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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【序章】 異世界で死と背中合わせのサバイバル
25/216

08-01 【世界への適応】 Ⅰ 

一応添削はしていますが、どうにも誤字が多いのが難点です。

皆さんにはご不便をおかげしますが、出来ればなぁなぁな気持ちで見てあげて下さい。


このお話は10割がた【勢い】だけで作られたお話です。矛盾や変な場所が多いかもしれませんが、生暖かい目で見てあげて下さい。


―数日後



「【風壁】!!」


―ハウンドの攻撃!!

―【割り込み】! ヤスオは【風壁】を唱えた!!

―ヤスオに小ダメージ!!


 飛び掛かって来たハウンドよりも早く防御魔法を展開する。

 風の壁が目の前に現れてハウンドの攻撃を緩和してくれたがそれでも勢いは止まらず、突っ込んで来たハウンドの体当たりをモロに受けてしまった。

 だが、魔法によって防がれた一撃はそこまで早くも重くはなく、咄嗟に両手を腹の部分で構える事で腹部へのダメージをかなり軽減出来た。これならまだまだ問題ない、痛みを堪えながら直ぐに手のひらをハウンドの前に突きだし、魔法の言葉を紡ぐ。


「そのまま動くな!! 【風縛】!!」


―ヤスオは【風縛】を唱えた!!


「ギャインッ!? ガッ!? ガルルルルル!!」


―ハウンドを【捕縛】した!

―ハウンドはその場から動けない!!


 【風縛】の魔法の効果でハウンドの身体と四肢を視認出来るレベルの風の渦が鎖の様にハウンドを縛り付けていく。この魔法が効けば20秒~1分弱はモンスターの動きを完全に止める事が出来る。

 体感8~9割は成功してくれる頼りになる魔法だ。しかし相手の力や体力がとても高ければ無効化される事があるらしい。ハウンドクラスなら問題無く捕縛出来るみたいだが。


 動けなくなった今がチャンス。槍や【風刃】で攻撃してもハウンドを倒すには火力が低い。ならば残っている手段は【火炎】を使う事だ。幸いこの場所はある程度開けているし周囲に燃えそうな物はとりあえずない。

 使うならまさにこのタイミングしか無いだろう。ハウンドに対しては1秒のミスが生死を分ける。目の前で藻掻いているハウンドの鼻面に右手を突き付け全力で魔法を唱える!


「燃えやがれ!! 【火炎】!!」


―ヤスオは【火炎】を唱えた!!

―ハウンドに致命的なダメージ!!


「!!!!!!!!!!!!!!!」


 指先から放射された火炎がハウンドの顔面から全体を包み焼き焦がす。捕縛され身動きが取れないハウンドは火炎の勢いに叫ぶ事も、身動きする事も出来ずにその場でガクガクと震えている。生物が焼ける嫌な匂いが鼻を突き思わず顔を顰めそうになったが、我慢して槍を逆手で持ち振り上げた。


 後はハウンドの額…多分眉間部分目掛けて全力で槍を振り下ろすだけ―!!


「し…ねえええええええええっ!」


―ヤスオの攻撃!!

―クリティカルヒット!! ハウンドに大ダメージ!!

―ハウンドを倒した!!


 槍がハウンドの頭部に鈍い音を立てながら突き刺さる。相変わらず慣れない感触だけどそのまま貫通させる勢いで穂先を押し込んでいく。最後の抵抗とばかりにハウンドが動こうとしたけど、風の渦は一切の身動きを封じているので結局力弱く頭部を揺らしただけだった。


 ハウンドを焼く火が槍を少し焦がすけれど、燃えて折れる事も無いし僕に熱を伝える事も無い。ビクビクと痙攣していたハウンドがその場に座り込むように倒れこんだのを確認し槍を引き抜く。それと同時に炎と共にハウンドが消えていった。


「どうだ…見たかこの野郎…! 僕の勝利だ!」


 槍を持った右手を高らかに上げる。強敵を倒せたのだ、偶には格好つけても良いだろう。


―戦闘終了!!

―ヤスオの【知】が1上がった!

―ヤスオの【精】が1上がった!

―ヤスオの【器】が1上がった!

―ハウンドの肉2個獲得!

―ハウンドの毛皮1個獲得!

―ハウンドカード1個獲得!

―薬(未鑑定)1個獲得!


「よし! これでハウンドを2体撃破!! まさかの鉢合わせで逃げられなかったけど何とか倒せたよ、風魔法様さ…ポーションとカード!?」


 ハウンドが居た場所にはいつもの様にドロップが落ちていた。毛皮はともかく肉は有難い。それよりも嬉しい薬瓶と久しぶりに見るカードが落ちていたのですかさず拾って【鑑定】を行ってみると―


―【鑑定成功】!!

―ポーション(良品)

―ハウンドカード レア:??? 効果:【HP+10】累積可能


 その余りの効果に目を疑った。【ハウンドカード】HPが10もアップするとんでもカードだったのだ。今の僕のHPは【20】…つまりこれをセットするだけで今までのHPの1,5倍にまで跳ね上がる。これは凄く助かる効果だ…! 直ぐにカードをセットしていく。

 頭の中でセットしたいと念じると前のウサギのカードの様にゆっくりと消えていき、全て消えた頃には僕のステータスのHPが上がっているのを確認できた。


 それにもう1本目のポーション。万が一の為に使ってもいいし、使いきった瓶は2本目の水飲み瓶としても使える。ハウンドの肉塊もこれで4個も集まったし今日の狩りはとても順調だ、その分後が怖いから用心しなければ…



 新しく風魔法を覚えてから数日、ウサギや小動物などをメインにして練習をしていた。【風刃】は逃げようとする小動物にとても有効だったし、ウサギも2~3発で倒す事が出来た。【風壁】の魔法のお陰でハウンドはともかくウサギ程度の攻撃なら余程こっちがミスしない限りはあまりダメージを受けなくなったのだ。あれほど辛かったウサギとの戦いがここまで楽になるとは流石に思っていなかった。


 そしてなによりも【風縛】…この魔法がとても強い。消費MPが4とあまり乱発は出来ないけどウサギならほぼ確実に、ハウンドでもさっきの様に高確率で動きを止められる。動きを止められると言う事は、此方が一方的に攻撃出来ると言う事な訳で槍を使って止めを刺したりや、魔法で攻撃したりなど落ち着いて対処出来るのだ。


(それにしても、今日は結構進めたな。もう少し探索するのも良いけど、暗くなる前には切り上げないと。)


 この辺りは昨日から探索を広げた部分だ。周囲の木々が結構まばらになっていて、【火炎】程度なら安定して使える程の広さがある。川を起点にして歩いているので道に迷う事は無かった、ついでにいつでも水が飲めるのが利点でもある。 

 ポーション瓶は家に置いてきてるので何時も通り皮を使って水を飲んでいるけど。流石に割れ物を持ってくるのは怖い、あれしか…今日手に入って2個目だけど、それしかない大事な水入れを壊す訳にはいかない。


(でもめぼしい物はあまり見つからないなぁ、洞窟とか宝箱っぽいものも無かったし。)


 狩りと一緒に探索も兼ねてはいるが、出口はまだ見つからないし使えそうな物も特に無かった。強いて言えば槍に使えそうな木がこの辺には沢山生えている事位だろうか。この木に関しても今までは無理やり折ってナイフなどで修正していたけど、【風刃】のお陰で綺麗に切れるようになったので、更に槍が作りやすくなっている。耐久度も10~11程度にまで上がったので槍もそこそこ使える様になった。


(風魔法か…今の僕にはとても有難い魔法だ。【風刃】以外連発出来ない以外は、デメリットもないしね。)


 何も出来なくて泣いてた頃から考えればかなりの成長だと思う。この数日でウサギは安定して倒せるようになった、ハウンドも上手く立ち回ればさっきのように勝つ事が出来る。


 森の外に出る…諦めずに頑張ればきっと出来るはずだ。ダメ人間だった僕がここまで来れたのだ。生活も夜が明けるまで仮眠も取れない以外は食料も水もある、寒さを耐え凌ぐ為の毛皮も焚き火もある。全部一人でやり遂げられたのだ。後は油断しない様に、死なない様に日々を生きていくだけ。


(父さん…母さん。今の僕は、二人に褒めてもらえる位にはなれたかな…?)


 この程度のなんちゃってサバイバル程度じゃ笑われてしまうかな。魔法みたいなチートで生き抜いてるんだから、地球で言えば準備万端で無人島についたみたいな物かもしれないな。あっちにだって熊とか毒蛇とかはいるんだから、こっちと大して変わらな…いや魔法があったり宝箱が出てきたり、こっちの方が数倍楽かもしれない。


「何にせよ…まだまだって所か。サバイバル経験だけじゃ社会は生きていけないっての。」


 自分で考えて自分で突っ込みつつ、更に奥の方に足を踏み入れていった―











―ヤスオ探索中…………

―ファングラビットを合計5体倒した!

―ハウンドを倒した!

―大ダメージを受けた為、ポーションで回復した

―体力が尽きた為帰宅した。

―2日間の休養が必要になった。


■バトルリザルト


―【粗悪な】ファングスピアが壊れた

―空のポーション瓶1個獲得、水を入れたポーション瓶に変わった。


―ファングラビットの長牙を5個獲得!

―ファングラビットの毛皮を5個獲得!

―ハウンドの毛皮を1個獲得!

―ハウンドの肉を2個獲得!

―ヤスオの【速】が1上がった!

―ヤスオの【魔】が1上がった!

―ヤスオの【体】が1上がった!

―ヤスオの【運】が1上がった!


―【運】が規定値に満たした為、???の端を探索可能

―【魔】が規定値を満たしていない為、???の脱出不可能。




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