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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
65/216

20-02 【一人で万全等は無い】 Ⅱ

戦闘描写は苦手です、要修練ですね。


沢山の感想や指摘有難う御座います。修正や返信をしたいのですが

時間が足りなすぎて、皆さんには申し訳ありません。


今年の目標だった総合評価3000が後もう少しで到達しそうです(驚愕

皆さん、沢山のブックマーク、評価有難う御座います。とても励みになります。


(ハウンドが…4体…このタイミングでかっ!?)


 頭が真っ白になりそうだった。 逃げている最中に少し先の方にハウンドを4体見つけてしまったのだから。森でも前に似たようなことがあった、あれはハウンド2体ともう二体だが、今回は状況が違う。ハウンド4体なら上手く行けば【火球】で倒せるだろう、【爆裂】では少し威力が足りないので殺しきれない。


 問題は魔法を使う為には集中しなければならない、毒に侵され、呼吸困難になり、更には麻痺までしている現状…それでなくても走った状態で【火球】を当てる芸当など自分には出来る訳がない。ソレができたら今頃後ろに投げつけている。


(ど、うする…!? だめだ、突っ切れる可能性はほぼ0%、迂回するにしても気づかれたら合計7体と戦う…? 無理に決まってる…どうすりゃいいんだ…どうすりゃ…!)


 このまま走れば音で気づかれるだろう、そうなれば後は黙って殺されるだけだ。何体かは倒せるだろう、だが結局自分は死ぬ。そうなれば全部がおしまいなのだ…答えは一つしか無かった。今できる最善の手は―――


(やるしか…ない!! こいつらを倒すしか方法がないっ!! 逃げて大群に嬲り殺されるか、こいつらに殺されるか…生き残る可能性は、こっちにしかねぇっ!!)



―戦闘開始!!



(一手でも間違えれば死ぬ…!! 例え遠回りでも、これしかねぇ!!)


 狙いを付けるは此方に先行しているパライズモス、右手を突き付け魔法を唱える―!


「ごほ…ごほっ!! す…【水弾】!!」


―呼吸困難中……抵抗した!

―ヤスオは【水弾】を唱えた!!

―パライズモスAに小ダメージ!! 体が濡れて鱗粉が使えない!!


 息が詰まり魔法を使えなくなりそうだったが何とか魔法を発動できた。

 水の弾丸が狙いを外さずにモンスターにぶち当たった、ぐらりと仰け反り羽が濡れて鱗粉が出せなくなったが、それでもお構い無く此方に突っ込んでくる。


―パライズモスAの攻撃!!

―ヤスオは呼吸できない! 魔法が使えない!!

―ヤスオに小ダメージ!! 残り6割


「ぎゃんっ!!」


 【風壁】で軽減しようにも息が詰まって咳き込んでしまった所を突っ込まれ受け身も取れずに吹き飛ばされた。


 直ぐに起き上がるがヴァイパーが首に食らいつこうと飛びかかってきている―!


―ヴァイパーの攻撃!! 【毒噛み付き】!!


「おおおおおおおっ! 【風壁】ぃぃぃぃっ!!」


―【割り込み】!! ヤスオは【風壁】を唱えた!!


「ぎいいいいいいっ!!」


―ヤスオに中ダメージ!! 残り4割

―ヤスオは既に毒に侵されている!!

―小さき太陽の指輪がきらめく! HP6点回復 残り4割

―パライズモスBは魔法に対して身構えている!!

―ヤスオは毒に侵されている! 微小ダメージ!! 残り4割


「や、やった…!! ごほっ! ご、ごれで…もういっがい……【水弾】が……使えれば……鱗粉がごな……ごぼっ!!」


 防御魔法で噛み付きの威力こそは削ることが出来たけどぶつかってくる衝撃までは防げず深いダメージを受けてしまった。


 満足にしゃべる事も出来ず出血が酷くて手足が震えているのがわかる。先程から両手足が冷たい、血を失い続けているせいだろう。


「で、でも次の手が……はぁ…はぁ……足りない…ど、どうする…起死回生の……手は」


 今の状態で戦って生き残る方法が思いつかない。何体かを倒すことはきっと出来るだろう…でも、助かる為の方法は……


「…………あ、あった!! あっだぞ………!」


 たった一つ、今の僕が生き残るための方法があった。恐怖はある、死ぬかもしれない…だけどこれしか方法がない…!!


 自らの身体に手を当て、一か八かの魔法を唱える。これでダメなら死ぬだけだ。


「どうせ死ぬなら……あがいてやるっ!! 【風刃】!!」


―呼吸可能! ヤスオは【風刃】を唱えた!!


 胸に衝撃が走りボールの様に弾け飛ぶ、目の前のモンスターとハウンドから遠ざかる様に吹き飛ぶ方向を瞬間で判断し自身に魔法をかける。


「ぎっ!? ぎゃああああああああああああああああっ!!」


―ヤスオに小ダメージ!! 風圧で吹き飛ばされた!! 残り2割

―ヤスオは【重症】状態!! HPが6割以上回復しない!

―攻撃と防御が1ランク減少、命中、回避が【-30%】 

―パライズモスAの攻撃!! 距離が遠すぎる!!

―パライズモスBの攻撃!! 距離が遠すぎる!!

―ヴァイパーの攻撃!! 距離が遠すぎる!!

―到着まで2ターン!!


 胸を切り裂く激痛と地面に墜落した衝撃が意識を奪おうとする。胸からはあふれる位に血が溢れてくる。どうして生きているのか不思議なほどの状態…だが、これで命は繋げた…!


「痛い……痛いよぉ……でも、これで…これでぇぇぇえ!! 【治癒】だぁぁぁ!!」


―呼吸成功! ヤスオは【治癒】を唱えた!!

―ヤスオは重症により最大で6割までしか回復しない!! 残り6割

―ヤスオは毒に侵されている! 微小ダメージ!! 残り6割

―小さき太陽の指輪が輝く! 鱗粉が薄れてきた…麻痺する確率が10%までダウン。

―小さき太陽の指輪が輝く! 鱗粉が薄れてきた…呼吸が回復した!


 震える身体を起こし【治癒】を唱える、ガクガクと全身が震えるがそれでもこれでまだ…戦える!


「ティルさんありがとう…貴方がくれた魔道書のお陰でまだ、生きてますっ! このチャンス…逃してたまるかぁ!!」


 こっちに向かってくるもう一体のパライズモスに狙いを定める。


「喰らええぇぇえっ! 【水弾】!!」


―ヤスオは【水弾】を唱えた!!

―パライズモスBに小ダメージ!! 体が濡れて鱗粉が使えない!!


 【水弾】でパライズモスを濡らさなければ鱗粉が襲ってくる。火力で潰すという手もあるが、それで鱗粉がばらまかれてしまえば麻痺や呼吸困難だけではなく混乱になってしまう可能性があった。もしこの状況で混乱してしまえば、確実に死ぬだろう。ほとんど賭けの様な戦いだったがなんとか蜘蛛の糸を掴めたようだ。


「よぉぉぉぉぉしっ!! これで全力で攻撃できる!! これ以上やらせるかあぁぁぁっ!!」


―パライズモスAの攻撃!!

―ヤスオは盾で防御している!! 微小ダメージ!!

―パライズモスBの攻撃!!

―ヤスオは盾で防御している!! 微小ダメージ!! 残り5割

―小さな太陽の指輪がきらめく! HP6点回復 残り5割


「そう何度も何度も当たってたまるかぁ!!」


 濡れて鱗粉が使えず動きの鈍いこいつらなら冷静に対処すれば防御も対応出来る。問題は攻撃力の高いヴァイパーだ。


 此方を噛み殺そうと飛びかかってくる―


「っ! 盾がっ!? うわああああああっ!!」


―ヴァイパーの攻撃!! 【体当たり】!!

―【割り込み】! ヤスオは【風壁】を唱えた! 

―盾で防御・・・失敗!! 小ダメージ!! 残り4割


 盾を構える前に攻撃を受けたが魔法のおかげで致命傷にはなっていない。ここが…攻め時だ!!


「まだ…まだ生きてる…まだ僕は生きてるぞっ!! まずはヴァイパー…てめぇは先に落としてやる!!」


 こいつには先程ダメージを与えている、次の魔法を使えば勝てる可能性がある。水で濡れていないパライズモスを巻き込んでしまうので鱗粉の脅威があったが今は問題無く使える。


「はぁぁぁぁぁぁ……【爆裂】だあああああっ!!」


 ヴァイパーを中心に轟音と共に爆発が巻き起こる。相手を焼きつくす熱さと破裂による衝撃が相手を打ち倒す僕が多用する攻撃魔法で威力もそこそこ高く。ほぼ確実にヒットする利点がある。


―パライズモスAに大ダメージ!!

―パライズモスBに大ダメージ!!

―ヴァイパーに大ダメージ!! ヴァイパーを倒した!!


「っ!? しまっ!! うわああああああああああああっ!!」


―爆発の中からパライズモス達が飛び出してきた!!

―モンスター達の攻撃!!

―ヤスオに小ダメージ!! 残り3割

―ヤスオに小ダメージ!! 残り1割


 油断はしていなかったが爆発の煙で見えなくなった所からボロボロのモンスター達が突撃をかけてきた、疲労とダメージの所為で行動を起こせず為す術なく攻撃を受けてしまう。


「し、死ぬもんか…死んでたまるかあああっ! 【爆裂】あああああああああああああっ!!」


 吹き飛ばされながらも生き残るためだけに僕は魔法を唱える―


―ヤスオは【爆裂】を唱えた!!

―パライズモスAに大ダメージ!! パライズモスAを倒した!!

―パライズモスBに大ダメージ!! パライズモスBを倒した!!

―ヤスオは【HP上昇:最下級】を覚えた!

―ヤスオは【運】が1上がった

―【運】ボーナス!! 【宝箱遭遇率上昇:最下級】を覚えた!!

―パライズモスカード1個獲得

―毒の牙1個獲得


 脳内に流れるログを見て倒した事を知るがもう身体がピクリとも動かない。地面に倒れこむと同時に意識が薄れていくの感じる…


―ヤスオは毒に侵されている!! 微小ダメージ!!

―HP0 ヤスオは倒れた!!

―ハウンド達が此方に気づいた!! 此方にくるまで残り3ターン!!


「あ……あぁぁ…かえ……帰る……んだ…うごけ……うご…け…よ……」


 死にたくない…でももう……僕の意識は暗い闇の中に飲まれていった―


―小さき太陽の指輪が光り輝いている………



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