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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
76/216

24-01 【初めてのダンジョンアタック】

ダンジョンアタックに進むための前段階…書き下ろしです。

のーないかのんは楽でいいです、何も考えずに書けるので(爆笑

―大衆食堂【うちより安い店はねぇ!】


「ダンジョンアタック……?」


「えぇ、そろそろ臨時パーティを組んで一月ほど、連携も出来るようになって来たから試しに…ね? どうかしら」


 今日はオフで鍛錬などを全てこなし夕食を食べに来た所でカノンと出会った。彼女は普段は広場などで依頼を探したりして日々を過ごしているようだ。


 臨時パーティを初めて彼女の言うように既に一ヶ月過ぎている、この中でパーティを組んだ回数は五回だ、大体はフィル君と団長さん、もしくはハウルさんが一緒に組んでくれている、皆にとっても冒険者と一緒にモンスターを倒せるのは有難いそうだ。自警団の人は総じてレベルが低いのでここで自分達のレベルを上げていきたいらしい。


「僕が行っても大丈夫なのかな…」


「だめだったらそもそも誘わないわ。ヤスオさんの戦い方はこの一ヶ月でかなり上達してきてるし行っても問題ないと確信したからよ」


「あ、ありがとう」


 彼女は正面向かって褒めてくるから少し気恥ずかしいな。


 それにしても…ダンジョンアタックか………

 この世界に複数存在している【瘴気によって変化した空間】それがダンジョンだ。色々教えてもらったり自分でも本を読んだりして勉強したのだが、これがもう…ゲーム色満載な場所だった。


 まずダンジョンには【ターン】なるものが存在する。

 シミュレーションやRPGによくあるあれだ、1ターン目2ターン目とか言うの、まさにそのままがあるそうだ。


 このターン、時間や戦闘中などで消費されていくそうでこの数値が0になると空間が歪んでダンジョンから追い出されるという。なんでも瘴気…これも説明が難しいんだけど、黒っぽい霧で世界中の何処にでもあり、基本的に人の住んでいる場所やフィールドでは薄くて見えないが、ダンジョンでは可視化出来るほど瘴気が立ち込めているという。


 一説ではこの瘴気が一定時間で凝縮し弾けることで瘴気を持たない存在や抵抗出来ない存在はダンジョンから弾かれる……とか本に書いてた。信憑性は限りなく薄いそうだけど……何故かなのかは現在でも詳しい事はわかってないらしい。


 僕が住んでいた森もこのダンジョンだったんだけど、あそこはターンが無かったそうだ…そうだよなもしターンがあれば出られないとか騒いだりしてない。


 さて、ダンジョンの説明に戻るとして…ダンジョン内は瘴気で満たされていて外の世界とは空間的に変わっていて、宝箱が発生したりトラップが発生したり、フィールドより強いモンスターが発生する。冒険者はこの内宝箱を求めてダンジョンに潜るんだ。宝箱の中には様々な財宝が眠っていて、運が良ければ一攫千金……永遠に遊べるだけの物が手に入る。


 お金のために、夢のために、憧れて、強くなるため…様々な理由で冒険者達はダンジョンを踏破している。


「それに向かうダンジョンは【強敵】や【ユニーク】を除けば強くてもブラウンベアーで、ほかはハウンドやゾンビハウンド、ゾンビなどが複数居るくらいね」


「ゾ…ゾンビ…居るんだ」


「?? えぇ…あ、成程ね。人間の死体がアンデッド化した方を想像したのね? 安心してあそこに居るゾンビは【モンスター】としてのゾンビだから、倒しても問題無いわ」


「な…なるほどね…」


 うん、それも考えたけどまずゾンビって時点で怖いです。腐り果ててるのかそれとも死んだばかりの様子なのか分からないけど、唸り声を上げて人型の死者が襲い掛かってくる様子をリアルで見るのはかなり恐ろしい。


 なにせ心霊関係のTVは怖くて見れないのだから……いや、この世界なら倒せるかもしれないけど。目の前に突然現れた!! とかだったら叫ぶ自信がある。


「攻撃を受けたらこっちもアンデッド化…とかないよね?」


「毒や麻痺させてくる攻撃持ちのグールやガストはいるけど、感染して…はあまり聞かないわね。上級のアンデッドなら話は別だけど」


「そ、そうなんだ…やっぱりいるんだね」


「寧ろそこまで行くとそうなる前にバラバラにされたりとか即死したりとかでしょうから、その後の事なんて案外どうでも良くなるわよ?」


 カノンはたくましいなぁ…流石ほぼ中級冒険者。それに引き換え怖い怖い言ってる僕のなんと情けないことか…しっかりしなきゃ、情けない所ばかりみせてたらパーティを解散されてしまうかもだし。


「うん、僕で役に立てるなら一緒に行こう。シーフも一応当てがあるしね」


 主に【俺の塩】で売り子してる元スリ…まぁ、ミキなんだけど。

 ダンジョンに行くなら連れてけって言ってたからあれなら来ると思う。スキルも優秀だって聞いたし寧ろ誘わなかったらブツブツ言いそうだ。


「……あの子ね。えぇ…仕事をしてくれるなら問題無いわ」


「後は…前衛に団長さんかハウルさん、フィル君。アリアちゃんにも声を掛けてみよう」


「………………………」


「?? どうしたんだい? カノン」


「…いえ、なんでもないわよ」


【―のーないかのん― ぱねぇ…ぱねぇわヤスオさん!? 私なんて呼べる知り合いなんてヤスオさん位しかいないのに、ぱっと上げただけでそれだけのメンバー直ぐ呼び寄せられるなんて!? 確かに一緒に冒険したから気心はある程度しれてると思うけど、私じゃ呼ぶなんてだいそれたこと出来ません!? こ、これが…これがリア充…リア充なのね!? 町中でヤスオさんが歩いてると町の人がよく声かけてるし、武器屋さんでは働いてるから仲良さそうだし……! これはあれね、拝んだら私にもご利益があるかも…祈っておきましょう】


 何か思案顔だけど何かあったんだろうか? あぁ…ミキかなぁ。あまり仲良くないしな…ミキが一方的にだけど。殺されかけたから仕方ないっていえば仕方ない……


「それじゃ、仲間の都合がついたら教えてくれるかしら? 予定日を決めてダンジョンアタックしましょう? 期待してるわ」


「はは…期待に答えられるように頑張るよ」


「ふふふ、さ、食べましょうか。ここの料理は美味しいから、ね」


「そうしよっか」


 ダンジョンアタック……ドキドキするけど、楽しみだな。




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