事してよっ!」


「ハウルさんっ!? ち、くしょおがああああっ!! 【蓮華】!!」


 死ぬものか、あの程度でハウルさんが!!


「喰らえええええええええっ!」


―ヤスオの攻撃!! 


 頭に血が上り全力でモンスターに斬りかかった―!!





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