04-04 【強敵と死闘】 Ⅳ
皆さん沢山の閲覧有り難うございます。
4話はこれで終了です。短いですがどうかご容赦ください。
―バトルリザルト
―【速】+1【器】+1【魔】+1【体】+1【精】+1
―【サバイバル】がランクアップ!
―数時間後―夜 【隠れ家】
あれから日が暮れるまでウサギを探し何と3体も倒す事が出来た。
1匹2匹と安定して【先手】と【蓮華】のコンボで倒せたのだけど、最後の1体は攻撃が浅かったせいで手痛い反撃を受けてしまったのが辛い、牙がもう少しで脇腹を貫きそうだったが、攻撃に怯えてしまって全力で横に飛び跳ねたのが功を奏して回避できた。そのままダイレクトに地面に倒れこんでしまったし隙だらけの所を噛みつかれてダメージを受けたものの、何とか倒して生き残る事が出来た。
帰り際はほとんど満身創痍になっていたが、ハウンド1体にウサギ3体はかなりの成果だと思う。今まで頑張って1体しか倒せなかったことを考えれば格段の進化だ。ステータスも1匹目と3匹目を倒した時に上がってくれたので、明日以降戦う時はもっと動けるかもしれない。
ただ問題は―
「2体目を倒した時は何も上がらなかった…完全にランダムなのか、ステータスが上がってきた所為で上がりにくくなったのか、前例も何もないしわからないな…でも、雑魚って言われてるウサギでここまでステータスが上がったって事は僕が弱すぎたって事なんだろうな…」
普通のRPGで言えば、僕のレベル1…以下なのかもしれない。
そんな中モンスターを倒していけばすぐにでもレベルが上がるって感じだ。
お陰で成長は出来ているとしても、一体どこまでこの成長フィーバーが続くのかが問題だ…
そして頼みの綱のショートソードはすでに使用回数が【10】回になっている。3体目のウサギの時に2回使用したからだ…直撃させれば1回で倒せたから消費が辛い…この剣は壊したくないから使えても【9回】までにしないと…その後は不安が残るけど作った槍で戦うしか無い、今回更に牙が3個も手に入ったから木さえ見つけられれば槍は作れる。
「3匹目の時は直ぐ近くに現れて冷静さが保てなかった、だからあんなに苦戦したんだ、あれだけ鍛錬しても心っていうのは成長しにくいな…とりあえず明日もウサギを倒すことにして…後半は槍を使っていこう。」
ウサギと戦って分かったことがいくつか増えた。
あいつは後ろにほとんど気を払わないから奇襲がしやすい所がある。次にあいつの攻撃パターン、ウサギは突撃して牙を突き刺そうとしてくる突進とダメージを受けた時にその場でジャンプしてがむしゃらに牙を振るってくる攻撃があった。それ以外は今の所見ていないが、直線の突進は慣れれば避けられる可能性が高い。
「ハウンドの攻撃パターンはまだわからないし、どうしようもない時以外は避けていこう。メインはウサギだ、あいつを倒せば槍の素材が手に入るし今の僕でも何とか安定して勝てる。」
何はともあれまずはウサギ退治だ、いっそステータスがこいつじゃ上がらなくなるまで倒せば後々楽になるだろう。ハウンドを倒すことが出来れば食料の肉とポーションを落とすのだ、出来ればあいつも倒したい。
「それにしても…まさかモンスターから食べ物が取れるなんてな。解体して手に入れたのと違うし、これなら手間がかなり減るよな。」
本などを置いている場所にハウンドの毛皮で包み込んだハウンドの肉がある。
犬の肉とか一瞬考えたけど、見た感じは普通のブロック肉だし美味しそうだったので今日の頑張ったご褒美に焼いて食べようと思っている。
すでに空腹が限界だ、命のやり取りをしていたせいで疲労も激しい、こんな日は美味しい食べ物を食べて明日に備えるべきだろう、絶対にそうだ。
「外の焚き火は強くしておいたし…今日はかなり疲れたから後で木を追加して少し休むことにしよう、怖いけどこの疲労を明日に持ってくるほうがおっかないしね…さ! 肉を食べよう!! 塩も胡椒もないけど今日はご馳走だ!!」
疲れきった身体を頑張って動かし肉をナイフで切っていく。これが思いの外簡単に切れた、後はこれを木の棒に刺して焼いていくだけだ。ちなみにこの木の棒は川で洗った後に【清潔】を掛けているので汚れは無い、直前にも勿論【清潔】は使っている、生活魔法万歳だ。僕がこうして元気でいられるのは本当、魔法のお陰でだな。
パチパチと音を立て燃えている焚き火にハウンド肉を刺した木の棒を翳す。直ぐに肉を焼いた時特有の香りと音が聞こえてきた。小動物の肉とは違う美味しそうな匂いが洞窟内に充満していく。
「早く焼けないかなぁ…」
魚を焼く時といい、この時間ほどワクワクする時間はないと思う、上手く焼けた時の感動はかなりのものだ、初めの内は結構焦がしてしまって苦かったから気をつけないと、折角の戦利品美味しく焼けるように真剣に焼き加減を調整していく。
片面をある程度焼いたら今度は反対側もじっくり焼いていく、焦がさないようにずらしたりするのが上手く焼くコツ…だと思う。今僕は焼き肉マイスターにならないといけないのだ、最高のハウンド肉を焼いてやろう、そしてそれを食べた時の感動を…
凄く馬鹿なことやっている気がするがあれだけ死ぬ思いをして戦ったんだし偶にはいいかもしれない。
「…………焼けたぁ!! 頂きます!! あぐっ、ぁちちっ。」
焼けたハウンド肉に息を吹きかけ少し冷ましそのまま齧り付いた。口の中に広がる甘い脂と簡単に噛み切れる柔らかい肉。見た目は豚や牛の様な感じなのに味わいは鶏肉の様な歯ごたえと味がする、それなのに豚のような甘みと牛の様なしっかりした味わい…あふれる肉汁が肉の美味しさを何倍にも……色々御託を並べてみたけどとりあえず一言で言い表わせば―
「美味い!! すげぇ美味いぞこれっ! この世界に来て一番美味しい! 2個あるしこのブロックは全部焼いて食べてしまおう! 今日はほんとにご馳走だぁっ!」
あれほど恐ろしかったハウンドの肉がここまで美味しいとは思わなかった。
出来ればこれ以降もこいつを倒していきたいと思う、思わせる。強くなって、こいつの肉を安定して食べられるようになりたいな…
あと強いて言えば、塩が欲しいなぁ……
無い物ねだりの欲張りな想いだが、いつかは現実になってほしい、そう願いながら次のハウンド肉を焼く作業に戻った―
―04話終了…05に続く
―リザルト
new【力】+1
new【速】+2
new【精】+2
new【器】+2
new【体】+1
new【運】+1
new【サバイバル:下級】
―ステータス報告
【田中康夫】【人間:異世界人】【年齢:20】【Lv:--】
【HP】16 【(力+体)×2】
【MP】13 【知+魔+精】
【攻撃力】4+7=11 【攻撃ランク:D+】
【防御力】4+0=4 【防御ランク:G】
【力】04+00【速】05+01【知】04+00【魔】04+00
【精】05+00【器】05+00【体】04+00【運】03+00
■所持スキル
【カードスロット:3】【サバイバル:下級】【鑑定:下級】
【解読:最下級】【火魔法:最下級】【水魔法:最下級】【風魔法:最下級】【土魔法:最下級】【治癒魔法:最下級】【剣修練:最下級】
■装備
【ショートソード】【攻撃力:7】【攻撃ランク:D+】【耐久:10/40】
■セットカード
【ファングラビットカード】:【速】+1 重複不可
2015/09/08 ご指摘をうけ修正完了です。