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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
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SP-01 【お姉ちゃんは心配性 戦闘講座その1っぽいもの】 Ⅰ

SP=ショートパート。 本編とは関係あったりなかったりするサブパートです。

頭を空っぽにしてお楽しみ下さい。 


「よーし、仲間になったからにはてってーてきに扱いてやるお。それでなくても危なっかしいからねっ!」


 ティルさんがそう言いながら色々な本やらなにやらをテーブルの上にどさどさ置いていく、今日は僕が戦闘をする上で必要な事を叩き込む予定らしい。ちなみここは長屋の僕の部屋だ。家賃は月に3万5000R、多分安いと思う。一人暮らしをした事がないからこの辺さっぱりなので、必要な最低限の常識も覚えていかないといけないな。


 アルスさんとアリーさんは二人で依頼を終わらせに行っている。帰ってくるのは夕方になるらしく、ティルさんはその間暇なので僕の授業をすると言い出した訳だ。僕みたいな我流で我武者羅にやってきただけではわからない知識等を教えてもらえるのだから、頑張って覚えなくては。

 この世界でレベル15というのは【中級冒険者】と言われているらしく、かなりの戦闘経験をこの人達は持っている。正確には【レベル12】から中級冒険者と呼ばれるらしく、上は19レベルまでとこの時期が一番長くて、冒険者の6割前後がこのレベル帯らしい。ティルさん達のレベルは中級冒険者の中でもまだまだ中堅と言っていた、上はどれほど凄いんだろうか…少し怖い。


 

「さーてヤスオ、君も攻撃魔法を使うから分かると思うけど、ボク達メイジは基本後列だって事を忘れちゃだめだお?」


「はいっ」


「うむ良い返事だっ! ヤスオはその…なんだっけ? 異世界人とかの所為か武器も魔法も気にせず使ってたらしいけど、魔法の方が得意でしょ?」


 得意と言うか、メイン武器だったショートソードが折れてしまったので自作で作った槍と魔法で攻めるしかなかった事を伝えていく。でも確かにステータス的には魔法寄りになっているし、魔法の練習も沢山してきたから得意になって来たと言えばそうかもしれない。


「剣が折れるまでは剣だけで頑張ってきました、魔法はその時は生活魔法だけだったんで。剣が折れた後に火魔法と風魔法を覚えられたので、そこからは魔法を中心に戦ってたんです。槍も一応は使うんですが防具も何も無かった頃なんで攻撃を受けたらHPが直ぐ減ってましたから」


「成程ね。それはヤスオが前衛関連のスキルを持ってなかった所為だね。前衛で立って戦う子はね【頑強】や【物理耐性】に【HP上昇】っていうスキルを覚えやすいんだお、特に【HP上昇】は一気にHPを高められるからタフさがぐぐーんと上がるしね」


 ティルさんの講義に寄ると【頑強】と【物理耐性】この2つを最下級でも良いから身に付ける事が出来たらウサギやハウンドの攻撃で大ダメージを受ける事が無くなるらしい。【HP上昇】は今僕が覚えてる【MP上昇】の別バージョンだろう。これらを覚えられたら防具や防御魔法があればあの二体ならかなり安定して戦えそうだ。覚えられたらだが…


「これらはね、ファイターや前衛で戦うタイプにアコライトなら覚えやすいんだけどね、ボクみたいなメイジやアーチャー、支援タイプアコライトだとこれまた笑える位覚えないお。ボク自身【HP上昇】も【頑強】も無いからね。」


「各種クラスに寄って覚えにくいって奴ですね?」


「そのたうり! でもこれが【絶対に覚えない】って訳じゃないのがキモだお。ヤスオも前衛で戦い続ければ覚えるかもしれないね。でも君はまだまだ基礎が出来てないんだからあまり無理はしない事、今の状態でハウンド4体とかに襲われたら人生詰むんだからねっ!?」


 すみませんティルさん、既にハウンド4体には襲われてます。


「と、所でティルさんはメイジですよね? どんな魔法が使えるんですか? 自分は持ってた本が火と風なんでそれを覚えてます。」


「うん、じゃあ次は魔法について教えていくお。」


 ティルさんが言うには魔法は次の属性に分類されるらしい。


―【火】【水】【風】【土】【光】【闇】【聖】【邪】【治癒】【時空】


 メイジが覚える事が出来るのはこの内、【治癒】と【時空】を除いた8属性になる。アコライトは【治癒】【時空】を覚えられて、一部の【聖】と【邪】魔法を覚えられるそうだ。この辺はややこしいらしく詳しい話は次の機会に教えて貰う事になった。


「メイジは8属性を覚えられるけど、これにも相性はあるからね、まんま全部覚えられる訳でもないんだお。更には相性が良い魔法の中でも、限界があったりとかね。ボクは火力特化メイジで【火魔法:上級・下位】【闇魔法:上級・下位】【土魔法:中級】んで追加で【風魔法:下級】【光魔法:最下級】【水属性:最下級】って所かな。」


 魔法のランクは【最下級】【下級】【中級】【上級・下位】【上級・上位】【最上級】と続いている、これらは魔法書を読む時に【知】のステータスが一定に達していれば覚えられるらしい。この時相性が悪ければ、ステータスを満たしていても次のランクにならなかったり、覚えても一部だったりするそうだ。


 僕が覚えている下級魔法もまだ幾つか覚えていない魔法が存在するらしいので、【解読】やステータスを高めるのが急務になる。


「【最下級】は主に生活魔法だから、相性さえ良ければ誰でも覚えられるお。次に【下級】は【知】が4~8あれば覚えられるね。次に【中級】ヤスオはまずこれを目指そう。これになる為には【知】が15必要だお。中級魔法を覚えてからがメイジは本番。一気に火力が上がるからとても頼りにされるのですお。そしてここから一気に上がって【上級・下位】ね」


「上級って下位と上位ってあるんですか? 普通に最上級になるとばかり」


「あー…これね、一応クラスチェンジするまえに魔法使い系が覚えられる最大ランクが【上級・下位】なんだお。勿論クラスによってはこれがラストにもなるね」


 【上級・下位】は【知】が25に上がれば習得可能らしいが、ここまで来ると複数の属性を覚えていても到達できるかは個人の資質に寄るらしい、ここは流石に鍛錬や勉強ではどうにもならないらしく、ティルさんも頑張ってはいるが覚えられない魔法の方が多いそうだ。


「さてて、軽く説明したけど魔法で聞きたい事はあるかね?」


「えーと、合体魔法ってあるんでしょうか? こう、属性と属性を合わせて別の魔法とか…」


 合体魔法は浪漫だろう。ゲームなどにも様々な合体魔法が存在している。この世界にも合体魔法があるなら本気で狙ってみたいかもしれない。


「おや? 異世界にも合体魔法って知られてるのかねぇ。うん、ちゃんとあるお。上位レベルのウィザードやソーサラーが覚えられるかな。魔法と魔法を重ねるんじゃなくて、各種属性が合体した魔導書を読んで覚えるんだお。ただ、かなりきつい制限があってね、上位陣でも覚えてる人は極少数かな。」


 合体魔法を覚える為の最低条件として【知】40も必要になるらしい。装備に装着する魔石に寄るブーストでは条件を満たせなくて、自分にセットするカードがギリギリ許容されるらしいけど、40ってのはかなりきついのがわかる。上級・上位を覚えるために必要な【知】が装備やカードを含めて35あればいいと言うのだから、大変なのがよく分かる。


「という訳でね、基本的に合体魔法はロマンみたいなもんだお~」


「普通に魔法も強いみたいですし、確かにそうですね。昔の僕なら喜んでたかもなぁ…今は正直、そんなごちゃごちゃしてる暇無いですし、戦闘ってかなり精神削れるから魔法も大変です」


「そーなんだよねー、だからボク等魔法使いは基本後衛なの。魔法に集中してる時に攻撃されてみ? ヘタすると暴発だお。回復魔法とかならいざしらず火魔法ミスったらもれなく火達磨の誕生です、本当にありがとうございました。【火球】とか【爆裂】とか下級でも火魔法って強いからなぁ…」


 やっぱ火魔法は強いけどそういう弊害があるんだな、それに暴発は怖い…戦闘中にそんな事になったら笑い話にもならないし。


「だからヤスオも気をつけることっ! ソロの魔法使いってのは苦行なんだからね? ヤスオは前衛も出来るからわかんないだろうけど苦労が多いんだから! パーティ組む前に再起不能とかになったらボクが折檻だっ!」


 そんな事になったら怒られる前に皆を困らせてしまうのはわかりきってるので無理しない様に頑張ろうと思います。特にティルさんは保護欲が強いみたいで僕なんかでも問題無く守ろうとしてくれるから、恥ずかしいけどついつい頼ってしまう事がある。このままじゃダメ人間まっしぐらなので自制心をつけなくては。


 さて…一度休憩して次の授業だ、次は魔法使いに必須なスキルかぁ…楽しみだな。




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