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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
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17-01 【大襲撃と阻害魔法】 Ⅰ

偶に評価ポイントなどを頂いています、総合ポイントが増えるととても嬉しいですね。目指せ今年中に総合評価ポイント3000です(無茶イウナ

「続けるぞ。確認されている中で脅威なのはパライズモスだ、他にはヴァイパーなどもいるが、こっちは対処方法さえ取れていればパライズモスよりは幾分マシなんでな、問題は飛んで鱗粉を飛ばしてくるこいつの方だ」


 町の外に集団で現れたモンスター達、これらがどうやら早くても明日に朝にはこの町にやってくるらしい、もしかしたらスルーしてくれるかもしれないが100体を超えるようなハウンドや他のモンスター達が器用にホープタウンを避けてくれる可能性は低い、と言うかフィル君達の見立てでは餌を捕食しつつ確実にこの町に向かって移動しているのが見えたらしい。


 この町を狙っているのかそうじゃないのかは分からないが、対処しなければ凄まじい数のモンスターが町を襲う。そうなれば一般人の人達が殺されてしまうのだ、だからこそ自警団の人達は事前に対処をしているんだ…そうしなければ手遅れになってしまうから。


「パライズモス。こいつの鱗粉が厄介だが、その特性上濡らしてしまえばあっさり無効化出来る、ただコイツの鱗粉は普通に水じゃ跳ね除けてしまうんでな、魔法水…もしくは水魔法を浴びせる事で対処していけばいい。丁度カリーナが覚えいるな。ヤスオ、お前はどうだ?」


「いえ、今自分が使える攻撃魔法は火と風だけです。一応【爆裂】は使えるようになったんで、5体までなら魔法に巻き込めますが…」


 水魔法の書はまだ手に入れていない、買うタイミングが微妙になかった所為だ。読めば覚えられるかもしれないけど…


「なんだおめぇ? 相性があわなくて使ってないのか? もし使えるんなら俺んちの店にある水の魔法書依頼報酬の一つとしてくれてやるぞ?」


「そ、それは助かります! 水魔法を覚えられたらパライズモスも何とかなるんですよね! お願いしていいですかっ」


 セイルさんの言葉は渡りに船だった、いつかは買おうと思っていたから依頼報酬に魔法書が入るなら願ったり叶ったりだ、急いで読んでおけば今回のモンスター対策になるし、すかさずお願いした。


「あいよ、魔法は専門外だしそっちの作戦の時は俺ぁいらねぇだろ、ちょいと行ってくらぁ!」


 そう言うとセイルさんは部屋を出て行った、作戦会議の後でも良かったんだけど、好意は無駄にしちゃいけないよな。それに確かに一刻を争う仕事だろうし…今こうしてる間にもモンスター軍団は町に向かっているのだろうから。


 同じく魔法は専門外のフィル君は悔しそうな表情をしながら自分出来る事をやるとハウルさんに何かやることが無いか聞いていて、団長さんもハウルさんの指示を受けている。


「俺を含めて魔法が使えん奴は中~前衛でハウンドやヴァイパー、スモールベアの対処をする。流石に全てはまかないきれんからな、冒険者頼りになるがそれはこっちで話を詰めるからカリーナとヤスオはパライズモスの対処をしてもらうぞ。勿論冒険者の中からメイジを何人かそちらに回すから安心しろ」


 ハウルさんは更に続ける。


「今回の事、モンスターが確実にこの町を攻めてくるかどうかはまだ分からん。分からん…が、それだけの数が集まった以上看過は出来ん。本来フィールドのモンスターはそこまで群れを作らないからな」


 僕もその話はアルスさん達から聞いている、故意に集めない限りモンスターは基本的に群れるような事はしないらしい、これは実際に僕も見て確認した。多くてもウサギが2~3体やハウンドが1~2体位で、現れるモンスターは殆ど単体などで襲い掛かって来ている。だからこそ100体超えているというのが信じられなかった位だ。


「前回もあったけどね大体5年位前かしら、その時はハウンドの大量発生よ、数百体とか襲ってきたけどこの時は上級冒険者が調度良く居てさ、2~3人だけで全部一蹴してくれたわ、その分報酬も高かったから町長が泣いてたけど」


「ふん、金と命なら命を取るのが当たり前だ、金なんて稼げば手に入る英断と言うことにしておけ。話を戻すぞ? お前達二人は他のメイジを連れてパライズモスの撃破を任せる。ただし無理はするな? 死んだらそれはそれで面倒なんだ」


「素直に心配って言いなさいよ」


 呆れ顔でカリーナさんが言うけどハウルさんはどこ吹く風で話を続ける。

 僕とカリーナさんは遊撃でパライズモスを片付ける事になった、基本的な戦力は冒険者を使い、自警団員はそれの支援を行う。団長さんとハウルさんは下級冒険者の上位レベルのステータスを誇っているので、冒険者達と共に前衛を担い指揮をするそうだ、その中一番危険と思われるパライズモスを僕達水魔法が使える遊撃隊が倒していく。一応魔法の水を冒険者達にも持たせるらしいが、物には持つ限界があるので、大量には持ち運べないからそこは僕達水魔法が使えるメンバーが対処していく事になる。


 もしこれで僕が水魔法を覚えられなかった場合は回復魔法も攻撃魔法も使えると言う事で、中衛での支援及び魔法による援護が仕事になるそうだ。どちらにしても責任重大だ、ミスをしないよう頑張らねば…何はともあれハウルさんの説明を頭に叩きこまなくてはならない、一応メモも持ってきているのでわかりにくい部分をメモに纏めておく、後はこれを読み返せばいい。


 そうやっている内にセイルさんが荷物を持って帰ってきた。


「おぅ、今戻ったぜ! こいつぁ晩飯にでも食ってくれや、腹が減ったら考えも纏まらねぇだろ?」


「おっ! こいつは助かるぜ! すまねぇな!」


 団長がそう言うないなやセイルさんが持ってきた袋からパンを取り出して頬張っていく、その緊張感のない姿にハウルさんがやれやれと頭を振ったり、他の皆はそんな様子を笑って見ている、僕も思わず釣られて笑ってしまった。こんなに楽しく優しい場所をモンスターに壊させたくはない。この町に住ませてもらっている冒険者として、一人の人間として…力足りなくても戦おう、そう心の中で誓う。


(頑張らないとな…)


 全ては明日…それまでに出来ることを全部やってしまおう。




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