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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
72/216

22-02 【フィールドアタック】 Ⅱ

臨時パーティ話その2です。

次話で22話はおしまいです。短い閑話になりそうですが…

―皆(ミキを除き)全力で戦っている!!

―ハウンド2体を倒した!

―ファングラビット2体、ハウンドを倒した!

―ファングラビットを倒した!

―ヴァイパーを倒した!

―ハウンド4体を倒した!





―戦闘中



「ヴァイパーを攻めますっ! アリアちゃん後に続いて!! 【先手】!!」


―【開幕】 ヤスオの【先手】発動!!

―【最速行動】付与 このタイミングのみ【速】+5!


「ヤスオの周りに雑魚を寄らせるな!! フィルっ! 俺等はハウンドを叩くぞ!!」


「おぉっ! 団長!!」


―ファッツの攻撃!! ハウンドAに致命的なダメージ!!

―フィルの攻撃!! ハウンドAに中ダメージ!!

―ハウンドAを倒した!!


 ヴァイパーの近くに居たハウンド達は団長さんが倒してくれる。僕は彼等に前を任せて奥に居るヴァイパーに突っ込んだ。


 繰り出すは僕の今の必殺技―


「おおおおおっ! 【蓮華】!!」


―ヤスオの攻撃!! 【蓮華】発動!!

―ヴァイパーAに中ダメージ!! 連鎖開始!!


 胴をなぎ払う様に斬りつけると同時に全身に力が漲りその勢いのままに剣を振り落とす。


「避ける暇は与えねぇっ! 【三散華】ぁぁああああっ!!」


―【連鎖】!! 【三散華】発動!!

―絶対命中! ヴァイパーAにクリティカル!!

―ヴァイパーAに致命的なダメージ!! ヴァイパーを倒した!

―ヤスオは【力】が1上がった!!


 バチバチとスパークする光を帯びた一撃がヴァイパーの胴を切り裂く。この一撃は【蓮華】からの派生として発動すると【絶対命中】という凄まじい特性が付き、更にそもそもの効果で攻撃した相手の防御力を1ターンの間連鎖した回数下げる事が出来る。

 

 現状【三散華】までしか使えないけど、それ以上の派生が出来るようになれば怒涛の絶対命中攻撃に防御力を削りつつ攻撃できるという恐ろしい事になる。


「よし!! アリアちゃん!!」


「……ん……【怨魂弾】」


―アリアオロは【怨魂弾】を唱えた!!

―悪霊達が周囲のモンスターに襲いかかる!!

―ヴァイパーBに致命的なダメージ!! 【呪い】状態!!

―ハウンドCに即死ダメージ!!

―ハウンドDに即死ダメージ!!

―ファングラビットAに即死ダメージ!!


 邪属性の中級魔法【怨魂弾】赤黒いおぞましい表情をしたような魔力の塊がモンスター達に突き刺さっていく。その威力はたった一撃で周囲のモンスターを壊滅に追いやるほどだ。僕が使える【火球】ですらあの魔法の前には霞んで見える。


 残りは奥に居るハウンド2体と死にかけのヴァイパー、後はカノンの魔法で決めるだけだ。


「残りは雑魚ね……【連操魂】……踊りなさい私の人形達」


―カノンは【連操魂】を唱えた!!

―闇で作られた魔力球が彼女が用意した人形達に宿る!!


 彼女が魔法を唱えると同時に騎士の様な姿をした人形や女の子の人形など様々な人形達がムクリと起き上がってそれぞれ武器を持って浮かび上がる。


 彼女が得意とする魔法で本来は岩などの大きな塊などに宿らせて敵に叩きつける魔法らしいが、熟練の結果それ以上に便利な使い方を覚えたらしい。


 それぞれが盾や剣、槍を持ってハウンド達に襲いかかっていく。


―カノンの人形1の攻撃! ヴァイパーBに小ダメージ

―ヴァイパーBを倒した!!

―カノンの人形2の攻撃! ハウンドEに小ダメージ

―カノンの人形3の攻撃! ハウンドEに中ダメージ

―カノンの人形4の攻撃! ハウンドEに小ダメージ

―カノンの人形5の攻撃! ハウンドEに小ダメージ

―カノンの人形6の攻撃! ハウンドEに中ダメージ

―カノンの人形7の攻撃! ハウンドEに小ダメージ   

―ハウンドEを倒した!!


「ひゅぅっ! 相変わらず凄まじいなっ!!」


 フィル君が関心したように言いながら残りのハウンドに突っ込んでいく。


「頑張れよ~……正直やること無いんだよね。カノンが強いのは身に染みて分かってたけどガキも強ければ団長の男も強いし」


 遠くからぽいぽい適当に石を投げてるミキ。やる気が感じられないけどこいつのお陰でモンスターの奇襲とかを防いだり、こっちが奇襲出来たり、相手の数を大体把握してたりと、確かに言うだけのスキルはあった。なんかブツブツと言ってるみたいだけど、何を言ってるんだか…


「つーかさぁ? なにあれ一番異常なのってヤスオよね。武器使って、魔法使って、回復まで出来るってあんた一人でいいじゃん。ま、シーフ技能は無いみたいだし、ソレくらいよね。あいつ結構強いんだ……ぽっちゃり系のくせして。なんかムカつく」


 まぁいい、あいつは人形が守ってくれるだろうし戦闘に集中しよう。


「フィル君! 気をつけ…おおぉ、すげぇ……」


―ハウンドBの攻撃!! 対象:フィル 

―【自動ガード】!! カノンの人形2がカバーに入る!!

―カノンの人形2に即死ダメージ! カノンの人形2は壊された!!

―闇の精霊が入れ物を探す…カノンの人形8に乗り移った!

―カノンの人形8が参戦!!


 人形だけあって防御自体は脆いけどとっさに盾となってこっちを護ってくれる上に、壊されても予備の人形さえあれば再補充も可能とか…これがチート……僕の回りはチートが多くて肩身が狭いです。


「こいつでトドメだああああああっ!! 【ファイナルブレイク】おおおっ!」


―フィルの【ファイナルブレイク】!!

―次に行う攻撃に【威力2倍】【防御貫通】【回避不能】を追加!!


 凄まじい勢いで駆けながら片手でショートスピアをブンブンと振り回し突撃する。


「俺のスピアは天をも貫くっ!! くたばれええええええええっ!!」


―フィルの攻撃!!

―ハウンドBに即死ダメージ!! ハウンドBを倒した!!

―ヤスオを除く全員にそれぞれ経験値を配布!! 

―いくつかのドロップを手に入れた!

―戦闘終了


 明らかにやり過ぎレベルの一撃がハウンドの顔を文字通り吹き飛ばす。爆散した頭部と頭部を失った胴体、首から血が噴水の様に溢れながらハウンドが消えていき、其処にはドロップだけが残されていた。


 あれでレベル5なんだから僕の立つ瀬が無いよなぁ…いいんだ、回復魔法があるし……うん。


「………周りにモンスターの影は無し、音も聞こえない。よし、今日はこれで切り上げるとしようか。何気に4時間はずっと狩り続けてたし」


「ヤスオに大賛成~!! 私もレベル上がったし、そろそろ足が棒になってるし

で丁度いいわよね♪」


「こいつだけ上がったってのがなんかやだな」


 フィル君がジト目でミキを見る。僕も力が上がったけどレベルが上がったのは残念ながらミキだけだった。ドロップはかなり合ったし報酬は良いほうだと思うからそれで妥協しようね?


「何よ、仕事してたじゃん」


 実際シーフとしての仕事はしてたからなぁ。


「ミキもやる気が無い割にはよくやったじゃねぇか。普段からそうしてりゃハウルも何も言わねぇぜ? それにしても、流石冒険者三人…いやミキを入れれば四人か。アレだけのモンスターをよくまぁここまでやったもんだ」


「ダメージ受けてもヤスオの回復魔法があるしね。お陰で少し無茶して動けたよ、俺も今日はかなり頑張れたし。これからも誘ってくれよな俺絶対に着いて行くからさ」


 槍を肩に乗せながらフィル君が嬉しい事を言ってくれる。彼の攻撃力はとても助かるし、レベルが上がればもっと頼りになるからね。此方としてもお願いしたかった所だ。彼は自警団だから誘えない時もあるし。


「そこは俺も、と言いたいんだが流石に俺は自警団の重要な役目があるしな。後、俺とハウルどっちもは連れていけないから行く時は連れて行きたい奴に声かけてくれ。大体は融通するぜ? レベルは高いに越したことはねぇ」


「わかりましたっ!! 今日は皆お疲れ様でした、最後まで気を引き締めて行きましょう。このタイミングが襲われた時一番危険ですから」


 ここで気を抜いて壊滅したら笑い話にもならないし……


「所でカノン。その…今日の僕の指示はどうだったかな? 出来るだけ全体を見て指示を出してたんだけど、やっぱり前衛に立つと難しいよね」


「そうね…65点かしら。まだまだ荒削りだけどそれなりにちゃんとした指示は出来てたわ。前衛の時は流石に粗が目立つけど、それはおいおい直すしか無いわね。総合評価で言えば「もっと頑張りましょう」かしら。ふふっ期待してるわよヤスオさん」


「あ、あはは…頑張るよ」


 彼女と話しててわかったのは厳しい所もあるけど基本的に彼女は優しいって所だ、何かあれば全体を注視して色々教えてくれるし、先輩冒険者として僕の未熟な部分を指摘してくれたり、フィル君達のフォローも欠かしていない。


「……ヤス……オ…頑………張った…」


 僕の肩をぽんと触ってしきりにウンウンと頷くアリアちゃん。実力者だし良い子だけど、どこか不思議ちゃん的な雰囲気がある子だ。


 彼女は僕の指示に完璧に答えてくれる所が凄かった、かと言って指示が無い時は動かないとかじゃなくて、緊急時は自分で考えて魔法を使ってくれたりとほんと有難い。僕達が総計数十体のモンスターを被害なく倒していけたのはこの二人のお陰だ。


「後、やっぱり自警団の団長を勤めてるだけあって、ファッツさんの緊急での指示が凄く助かりました。もし何かあった時、自分がが会話できなくなった…戦闘不能になった…そんな時の為にサブリーダーをお願いしていいでしょうか?」


「あぁ、任せておきな。でもよヤスオ、リーダーは俺等が基本守ってやる。そうそうそんな状況にゃさせねぇよ」


 やはりカリスマがある人ってのは言葉も格好いいなぁ。僕も頑張れば団長さんみたいになれる……といいなぁ。


「それもいいけど、ファッツさんは少し前に出過ぎね。じっとしてられないんでしょうけど、後ろに私達が居ることを忘れないで頂戴? 私は防御メインだから耐えられるけど、そこのシーフが死ぬわ。火力は十分だから、次は後列の把握をしてくれます?」


「おうっ! 次は気をつけるぜっ!」


「結構。次は頼んだわよ? フィル君は…そうね、目立って悪い部分は無かったわ。レベルが低い割には力も強いし耐久力もある。でも、最後のスキル。あれはギリギリまで使わないほうがいいわ。デメリットもそうだけど、戦いがあれで終わりとは限らないのだからね?」


「ご、ごめん。ついテンション上がっちゃってさ」


 フィル君……よくわかります。


「はいそこヤスオさん、分かりますみたいな表情しないように」


「バレてる!?」


「でも、優秀なスキルね。何かあった時の切り札として大事にしておいたほうがいいわ、その一撃が局面を変える時がある、貴方の爆発力、期待してるわよ。次にアリアオロさん……言う事が完璧にないわ。私と同等、場合によってはそれ以上ね」


 やはりアリアちゃんはほぼ中級の彼女から見ても同等とかそれ以上なんだ。なんだか微妙に嬉しい気がするな。知り合いが褒められるのは悪い気がしない。


「最後に……」


 表情が優しげな顔から少しばかり能面っぽい感じに変わる。元々が美女なのでめちゃくちゃ怖い。いや…僕が怒られてるわけじゃないし、こっちは見てないけど。


「エネミー感知は優秀だったわ。でもそれだけ、やる気がないのははじめから知ってたけど命をかけてるのよ? もう少ししっかりやってくれないかしら? レベルが低いなんてのは言い訳にならないわよ? フィル君も頑張ってるんだから」


「そんな殺気向けないでよ、マジで怖いんですけど」


「そんなもの向けてないわ」


「しょうがないじゃない、私まともな戦闘全然したこと無いんだから。遠くから弓とか攻撃されない場所から石投げとかでレベル上げたんだから」


 それだけでレベル3まで上げたのは逆にすごいよな…養殖されたわけでも無いし。


「それはあるけど…正直エネミー感知が凄かったよ。そのスキルなかったら何回か奇襲されてたかもだし、ある程度のモンスターの探索も出来るし。せっかくの優秀なスキルなんだしもう少し頑張ってみないか?」


「ふっふっふ。流石ヤスオ、私の凄い所を褒めるとはポイント高いよ? 私がいなけりゃ下手すりゃ大事だったんだからもう少し褒めてくれてもいいじゃない。戦闘はあんたら任せ、察知やトラップ、宝箱は私の仕事で役割分担出来てる。のんびり経験吸わせてもらえば、タフネスやスキルも上がるし更に使えるわよ♪ミキ様は蝶よ花よと育てられて活躍するタイプなのさ」


 そんなタイプが居てたまるか…でもまぁ…スキルは凄いしそっち方面に関しての実力は確かだからもしそれを教えてもらえたら僕でも覚えられるかもしれないな…今の所弱いとしても色々覚えてきているし。ダメ元で聞いてみるか…上手く行けば御の字だ。


「そう言えばミキ、恩を返すって言うなら探索に付き合ってくれるのもあれだけどそのスキルの事少しでいいから教えてくれないか?」


「は? なんでよ? あんたシーフじゃないでしょ? 確か魔法戦士とかいう変なのよね? 別に教えてもいいけど、なんのつもり?」


「僕はさちょっと事情があって色んな事を知らないんだ。だから例え覚えられないとしても、どんな情報でも欲しいんだ。おめーが恩を返す云々言うなら教えてくれないか? それ教えてくれたら恩を返したってことでいいから。ダンジョンアタックの時は最悪ミキに報酬だして雇う予定だし」


 今は恩を返すって理由でついてきてるそうだけど、それがなくなれば普通に報酬とか山分けもしようと思ってる。レベルも上がれば攻撃とか回避も出来るようになるだろうしね。それがダメでももし色々教えてもらえたらやりようは沢山ある。


「……………(何こいつ…もしかしてさっさと話してどっかいけってこと? 私が返す恩なんざ期待もしてないって言いたいのかよこの野郎…ムカつく、ムカつく、ムカつく! こうなりゃ意地でも付き纏ってやる!!)」


 やはりどこか癇に障ったのか起こった表情でミキが言う。


「スキル云々の情報なんて別にいいわよ、レベル聞かれたんじゃないんだし。だけどそれで恩返しってお話きかせてハイ満足なんて私が許せないから」


「あ、あぁ…わかったよ。よろしく頼む」


 「それでいいのよ」と機嫌をなおしたミキ。女性はよくわかんないなぁ…ゲームとかのヒロインなら簡単だけど…


【―のーないかのん―ちょっとヤスオさん! シーフ技能聞く前に他に聞くことあるんじゃないの!? バンバン教えるわよ! 私の魔法の事とか人形の事とか!! そこのシーフ! ヤスオさんは私のパーティメンバーなんだから自重しなさい!! こ、これはまずいわ…なんとかして私の話題に持って行かなくては! さぁかのん! ここから私のターンよっ!!】


「所で、ヤス―」


「それよりもそろそろ帰ろうぜ? 遅くなったらカリーナとエルが心配しそうだしな」


【―のーないかのん―フィルくうううううううううううううううううううんっ!? タイミング! タイミング悪杉!?! まって! このままじゃ普通に帰還で終わっちゃう! 奇跡よ! 今こそ奇跡よ起きろ!!! お願いヤスオさん! 私がなにか言い掛けたことに気づいて!!】






―奇跡はそうそう起きません。





「そうだね、時間も丁度いいし今日はこれで切り上げよう。皆、次開いてる日があればよろしく頼むよ。僕も鍛冶の仕事あって手伝いできないこともあるけど、何かあれば言ってくれると嬉しい」


「へー、元々饅頭みたいな顔してたけど、それが鋼鉄饅頭になるんだ。そもそも食べられないのに更に食べられないとかワロタ」


「おめー、後で絶対ぶっとばす」


「謹んで遠慮します」


 このやろう、誰が饅頭顔だ……いや確かに顔は丸っこいし髪の毛はかなり短く切ってるから見えないことは…言ってて泣きそうになりました。


「…………………そうね、帰りましょう。遅くなっても行けないし、ね。皆、最後まで気を抜かないように(あのシーフめぇぇぇぇ…アンタは臨時でしょうに!)」


「え、なんか寒いんですけど、なにこれ…なにこれ…?」


「さーて、帰りにご飯食べに行こうか」


「おぅ! 楽しみだぜっ!」


 こうして初の臨時パーティは成功の内に終了した。これからはこうやって仲間を募って頑張っていかないと。上手く行ってよかったよ……




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