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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【2章】 ギルド結成とこれから
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46-03 【平和と安全の為に】 Ⅲ

投下ペースが遅くなります、どうかご容赦ください。




―再びダンジョン



「おーい! ヤスオっ! こっちに結構群生してるぞ!! こりゃ取り尽くすしか無いな!!」


「あんた少し落ち着けよ…」


 アルスさんが爆走しつつ山菜っぽいのがある場所に僕を呼び込んでいる。

 かなりのハイテンションに近くで山菜をとっていたミキがおもわず突っ込んでいた。


「んー……アルスさん、これ雑草と毒草ですね、食べれないやつです」


「な、なんだってえええええ!?」


 オーバーリアクションで驚くアルスさん。


「さっきのも毒キノコだったしなぁ、見分けがつかんなぁ…えーと、これか?」


 しゃがみこんで、というか地べたに寝そべって文字通り草木をかき分けて山菜を探していくアルスさん。せっかくの白い鎧が土とかで汚れていくのも気にしないで山菜を探す様は見習うべき所でもある。


「あんたは何一人で突っ走ってるんだお。ミキも言ってたけど少し落ち着きなさい」


 ティルさんが呆れたように言いながらアルスさんの頭をペシリと叩く。

 

「何言ってる、俺は超落ち着いてるぞ? 観てくれこの俺の超落ち着きよう、今なら俺空も飛べるようなきがするんだ。【フライト】のスキルが無くても俺きっと飛べる」


「一人で飛んでなさい、このお馬鹿」


 何故か急に怪しげな踊りを始めるアルスさん。

 なんだろういつも凛々しいアルスさんなんだが、今日はいやにハイテンションだなぁ…山菜好きって訳じゃなさそうだが。


「ははは、まぁ気持ちはわからなくもないけどね」


「ウォレスさん?」


「ん、なんでもないよ(多分普通の依頼をヤスオ君と一緒に来てるのが嬉しいんだろうね。さすがに舞い上がり過ぎだけど…とは言えある程度尊敬度下がったほうが彼の望む状態になるかな?)」


「てか、おっさんども。それよりもさ、山菜集めで一人50万って出し過ぎじゃない? 私はもらえるから良いけどさ?」


 ミキにしては珍しく殊勝な事を…と思ったが最後で色々台無しだ。

 とは言え彼女の考えも分からないではない、確かにダンジョンとは言えモンスター退治でもないただの山菜集めて一人50万Rも貰って良いものかとはは思う。50万…まんま日本円換算で50万円位だ、それでこれだけお金貰えるのは流石に悪い気がしてしまう。


「いやいや、適正…よりは少し安いほどだよ。私達も中級になったとはいえ、まだまだ若輩。熊などはまだ大変だからね、そんな場所の探索だ、値が張るのは当然さ」


 お兄さんのウォルクさんが依頼の相場について色々話し始めた。


「町や村の外を出れば、一歩間違えたらモンスターに殺されてしまう世の中、外に出て作業するだけでもそれは一般人にしてみれば凄い事なんだ、故にそれが出来る冒険者は一般人には出来ない事を仕事としてお金を貰う」


「……ん……」


「よく依頼報酬が高いと言われる事があるが、そうしなければ冒険者も生きていけないのさ。武器や防具、アイテムなどどれもこれも高いだろう?」


「…そうですね、僕が働いている武器屋でも高いのは数千万Rとかしてます」


 今メインで使っているミスリルスピアや黒鉄のショートソードも数百万レベルの代物だ、防具なんてスロットがついていれば値段は3倍~6倍にもなる、一千万所か億なんて余裕で存在するものばかりだ。


「基本的にこういうものを作るための素材は冒険者が命がけで見つけてくるもんが多いからな、その分値段も跳ね上がるもんなんだ。つまり命の値段って所だな」


 山菜?とにらめっこしながらアルスさんが言う。


「なんでこんなに値段が高くなるかってのは…国とかそう言う大きな所が関係している。だから簡単なもんじゃないけどね」


「国…ですか」


 歴史とかの話になってくるんだろうな、何だかんだと冒険者と一般人の間に深い確執みたいな物があるのは僕でもなんとなく分かる。その他にも資産運営の問題とか色々あるんだろう…多分。


「武器屋アイテムなどは普通に生きている限りでは必要の無いものさ、でもそれは安定して暮らせる一般人の感覚であり、僕等には必需品だ」


 ウォレスさんの言葉にウォルクさんが続ける。


「ポーション一瓶が数万、高いと数百万、数千万する所に5万10万では流石に依頼を受けるなんて出来ないだろう?」


「た…確かに…ハイポーション使うような場所の依頼を10万とかで頼まれても難しいですね…」


 ハイポーションは一番安いのでも100万~200万R位するからなぁ…

 一般人じゃよほどお金貯め無いと買えない代物だよ。他の町や国じゃ冒険者には重い税が課せられて3倍~5倍の値段じゃ済まないって話も聞いてる。


「でもさー、町の人間がそんな金なんてだせねぇだろ? 50万とか100万の依頼は確かに見るけどさぁ。そんな金どこから出てくんの?」


 僕達冒険者と一般人の人のお金の価値観はかなり違う。

 下級の内こそ、10万や20万の依頼はあったし有りがたかったが、大体がハウンド肉の納品とかそんなのばかりで、てんちょーさんの店とかの依頼が主だった。一般の人からの依頼も結構あったが、今の僕達が受けるレベルの依頼になると一般人からの依頼はほとんどなくて、行商人とか店との依頼が多い。


「それは各家庭の事情によるだろうね、なけなしのお金を出して頼んでいる依頼もあるだろう。其れを受けるかは冒険者の自由だけどね。もし君達も依頼を出す時があれば相場を参考してみるといい。掲示板を見ていれば、大体の値段が分かる。安過ぎたら人は来ないし、高過ぎたら大損な上面倒な輩が来る場合もある」


 つまり…長々と話した結論は、基本的に外でやる仕事は高いのが相場って事だ。世界や市場をどうにかするつもりが無い僕達には、そういうものだと言う事さえ覚えておけばいいのだろう。


「………んー…アリア、あんた意味分かった??」


「…………??」


「あ、こいつ話聞いてなかったな?」


「ははははは、気にすることはないさ。単純に今回の報酬はこれくらいだよって覚えておいてくれればいい」


 豪快に笑うウォルクさんに僕も釣られて笑みを零す。

 内政とかそう言うものをするわけじゃないから、基本的な所…相場や依頼内容だけを理解しておけば良いって事なんだろうな。難しい話は政治家…は居ないらしくて貴族とかが居る話だから貴族とかがやってくれるんだろう。僕の頭はよくないのでその辺お任せしておこう。


「ヤスオー! 見ろ! これなんて美味そうじゃないか!?」


「あ、それ毒ですよアルスさん」


「まじで!?」


 見た目綺麗な草を持ってきたアルスさんだが、残念なことに其れも毒草だった。匂いも良いし食べれる物と勘違いしないでもないが、よくよく見たり匂いを嗅いでみれば毒だと言うのが分かる。後は開始時にウォレスさんに食べられるやつとダメな奴を色々見せてもらったからというのもあるが。


 ちなみにアルスさんはその後も心眼! とか叫びながら色々持ってきては僕に見せてきた。ちなみにその中で食べられる奴が一つも無かったのはある意味凄いと思うな…


「うーん、意外と見つからんもんだな? ヤスオはよく区別が付くなぁ」


「1個目を覚えておけば後は同じの探すだけですよ。そっくりな毒草や毒キノコも見た目そっくりな物とかはないみたいなので、それを参考にするといいかもですね」


「ふむふむなるほど…」


 僕達のダンジョン山菜探検隊はまだ続いていく。

 隣で一緒に探しているアルスさんと軽く談笑しながら僕達は山菜集めを続けていた。


難しい政治の話とか

相場の話は・・・私には出来ませんでした!!(どどーん

なぁなぁの生暖かい目で見てあげてください。

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