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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【序章】 異世界で死と背中合わせのサバイバル
22/216

06-02 【自らの意思で戦え】 Ⅱ

沢山のご指摘や閲覧、評価など有難うございます。

評価を入れてもらえるのはとても嬉しいです。

楽しんでもらえるように日々精進して書き進めていきますね。


―2週間後 【森の中】


 あれから魔法と槍の練習をしつつ日々があっという間に過ぎていった。

気がつけば森生活も2ヶ月目を突破しているのだから、人間慣れって凄いんだなぁと思う。こんなダメ人間でも究極のサバイバル生活の中で生きていけるんだな…いや、これが地球で同じ目に合ってたら多分僕なら死んでるだろうな。 

 魔法も武器もなくて無人島に一人…モンスターは居ないとしても多分数日で詰んでる自信がある。


 さて、魔法の成果だけどかなり上達出来たと思う。【火球】はまだまだ練習回数がたりないけど【火炎】はかなり安定して使えるようになった。操作や加減も大体マスター出来たので、これを使っても早々火事になることは無いと思う。

 後何気に草木ってそんなあっさり燃えないんだなと…乾燥してるならともかく雨が降っての数日なら少々程度なら燃え広がらない。


 所でモンスター…ウサギとハウンドの毛皮だけど少し思い出した事があって焦っていた。鞣していない皮は数日置かない内に固くなったり腐ったりするのを思い出したのだ…けれども、モンスター素材だからなのか何なのかよくわからないけど未だに何も腐っていない。どうしてなのかは分からないが、腐らないなら腐らないでいいかなーと安心してたりする。


「槍の準備は3本用意した、魔法も行ける…今日からモンスター退治の再開だ…! 頑張ってステータスをあげないとな。」


 この2週間で更に引き締まってきた身体、毎日の腕立てや腹筋、背筋、スクワットに加えての槍の鍛錬やMPを使う魔法の鍛錬での精神の集中、そして暴飲暴食が自動的に出来なくなったことで、かなり痩せてきた。

 未だ平均体重には遠いと思うけど、かなりズボンが緩くなってきている。ベルトに変わり蔦を使って無理やり止めている位だ。どこかのダイエット会社並のビフォーアフターかもしれない。そんなどうでもいい事はともかく、お陰で体調も体力も万全な状態でモンスター…ウサギを倒しに来ているのだ。ハウンドは出来れば避けて行きたいけど、最悪は魔法で対処する事も視野に入れている。


「結局槍はスキルも技も覚えなかったけど、今の僕なら冷静さを保っていれば勝てると思う。焦らずに確実に当てていかないと。」


 少しずつだが自分は変わってきたと思う。まだまだ心は弱いと思うが、それでも現状をどうにかしようと考える事が出来るようになって来た。それが少しだけくすぐったくて、そしてほんの少しだけ誇らしかった。後は結果を出すだけだ…今日も一日頑張ってウサギを倒していこう。


 手に持った槍をぎゅっと握りしめ感触を確かめる。僕は少しずつだけど強くなっている、森を出た後の事はまだ考えていないけど、こんな所で一人で死ぬのは勘弁だ、森を抜けだそう…ステータスを高めて。





…………





 森の中を警戒して歩いて行く。今回は出来るだけ茂みの中を歩かずに普通に歩いていた…理由は簡単で、「奇襲無しでウサギを倒せるか」を実験しようと思っているからだ。この前まで奇襲しても殺されかけたのに、ショートソードすら持ってないのに馬鹿なんじゃないのかと自分でも思ったけど、正面から戦って勝つことが出来ればこれから先【ウサギには正面からでも勝てる】という自信を付けることが出来る。

 その自信があれば少なくとも今までの様に怯えながら戦う事が無くなって安定した戦えるようになると考えたのだ。勿論奇襲を辞める訳じゃないし、奇襲の方が楽に戦えるのは分かっている。


「でも……これからもずっと怯えてる訳には…いかないよな。」


 モンスターは怖い…それは今でも変わらない。でも此処から先に進むためのきっかけが欲しいんだ、そうすれば僕はまた1歩先に進めるような気がするから。


「…………っ! 居た…! 行くぞ…康夫。戦って勝つんだ―!!」


―ファングラビットが現れた!!


 茂みの中からあの特徴的な白い身体、口の先から普通のウサギならあり得ないほどの長さの牙が2本付いている、僕がウサギと呼んでいるモンスター。【ファングラビット】が飛び出してきた。槍を構えると此方に気づいたウサギは威嚇の唸り声を上げ始める―!


「グルルルルルル…」


「もう、その姿も声も慣れてきたんだよ…! 行くぞ!!」


 槍を構え僕は真っ直ぐに突撃した! 今までとは確実に違う速さのまま全力で頭部目掛けて槍を突き刺す―!


―ヤスオの攻撃!! ファングラビットに甚大なダメージ!!


「ギイイイイイイイイイイイッ!!」


 ウサギが僕の攻撃を避けようと跳び跳ねるが完全に逃げ切るより先に槍の穂先がモンスターの身体を貫く。肉を突き刺した時特有の感触と衝撃が柄を通して伝わってくる。

 そのまま押しこむように槍を振りきる…! ウサギは凄まじい力で抵抗し叫び声を上げながら槍から身体を離し着地した。刃先からは赤い血がポタリポタリと落ちていく、ウサギの方も胴体の部分が赤い血で滲んでいるのが見て取れる。


 頭の中のログを見る限り【甚大なダメージ】…かなりのダメージは与えているのだろう。数値までは流石に分からないが、目安があるとわかりやすいな。さぁ…次はウサギの番だ…!


―ファングラビットの攻撃!!

―ミス!! ヤスオは回避した!!


 ダメージが深い様でいつもの突進に比べてかなりスピードが落ちた攻撃を軽く避ける。あの程度の突進ならいつもイメージトレーニングしていたウサギの突進の方がまだまだ早い。イメージでは何度脇腹や心臓を突き刺された事か。


 素早く体勢を立て直し攻撃をミスして隙だらけになっているウサギ目掛けて再突進を掛けた! 


「おおおおおおおおおおおおっ!!」


―ヤスオの攻撃!! ファングラビットに甚大なダメージ!!

―ファングラビットを倒した!!

―ヤスオに経験値は入らない!

―ファングラビットの毛皮を1個獲得!

―ファングラビットの長牙を2個獲得!

―戦闘終了!


 槍の一撃は逃げ出そうとするウサギの背後を思い切り貫いた。ビクンビクンと痙攣しそのまま動かなくなるウサギ。やや暫くしていつもの様にドロップを残し消えていった。正面から戦って僕は勝てたのだ、ステータスは何も上がらなかったけど確実に自信は少しついた、それだけでも大きな実になる。


「よし…! 勝てた…勝てたぞ! 頑張れば今の僕でもウサギが倒せる! でもこれが毎回上手くいく訳じゃない、後はいつもの通りに戦おう。次は魔法をメインで戦っていかないとな。【火炎】がどこまでウサギに有効なのかも調べないと。」


 まだ実戦では試していない、モンスター退治を再開したのは今日だから当たり前なのだけど、その点に関して魔法はまだ不安が残る。燃えたまま襲ってくるんじゃないか、とか。魔法1回で倒せるのだろうか…とか、考えればキリがない。それでも今日は戦うと決めたのだ、最悪は槍と併用して戦う事を考えよう。


「行くか…! 今日はMPが枯渇する勢いで頑張らないとな…!」


 再びモンスター探索の為に歩を進めていった―





―ヤスオは夕方まで戦いを続けた!!

―【粗悪な】ファングスピアが壊れた!!

―合計4体のファングラビットを討伐した!!

―ヤスオに合計、甚大なダメージ!! 休養の為に数日間を要する。

―ファングラビットの毛皮を4個獲得!

―ファングラビットの長牙を6個獲得!

―ヤスオの【知】が2上がった。

―ヤスオの【魔】が1上がった。

―ヤスオの【精】が1上がった。




―06話終了…07に続く

―リザルト

new【知】+2

new【魔】+1

new【精】+1

―ステータス報告

【田中康夫】【人間:異世界人】【年齢:20】【Lv:--】

【HP】20 【(力+体)×2】

【MP】14 【知+魔+精】

【攻撃力】5+5=10 【攻撃ランク:E+】

【防御力】5+0=5 【防御ランク:G】

【力】05+00【速】06+01【知】06+00【魔】06+00

【精】06+00【器】07+00【体】05+00【運】03+00

■所持スキル

【カードスロット:4】【サバイバル:下級】【鑑定:下級】

【解読:下級】【火魔法:下級】【水魔法:最下級】

【風魔法:最下級】【土魔法:最下級】【治癒魔法:最下級】

【剣修練:最下級】【速剣術:最下級】

■装備

【粗悪な】【ファングスピア】※3代目

【攻撃力:5】【攻撃ランク:E+】【耐久:06/09】


【ショートソード】※現在破損

【攻撃力:7】【攻撃ランク:D+】【耐久:00/40】

■セットカード

【ファングラビットカード】:【速】+1 重複不可

■攻撃技

【先手】【蓮華】

■魔法

【灯火】【浄化】【弱風】【活性】【軽癒】

【火炎】【火球】

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