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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
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34-03 【プレゼント大作戦!! に巻き込まれろ】 Ⅲ

のんびり日常が大好きです。

次にカオスも大好きです。

更にカオスが大好きです。

シリアスは苦手です。

 翌日朝の鍛錬から帰ってくると早速フィル君が迎えに来ていた。

 時間的にはまだ店も開いていないので、とりあえずはどこに行くかを相談しにきたらしい。家で買い物に行く場所をある程度固定してそこから順次足を運ぶようだ。


「普通のお茶でいいかな?」


 紅茶よりは普通に緑茶が好きなので我が家はもっぱらこっちを愛飲している。

 もう食べ物や飲み物が地球と同じものがあるという謎現象は気にしないことにした。地球が関わってようがいまいが正直どうでもいいのです。そう言う関連の詳しい事は研究者とかがやればいいと思う。


「あぁさんきゅ」


「とりあえず定番なのはナッツさんの店かな?」


「あそこだよなぁ、他に土産物屋とかもあるけどさ。品揃えが違うし」


 ナッツさんの経営する雑貨屋はそれこそティッシュから食べ物までなんでもある。コンビニというよりは小さな商店って感じだが。彼処ならフィル君が探しているようなプレゼントもあるかもしれない。


「いつもプレゼント渡す時は彼処にしてるんだが、毎回そこだと飽きられるかもだろ?」


「うーん、それはわからないなぁ」


 彼女持ちの考えは彼女がいない僕等には通用しないのです。

 しかし雑貨屋さんがだめとなると普通の衣服類や装飾品、食品関連で攻めるくらいしか思いつかない。


「所でエルちゃんは何が好きなんだろ? それを元にするのが良いんじゃないかな?」


「…あいつ俺から貰ったらなんでも喜んでくれるからさぁ…逆に分かんないんだよ」


「うん、もげたほうが良いと思うな」


「もげたら死ぬって!?」


「冗談はともかくとして…何でも喜ぶかぁ、逆に探しづらいよね」


 他に思いつくと言えば………

 色々と考えてみた所一つ良さそうな場所を思いついた。


「そうだ、青空市場見に行かないかい?」


「おぉっ! 青空市場があったな! 確かに彼処なら誰かが良い物売ってるかもしれねぇ!」


 青空市場…まぁ要するに冒険者がやってるフリーマーケットだ。

 あそこなら様々な所から来た冒険者や商人達が一定の金額の場所代金さえ払えば店を出せる。その御蔭で中古の武具やアイテムなどが格安で売られてたり、新古品があったりするからお金に余裕があるなら狙い目な場所だ。


「品物が品物だから中古って事もあるけど、良い物は沢山あると思うよ」


「だな、ダメだったらナッツさんの所か宝石屋でアクセサリー買うしかねぇか」


 最悪何も見つからなければナッツさんの店で良いだろう。

 彼処は十分品揃えがいいのだから。


「それじゃ、僕の準備が終わったら行こうか」


「おう!!」


「すぐシャワーとか浴びてくるからゆっくりしててよ」


「って、朝早く来てあれだけど飯は食わなくて良いのか?」


「んー…青空市場に行くなら出店があるしそこで何か食べてくつもりだよ」


 帰ってきたばかりなので身体に【清潔】だけで済ましてたので急いでシャワーを浴びてこないといけない。外出するのにそのままだったら周りにも迷惑だし自分も嫌だ。森の中では魔法で常に清潔ではいられたけど風呂に入れないのは辛かったよ。


 朝ごはんはそういえば食べてないがそこまでお腹も空いてないので、今フィル君に言った通りに出店で適当に食べていく事にした。


 全は急げというしね、役に立てるか分からないとしても信頼して頼まれた以上は頑張らなければ。ついでに僕も青空市場で欲しいものがあれば適当に買っていくのもいいかもなぁ。たまに凄いものがあったりするしね。


「んじゃ飯は俺が奢るよ、今日は頼むぜ!!」


「了解、良い物あるといいね」


 そんなこんなで僕達はエルちゃんに渡すプレゼントを探し始めるのだった。







…………







―青空市場





 二人でハウンド串を頬張りながら青空市場にやってきた。


 やはり出店で食べるものと言えばハウンド串だと思う、この微妙に安っぽい感じと適当にふりかけた塩の塩辛さがマッチしている。安いハウンド肉を一気にかぶりつく感じは高級な肉には真似できないだろう。安価で手に入れることが可能であり、それでいてどんな料理にも合う汎用性を誇り尚且つ脇役ではなく主役にもなれるこの肉には無限の可能性がある。


 やはりハウンド肉は最高だと思う。世界の最高級の料理すら遥かに凌駕する汎用性に需要や供給を考えればこの世界はハウンド肉が最高という点に片付けられるだろう。


「まず何より誰でも食べられる所と、どんな料理にも合う所がいいよね。煮物により焼きもよし、燻製肉にしても十分美味しい。焼き方が大事だけど最近レアに凝ってるんだよ、焼き過ぎずそれでいて表面はかりっと噛みちぎるとあふれる肉汁が塩にからんで―」


「帰って来いっ!?」


 後頭部におもいっきり衝撃が走って思わずつんのめってしまった。


「はっ!?」


「なんかがむしゃらにハウンド肉食ってたけど、余程好きなんだなぁ…」


 何故か生暖かい瞳を僕に向けてくるフィル君。


「もちろんです」


「すげぇ、目が真面目だ。それにしても相変わらず賑やかだよなぁここ」


「普通の冒険者は冒険する時以外は休みだし、常日頃人が居るよね」


 あっちこっちに沢山の冒険者が居るこの場所は町の中で一番賑わっている所だ。マッハミルクの時もここは凄く賑わっていたしな、大体の冒険者は騒ぐのが好きなんだろう。


「まずはこの周辺を見ていこうぜ」


「そうだね、良さそうな物があるといいな」


「気合で探せばきっと見つかるさ! うし! 分かれて探そうぜ! なんか良さそうなのが会ったら教えてくれ!!」


「え? ふた―」


「んじゃ後でなっ!!」


「ちょっ!? フィル君!?」


 びしっと手を上げて反対方向に走っていくフィル君に僕は声をかける事しか出来なかった。ぽつんと一人残された僕なのだが…どうしよう何を選ばないといけないのかわからないのに一人にされてしまったからなぁ。


 一応念話は出来るからいい物を見つけたら連絡を入れればいいかもな。

 後はそれをフィル君が気に入るかどうかはその時でいいさ、ダメならまた探せばいいし。


「信頼されてるのは嬉しいけどね。さぁ…どうしようか…」

 

 周囲の露店を見回しながら考える。

 女性用のプレゼントかぁ……色々探し回るしか無いか。

 とりあえず直ぐ近くの宝石を並べている場所に歩み寄る事にした。



修正及び追加しました。

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