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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
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15-02 【塩、5番、魔法使いの女の子】 Ⅱ

最近ブックマークや評価が沢山増えてきました。

本当に有難いことです、楽しんでもらえるように頑張りますね。


今回はヤスオ君頑張る回です。

―長屋【ヤスオの自室】


 長屋と銘打っているがどちらかと言うとアパートとかそう言う感じの共同住宅に今僕は住んでいる。月々の家賃が安い割にはとても良い部屋を与えられたと思う。ここは1DKで玄関の近くに小さなキッチンと洗面所、トイレにお風呂がある、それぞれ手狭だけど必要な物が揃っているのは有り難い。ドアを開けると僕が普段過ごしているダイニングが目の前にある、お客さんが来た時用の簡素なテーブルに、邪魔にならないよう上に備え付けて貰ったベッド、本棚などまぁ、普通に考えつく程度の部屋だと思う。


 そう言えばアルスさんが友人同士一緒に寝ようぜ! とか遊びに来てアリーさんに殴られて引き摺られていったけど、あれは何だったんだろうな…僕を心配させない様にわざと馬鹿をやってたのか、それとも素なのか。素だったとしたらアルスさんにも面白い所があるんだなぁと親近感が湧いてしまう。色々教えてもらった身としてはアルスさん達3人は超人とかそう言う感じに思えるから。


 塩を買ってきたのはいいが、うん…もう諦めた。きっとセイルさんが言う塩ラーの導きかなんかなんだろう…気にしちゃいけない。


 という訳で気を取り直して魔法の勉強をしようと思う、漸く【解読】のランクも上がったので、色々魔法を再習得出来るかもしれないし、スキルアップは大事だ。ショートソードをメインにして戦っているとはいえ、魔法はやはり単純に強い、付与魔法とかも初めて使った時はその威力上昇に驚いたものだ、単純に武器に属性が宿るだけじゃなくて、僅かながらに攻撃力も上昇するから何もしないで攻撃するより遥かに便利なのだ。


 とは言え相手が属性に抵抗を持っていたら折角の攻撃力上昇も無意味になるから事前に情報収集は必須になるけどね。


 とりあえずパラパラと魔法書を捲る。初めは火魔法から読んでみる事にしよう―


―必要【解読】ランク到達 【魔】到達

―【爆裂】【炎弾】取得!!


 早速覚えてしまった。【炎弾】は【火球】より小さな火の弾丸を対象に叩きつける魔法みたいだ、威力は火魔法の中では低い方だけど消費MPがかなり低いから火魔法メインの人は扱いやすい魔法かもしれない。コスパが良いのは有り難いしね。もう一つの魔法【爆裂】は範囲内の【運】の数値まで複数の対象に小規模爆発を与える魔法らしい。爆発って…小規模でも怖いし、これ確率で【大火傷】って言う状態異常にさせる追加効果まである。その分消費MPが【火球】よりも多いし、威力は据え置きだけど僕の運があれば5体まで爆発に巻き込めると考えればもしもの時に使えるかもしれない。


「火魔法は攻撃手段が多いんだなぁ…補助とかもあるみたいだけど、基本は焼き尽くしてどうにかするって感じか」 


 何というかメイジに言っちゃあダメなんだろうけど、脳筋感バリバリな魔法属性だなと思う。風は逆に攻撃魔法が据え置きで、補助や阻害に特化しているから、他の属性も覚えられたら色々調べてみたいな。もしくは魔法を覚えている人に教えてもらうのもいいかもしれない。まさかいきなり聞く訳にも行かないから知り合いになって仲良くなって、相手がOKしてくれたら……すげぇ僕にはきついミッションだな。


 この後も風に治癒を読んでみたけどスキルも新しい魔法も覚えなかった。適性を満たしていても覚えない時は覚えないらしいので、また次に読んで覚えるか試してみよう。戦闘でステータスが上がったらその都度見てみるのも良いかもしれない。


「さて…と、少し一休みしてから運動しようかな」


 日々基礎鍛錬は欠かしていない、これらの運動は一日休めば数日無駄になってしまうと何かで読んだことがある。だからこそ毎日最低限の運動はこなしているのだ。まだまだ腕立ても100回行ければ良いほうだが、それでもそこまでこなせるようになって来たのが嬉しい、少しずつでも体力は付いているんだなと自覚出来るからだ。


 ぶよぶよだったメタボディはかなり引き締まり、今まで履いていたズボンはもうぶかぶかで新しい服を買い揃えている、あれほど出ていた腹はもうすっかり下が見下ろせるほど引っ込んでいた、まだ腹筋が割れてるとかにはなってないけど、薄っすらと縦線っぽいのが見えてきた気がする。

 一日に腕立てなどを100回ほど目標にして背筋や腹筋にスクワット覚えている限りの運動は全部行い、朝は町内を1周するようにしている。あちこち痛くなってくるけど、これが筋肉になると思えば苦にはならない。戦闘中に力が足りなくてなんて考えたくないし、全力でこなしている。


「たった二ヶ月じゃ、そこまで変わらないよな、痩せては来たけどまだまだだ」


 筋肉ムキムキになりたいとは思わないけど、戦闘中走り回っても疲れない程度には体力を付けたい。僕の使う【速剣術】はスピードが命の剣技だ、技を使う事を考えれば縦横無尽に走り回らなくてはならないから、体力を付けるのは急務になる。1回戦ってる間にバテてたら意味が無い、というかやってられない。こればかりは【体】が上がっても身には付かないので基礎鍛錬はとても大事な日課だ。


「よし、始めるか!! 目標全部100回!!」


 まずは簡単な腹筋から頑張ろう―







…………




 


 腹筋背筋スクワットなどを各種100回終わらせて、今は最後の腕立て伏せをこなしている最中だ。初めの内は調子よくやれていたけど、50回を超えた辺りから腕がぷるぷると震え初めてきた。


「67…68…69……70……」


 腕立て伏せは正直あまり得意じゃない。両脇を閉じて腕の力だけで身体を倒し起き上がる…これを勢いをつけてやるんじゃなくて1回1回ゆっくりとやっていく。身体を倒す時は顎を地面につける位ギリギリまで倒しそこから徐々に腕の力だけで起き上がる。単純に腕の力と勢いだけで何十回もやるより良い鍛錬になるのだ、その分かなり辛いし初めは20回も出来なかった、今は何とかコツを掴み日々の鍛錬のお陰もあって最大で100回までいけるようになった。まぁ、大体は70~100回でふらふらしてるけど。


「88……8……も、だめだ」


 今日は88回が限界だった、その場に突っ伏して腕の疲労を回復させる。


「88回かぁ、100回を安定して出来るようになりたいな、【力】が上がってるから頑張ればきっと出来るんだし」


 毎日頑張ればきっと出来る様になるはず、最近は特に身体を鍛えたり勉強して物を覚えるのが楽しくなってきた、勉強も運動も辛いものだと考えていたあの頃とは大違いだな………人間、極限の生活をしたらこんな風にかわれるのかもしれない。その前に死ぬかもしれないってのはあるけど…


 ある程度腕も回復してきたので両手をぐるんと回していると腹の虫がなり始めた、気がつけばもう夕方を過ぎていた、鍛錬や勉強に集中しているとどうにも時間が過ぎていくのを忘れてしまう。


「…お腹空いてきたな、丁度いいし汗を流したら食べに行こう」


 行きつけの大衆食堂に向かうことにした。あそこは安くて量が多くてそして美味しいのだ、そこのウェイトレス…自称看板娘のナナさんにも「食べに来いよ? じゃんじゃんばりばりお金を落としていけ」とか言われてたりするので、時間がある時は利用しないとな。


 運動した後の美味しい料理は楽しみだ、ハウンド肉の料理を頼む事にしよう。





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