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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
47/216

16-02 【鍛冶師見習い兼冒険者見習い】 Ⅱ

日々の閲覧有り難うございます、評価やブックマークはとてもありがたいです。


お話の中の何気ない一場面です、彼等も生きているのでこう言う静かな日々を凄いている様です。

 セレナちゃんが作ってくれた料理を皆でテーブルに置いていく。今日の献立はハウンド肉のステーキを始めとしてサラダにフライドポテト、ポタージュスープに主食のパンと、とても豪華だ。サラダ用のドレッシングは彼女自ら作っていてさっぱりしてとても野菜に合う。

 

「うむ、今日も美味そうじゃのぅ」


「あ、おじいちゃんお酒はどうします?」


「それじゃもらおうかの。どうじゃヤスオ?」


「あ、あはは…僕はお酒だめなので」


 酒は匂いからしてダメなのでまったく飲んだ事がない、一度悪ぶってビールを一口飲んであまりの苦さに吐き出して投げ捨てた事がある、日本酒や焼酎も同じく匂いの時点で気持ち悪くなったし、味も受け付けなかった。慣れたら美味しいのかもしれないけど、そんな無理してまでお酒を飲みたいとは思わない。社会に出てなかったので、洗礼とも言える飲みニケーションを通過してないから多分これからも飲む事はない。


 タバコも同じくだ、この世界にもタバコ…葉巻とかはあったけどこっちも煙がダメだから吸えない、無駄に健康的だな僕は。それであれほど太ってたんだからもったいない事をしたなぁ…少しでも鍛えておけばもうちょっと戦えたのに。


「もうっ、おじいちゃんったらあんまりお酒を勧めないで下さいね?」


「ほっほっほっ、こりゃすまんのぅ」


「さ、冷めない内に食べましょう、ヤスオさんもどうぞ」


「うん、ありがとう頂きますっ」


 実はさっきからかなりお腹が空いていたので、その言葉を聞いて直ぐに食べ始める、まずはパンを千切ってスープに浸して食べる、パンの甘みと絡んだとろりとした甘いスープの味が絶妙にマッチして口の中に広がっていく。

 そのままフォークを持って次に取るのはフライドポテト、揚げたてほこほこのフライドポテトは程よい塩気と芋の甘味がとても美味しくてどんどん食べていける。


「沢山ありますから、一杯食べて下さいね」


「もぐ……んぐ。うん、お腹すいてたから嬉しいよ」


 鍛冶は凄まじい集中力と火で炙られる様な熱さの中で槌を打ち続けていくから体力を非常に消耗する、作業中は作成に完全に集中しているので気にならないけど終わった後はどっと疲れと空腹が襲ってくるのだ、お陰で食べる量がかなり多くなった、太らない様に自主鍛錬は欠かさずにフィールドでの戦闘でも魔法よりショートソードを使って走り回っているから、身体はかなり引き締まってきた。顔は相変わらずぽっちゃりしていてティルさんが【お饅頭の様にもちもちして可愛い】と褒め言葉なのかよくわからない評価を頂いている。


 さぁ、どんどん食べていこう。今日はどれもこれも僕の好物だからどれだけでも食べていけそうだ。メイン…ハウンド肉のステーキを食べようじゃないか。新鮮なハウンド肉はナイフでスーッと切れる、切った端からあふれだす肉汁が食欲を刺激していく、そのままフォークで刺して食べると一噛み毎に旨味が溢れてくる、日本で食べた事のあるステーキも美味しかったがこっちはそれ以上だ、はやりハウンド肉はとても美味しいと言う事で結論がつく。


「……もぐ…もぐ…」


「あれだけハウンド肉を幸せそうに食べる者も少なかろうなぁ…」


「ふふ、そうですね」


 サラダを食べパンとスープを食べフライドポテトをつまみ、最後にステーキのローテーション。まさに完璧だ、グルメを気取る程舌も経験も無いけどセレナちゃんの料理は御託など要らないレベルでとても美味しかった。


 ついつい夢中になって食べ続けていたら親方達が僕を見て優しげな表情で笑っていた。おぉ…食べることに夢中になって他の事に気づいてなかったよ…


「す、すいませんがっついちゃって」


「何気にする事はない、セレナも美味しく食べてもらえるのは嬉しいと言っておるからの」


「さっきのヤスオさん可愛かったですよ」


 超絶恥ずかしい…


「そうだ、今日のお仕事はどうでした?」


「色々覚える事の連続だよ、親方は教え方が上手いからちょっとずつだけど成長してるかも」


「うむ。ヤスオはペースは遅いかもしれんが、何度も諦めずにこなす所がお主のいい所じゃ、鍛冶は日々の研鑽が物を言うからの」


「はいっ!」


 親方は僕が上手く出来たりすると良く褒めてくれる、少し気恥ずかしいが今まで褒められた事なんてしてこなかったから、こう言う風に努力を認めてもらうのはとても嬉しい。両親もきっと頑張ったら褒めてくれたんだろうな。


「儂も久方ぶりに弟子が出来たからの、ビシバシ鍛えてやるから覚悟せいよ?」


「鍛えるのはいいんですけど、ちゃんと休んで下さいね? 二人共仕事に集中したら時間忘れちゃうんですから」


「あ、あはははは…」


 最後はセレナちゃんに注意されて二人で謝る僕達だった―






……………







―【ヤスオの自室】



【ハウンド肉かぁ、ボク達冒険者の旅のお供だお~。なんせフィールドならそこら辺から出てくるしね、あれ】


 家に帰ってきて夜になると大体同じ時間にティルさんから【念話】が届く、今日は休日だったらしく、一日合ったことを適当に話していた。


【ハウンド肉って僕達の世界の鶏肉レベルで安いし美味しいですよね、たくさん買って冷凍して必要な時に溶かして食べるってよく聞きます】


【鶏肉も豚肉も牛肉だってあるけどね、ハウンドは冒険者が沢山狩るし、都市とか町レベルになると普通に食用として降ろされてるお、数が多い分安く買えるしね。でも畜産は畜産でちゃんとあるし、まぁその辺はよくわかんないなー】


 普通に畑作とか農業とかもやっているし、野菜や他の肉も沢山あるけどその辺は専門の人にしかわからないよな、僕に至ってはそもそも世界が違うし。


【そう言えば今日初めて鋼を打ったんですよ。鉄とは全然違って最初は全然上手く行きませんでした、やっぱり難しいですね】


【おぉ! 頑張ってるじゃないかっ! お姉ちゃんは鼻が高いお~。なぁに戦いと同じでやり続ければちゃんと覚えるからね、諦めずにこつこつとやるのだ!】


【はいっ! あ、ティルさんは何か頑張ってた事とかあります?】


【ほほぅ……知りたいかね、ヤスオ君や】


 イントネーションを変えてティルさんが僕に問いかける。なんだろう聞いてはまずかったんだろうか……ちょっと心臓がドキドキしてしまう。


【あ、いや…その、無理には…】


【って、なんで急にテンションガタ落ちするかね…無理じゃないお、ボクが最近まで頑張って諦めた事があります…】


【ティルさんでも無理だったことが…!? まさかドラゴンとかと戦ったとか】


 この世界レッサードラゴンを始めとして様々なドラゴンが居るとアルスさんから教えてもらっていた、あのアルスさんですら戦わず逃げたと言っていた位だからティルさん達がリベンジして負けたとかかも…


【ある意味ではドラゴンより強敵だったお………】


【……ドラゴンより……】


【うむ……アリーの料理オンチを治す事は…!!】


 料理……オンチ……? 

 その言葉に止まっていると矢継ぎ早にアリーさんの料理オンチぶりを聞かされていく。スープを作ったら何故か泡だらけになったとか、肉を焦がすまで焼き続けてしまうとか、塩と砂糖を間違える様なデフォルトからポテトサラダを作るはずが得体のしれない物になったとか…


 居るんだなぁ…そんな漫画とかで見るようなレベルの料理オンチ……


【今現在はねぇ…二人して諦めてるお、幸いボクが料理作れるからね、アルスなんて肉は焼けばいいとか言うレベルだから大変なのさぁ】


【実は僕も焼く位しか…流石に目玉焼き位なら作れますが】


 この前ハウンド肉に乗せるために焼いたけど結構上手く出来たから、僕の得意料理に目玉焼きが追加されている、サラダもドレッシングなら作り方を教えてもらったので肉にタマゴに野菜…スープも作り方を教えてもらえば行けそうだから……あれ? 結構出来そうな気がする。


【ヤスオ…君は早く強くなってこっちに来るのです、一緒に料理を作ろうじゃないか! いやー、簡単な料理だけでも作れるのは助かるお~】


【た、大変なんですね】

  

【そうなんだお~、町とかなら食べに行けば良いんだけどさぁ―】


 この日は終始こんなふうに休む時間になるまで楽しい話を続けていた―



―16話終了…17話に続く。



■リザルト

変動なし

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