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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
80/216

24-05 【アタック開始】 Ⅲ

短いですが戦闘です。ザコ戦闘なので描写は簡易です…強敵とか今から考えるだけで大変だなぁと…


感想返しが今もなお出来てません(汗

ですが全て読ませてもらっています、とても励みになります。

そしてお気遣いありがとうございます、頑張りますね。


―激闘



 目の前には巨大な熊のようなモンスター、ブラウンベアーがいる。TVで見たような熊が可愛く見えるほどの巨体に裂けたような口から見える牙が恐怖心を掻き立てる。


 両足で立ち上がり絶叫を上げるその様は今まで見てきたモンスターとは一線を画す存在だった。


「でけぇ…な…でも負けられねぇ…行こうぜヤスオ!!」


「あぁ!! 皆! 僕が目の前のゾンビハウンドを散らすからカノン達は熊を!! ハウルさん、フィル君! ゾンビハウンドを撹乱して後衛から遠ざけてくれ!!」


「了解した…! 行くぞフィル!」


「おぉっ!」


 両手にナイフを持って駆け抜けていくハウルさんと槍を持って突っ込んでいく、あいつの一撃を喰らえば一撃で死ぬ可能性だってある、倒すのはカノンとアリアちゃんに任せて僕は周囲のゾンビを蹴散らす方向で動く―!


―【開幕】【先手】発動!! 【速】+5!


「まずはお前からだ!! いくぞおおおおおっ!!」


―ヤスオの攻撃! 【蓮華】発動!!


 此方に向かって来るゾンビハウンド1体に【蓮華】を仕掛ける。


「ぎいいいいっ!!」


―ゾンビハウンドAに中ダメージ!!

―連鎖発動!!


「おおおおおっ!! 【三散華】っ!!」


―【三散華】発動!! 絶対命中!!

―クリティカルヒット!! ゾンビハウンドAに甚大なダメージ!!

―ゾンビハウンドを倒した!!


「よしまず一体―」


「ヤスオっ!! 避けろっ!!」


「な……!?」


 ハウルさんの声が聞こえ横を見るとフィル君達をあざ笑う様に掻き分けて僕に突っ込んでくるブラウンベアーの姿と巨大な手が見えた―!


「ま…ず…!? 【風壁】っ!」


「ガアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」


―ブラウンベアーの攻撃!

―【割り込み】!! ヤスオは【風壁】を唱えた!!

―ヤスオに甚大なダメージ!! 残り5割!!


「ぐ、ああああああああああああああああああっ!!」


 風壁のバリアを突き破り豪腕を勢いのままに僕に叩きつける。とっさに顔をカバー出来たが衝撃と激痛が同時に襲いかかり、更に浮遊感を感じ…地面にたたきつけられる。


 目がチカチカして息が出来ない、激痛が背中と攻撃を防いだ腕を走り抜ける。かろうじて生きてるが、一瞬で起き上がるにはダメージを受けすぎた。


「ちょっ!? ヤスオぉぉぉぉぉぉっ!?」


―ミキの防御行動!! このターンのみ防御ランク+1


「ちっ!? まずはゾンビを落とせ! これ以上ヤスオにダメージを与えるな!! 【喉裂閃】!!」


―ハウルの攻撃!! 【喉裂閃】発動!!

―ゾンビハウンドBに絶大なダメージ!! ……【即死】した!!


「くっ! 邪魔するんじゃ…!! ぐあっ!!」


―ゾンビハウンドBの攻撃!! 

―フィルに中ダメージ!! 残り8割


「ぐっ!? ま、まだだぁっ! 今助けるぞヤスオ!!」


―フィルの攻撃!!

―ゾンビハウンドCに中ダメージ!! 


「…熊ごときが私のパーティに何してくれてるのよ……不快ね、まずはあの熊を止めるわ。眠りなさい……!! 【深淵眠】!!」


―カノンは【深淵眠】を唱えた!!

―抵抗失敗! ブラウンベアーは眠りについた!!


 少し痛みが落ち着き膝をつきながら起き上がると同時に激しい音を立てながら倒れこむブラウンベアー。まさかもう倒したのか……と思ったら寝息を立てていた…多分カノンかアリアちゃんが魔法で眠らせたんだろう、そういう魔法があるって勉強したから知っている。


 それにしても…ブラウンベアーは強い。今の僕じゃ万に一つも勝ち目が無いのがわかった、これにソロで行こうとしたとか…改めて僕は馬鹿だな。


「……【邪妖糸】」


―アリアオロは【邪妖糸】を唱えた!!


 アリアちゃんが呟いた瞬間、彼女の手の前にどす黒い色の魔法陣が浮かびあがり、そこから何本もの赤黒い糸が飛び出していく。


「!? ぎゃ……ぎゅべっ!?」


 寸分違わずゾンビハウンドを絡めとった瞬間……細切れになるゾンビハウンド…あかん夢に出てきそうなほどグロイ…


―ゾンビハウンドCに即死ダメージ!! ゾンビハウンドCを倒した!!


「うわっ…ぐろっ……おっとりした顔してやることはエゲツないのねあんた…」


「………?? ……ヤス…オ……治す……」


「あ、あぁ、有難う…【治癒】!!」


―ヤスオは【治癒】を唱えた!! 残り9割


 痛みが魔法によってどんどん消えていく。時間にしておよそ5秒ほどで効果は切れ全身に再び活力が湧いてきた。


「これでまだいけます!」


「……えぇ……無事で良かったわ。じゃあ…倒しましょうか」


【―のーないかのん―  よくもヤスオさんを! 許せないわっ! 絶対に許ユルスマジン!! でも……よく耐えてくれたわ! 次もこいつに出会ったらヤスオさんやフィル君じゃ厳しいから下がってもらったほうがいいかも……私達の防衛に回ってもらったほうがいいわね。さぁ! 熊! 貴方の断罪の時よ! 私のお友達を傷つけたその罪、私が裁くわっ!! かのん行きます!!】


「さて…と」


 つかつかと眠っているブラウンベアーの前に歩いて行くカノン。


「ちょ、あ、危ないよカノン!?」


「大丈夫よ、綺麗に寝てるし。それに…防御には自信があるわ」


 クスリと妖艶に微笑むカノン。その姿はまさに魔女と言っても差し支えないほどの美しさで、思わずそのまま通してしまう。な、何かあれば僕が前にでてカバーに入れば……


 そんな僕の考えを知ってか知らずか今なお眠っているモンスターに近づき右手を顔に近づけ……


「ま、まさか……」


「ふふ、そのまさか……【マジックフォージ】……死になさい? 【闇槍破】!」


―カノンの【マジックフォージ】!

―カノンは【闇槍破】を唱えた!!


「……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 そう叫んだ瞬間ブラウンベアーの顔を怒号と共に貫通する漆黒の槍の様な魔法。叫び声を上げることも出来ず顔面を貫く魔法の槍にただもがき苦しむしか無い。


―クリティカルヒット!! ブラウンベアーに即死ダメ―ジ!!


 魔法を撃ち終わり手を離すと其処には綺麗に首と胴が分かたれた熊の死体があった………


―ブラウンベアーを倒した!!

―ヤスオは【力】【速】【器】【体】が1上がった!

―ヤスオの【速剣術】がランクアップ!!

―戦闘終了! 

―ヤスオを除く全員に経験値獲得!! 

―フィルのレベルが上った!!


「ひぇぇぇ…怖い、やっぱあいつ怖いっ!?」


「すっげぇ……あれが中級間近のメイジの実力かよ…」


「見事なものだな…さて、ドロップを拾っておくか」


 三者三様色んな感想を漏らす。やっぱりカノンもアリアちゃんも僕やフィル君とは違って強いんだなぁ…僕も追いつけるようになるんだろうか。


「面目ない、一発で吹き飛ばされちゃってさ」


「いいえ? ゾンビハウンドも潰してくれたし、前衛の役目はしっかりとこなしてくれたわ。今はそれで十分、ゆっくり強くなっていきましょう?」


 モンスターに見せる氷の様な表情とは違って温かみのある笑みを見せるカノン。色々厳しい時もあるけど、やっぱり優しい子なんだな…彼女は。


「てかさぁ…あんた平気なの? ゴムマリみたいに弾かれてたわよ?」


「あ、やっぱそんな感じだったんだ。んー、回復魔法は掛けたし痛みはもう無いよ。心配してくれて有難う」


「今死なれちゃ恩返せないし、こっちにモンスター来るからね、簡単に死なないでよ?」


 心配してくれたのかと思ったら、ミキはやっぱりミキだった。ま…殊勝なミキなんてそれはそれで気持ち悪いからいいさ。


 強くならないとな…せめて熊の攻撃を防ぐか避けられて倒せるようになるまでは。


「よし、少し休んだら探索を開始しよう」


 次は、何があるんだろうか。





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