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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【序章】 異世界で死と背中合わせのサバイバル
26/216

08-02 【世界への適応】 Ⅱ

短めです。

進んでは転んで、休んで戻って、また前に進む…

人生ってそんな感じかもしれませんね。私は転んで戻って転んで戻りますが(何

―【ヤスオの隠れ家】夜



 MPを連続で使い過ぎた所為か、自分の不注意かもしくは両方か。ハウンドと戦っている途中でまさか足を滑らせて転ぶとは思ってもみなかった。防御魔法が後1歩でも遅かったらと思うと背筋が寒くなる。何せ体当たりで吹き飛ばされた上に追撃で足を噛まれたのだ。


 魔法で威力を防げていなかったら白骨死体の人の二の舞いになる所だった。油断はしていなかった…けど実際転んでしまったのだから言い訳のしようもない。誰に言い訳する訳でもないけど。


 多少MPを回復はさせていたので、激痛を無理やり抑えこんで【風縛】を使いハウンドを止めて【火炎】を連続で唱えて焼き殺した。あれほどダメージを受けても耐え切れたのはハウンドカードのお陰だ。何せHPを見てみたら残り4しか無かったし…本気で死ぬ寸前だった。よくもまぁ激痛を我慢して戦えた上に恐怖で漏らさなかったものだと思う…


 万が一を考えて保存しておこうと考えていたポーションだけど、あっという間に使ってしまった。飲水用の入れ物が2個になったと思って妥協しておこう。


 足の怪我はポーションのお陰でほとんど塞がっている、歩く度に鈍い痛みがあるけど回復魔法を唱え続けておけば今までの経験から数日で回復出来る。結構血が流れたのもあって軽い貧血気味なので今もかなりフラフラする。


(はぁ…スムーズに敵を倒せてたから、無意識に調子に乗ってたのかもしれないな…今まではどれだけ疲れてても転んだ事なんて無かったのに…やっぱり僕は肝心な所でヘマしちゃうんだな。)


 学生時代もここぞと言う所で何度も何度もミスをしたものだ。

 調子に乗っている時に限っていつもそうなる。気分がハイテンションになって注意が逸れてしまうのは僕の悪い癖だ。今回の事を反省して次に活かさないといけない。今回は偶々運が良かっただけ。ハウンドカードとポーション、どちらが足りなくても今自分はここに居ないのだから。


「何にせよ…2~3日はまた様子をみないと。魚集めておいて良かった、水も大事に飲めば瓶は2つあるから2~4日は持つか。」


 洞窟の奥に焚き火の熱も当たらないようにした場所に氷室っぽいものを作ってみた。下に皮を引いて出来るだけ汚れないようにして、魔法で作った氷を複数個重ね、【魔】時間…今なら7時間は持つ【弱風】で周囲を冷やし溶けにくくさせてみた自然の冷蔵庫っぽいものだ。


 必死に考えて何とかここまで作る事が出来た。氷は数時間毎に確認して、溶けてきてたら【製氷】で再び氷化させている。暇があればせっせと氷を作って此処に追加していたお陰で、結構物を冷やせる場所になった。そこに魚を入れた水を凍らせてブロック状にして幾つか保存してある。ハウンド肉もここに皮に包んで置いているのでいつも新鮮だ。


 と言うかハウンド肉は腐るのだろうか? 皮が腐らない所を見ると…いやもったいないからすぐに食べます。 


「この洞窟結構広いからなぁ。狭かったらこうまで上手く行かなかったな。」


 入り口から1メートル程度で普段僕が暮らしている結構な広さの部屋に繋がる…大体畳3~5畳程度の広さはあるんじゃないだろうか? 正確に調べたことは無いから分からないけど。そしてその奥…微妙になだらかな坂っぽい感じで多少狭い場所があり、そこを倉庫兼冷蔵庫にしている。


「いつつっ……足が突っ張る感じがするな。今日は身体を休めないと…【軽癒】は使えるようになったら出来る限り、だな。疲労が来るけど、MPも結構増えてきたし3回程度使って休めて…ならそこまで疲れない。」


 大怪我こそ負ったけど【魔】も【運】も上がってくれた。やはり魔法をメインで使うと【魔】や【精】が上がりやすいのかも知れない。


 でも、戦闘以外じゃステータスはやはり上がらないみたいだ。【軽癒】や他の魔法は結構使ってるのに、それによっての成長は未だに無い。スキルなら【解読】とかの様に何か関係する行動を取る事で上がったりするが…いや普通に考えて当たり前かもしれないな。生活してるだけでステータスとか上がったら誰も苦労なんてしてないし、それで上がるならメモ帳の人もモンスターを倒してレベルを上げるなんて書いてない。


「つっ……やばいフラフラする。血が足りないせいかな…肉を食べれば良くなるかもしれない…ちょっと食欲は出ないけど、無理やり食べて夜を過ごそう。」


 食べなきゃ力が出ない。沢山食べて力とスタミナをつけて回復魔法で治していくのが早く復帰する一番の方法だ。ゆっくりでいい、ゆっくりと体を休めて次に備えよう。次は焦らず油断しないように、頭で考えるだけじゃなくて実際に頑張らなくちゃな…


「ふぅ…まだまだだな、僕は。」


 情けなく笑いながら僕はぽつりと呟く。少しは成長したかなと思ったけれどたった数ヶ月程度じゃメッキを張った程度だな、立派な大人って言うのはやはり僕のようなヒキオタニートにはまだまだ難しいのかもしれない。人の何倍も何倍も頑張って漸く人並みになれるのが僕なんだろう。


 だからこそ―もっと頑張ろう、そう思う。

 今まで僕は自分の都合だけで惰性で生きて来た。あのまま両親が亡くなってしまったら、何も出来ずに野垂れ死んでいる…そう確信を持って言えるほどのダメ人間だったのだ。この世界に来てそんなんじゃ今すぐにでも死ぬと言う場所に来たからこそ今の僕がある。


 もっと頑張れると思える様になった。

 何も出来なかった僕がこの世界…この森に飛ばされて、全然頼りないけどここまで成長出来たし、一人でもギリギリ生活できるようになって、モンスターも倒せるようになり、今未来についてちゃんと考えられているのだから。


「目指せ人並み! 目指せ一人前! なんか情けないけど頑張るか!! っていてて…うん、叫び過ぎは良くないな。」


 さて、人並みを目指す為に本でも読んでおこう。夜はまだまだ長い…





―08話終了…09に続く



―リザルト

new【速】+1

new【知】+1

new【魔】+1

new【精】+1

new【器】+1

new【体】+1

new【運】+1

―ステータス報告

【田中康夫】【人間:異世界人】【年齢:20】【Lv:--】

【HP】32 【(力+体)×2】

【MP】21 【知+魔+精】

【攻撃力】5+5=10 【攻撃ランク:E+】

【防御力】5+0=5 【防御ランク:G】

【力】05+00【速】07+01【知】07+00【魔】07+00

【精】07+00【器】08+00【体】06+00【運】04+00

■所持スキル

【カードスロット:4】【サバイバル:下級】【鑑定:下級】

【解読:下級】【火魔法:下級】【水魔法:最下級】【風魔法:下級】

【土魔法:最下級】【光魔法:最下級】【治癒魔法:最下級】

【剣修練:最下級】【速剣術:最下級】

■装備

【粗悪な】【ファングスピア】※3代目

【攻撃力:5】【攻撃ランク:E+】【耐久:06/09】


【ショートソード】※現在破損

【攻撃力:7】【攻撃ランク:D+】【耐久:00/40】

■セットカード

【ファングラビットカード】:【速】+1 重複不可

【ハウンドカード】:【HP+10】重複可能

■攻撃技

【先手】【蓮華】

■魔法

【灯火】【浄化】【製氷】【弱風】【消臭】

【芳香】【活性】【修繕】【明光】【軽癒】

【火炎】【火球】

【風刃】【風壁】【風縛】

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