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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
137/216

34-02 【プレゼント大作戦!! に巻き込まれろ】 Ⅱ

34話は完全にオリジナルで何も考えていません。

適度にカオス気分を味わってもらえたら嬉しいです。 カオス万歳。

―自宅


 

 鍛冶が終わり直ぐに軽くシャワーを浴びた後、親方達に挨拶し直ぐに家に戻ってきた。セレナちゃんが僕の分の夕食も用意してくれると言ってくれたが、今日は今回の精錬の事で色々勉強しておきたいので遠慮して戻ってきている。


 帰ってきて直ぐに今回のミスした部分や上手く行った時の事を事細かに書き記していく。後ほどこれを全部確認し良かった部分や悪かった部分を順次修正や伸ばしていく。


「……ふぅ…」


 書き溜めたノートは既に5冊を超えていた。

 この世界の文字は今勉強中なので全部日本語で書いている。ちなみに秘匿しているとかそんなことはない。そもそも僕程度の力量の人間が書いた失敗成功ノートなんて価値がある訳もなく、文字が違ってもこの世界【解読】のスキルレベルが中級位まで上がれば普通に読めてしまうので意味が無い。


 この世界の文字は何というかこう…書き方は英語の筆記体に近い。但し英語でもロシア語でもホンジャマカベンジャミン語でもない。なんだ最後のは……


「今はある程度読めるからなぁ…解読のお陰なのか普通に文字を覚えてきたのか…前者かな? 日本語そのままで読める時があるし」


 なので普通に読めば何が書いているのかさっぱりで魔法書を読む時も【解読】が上がるまで本当苦労したな…今もティルさんとの【念話】で文字などを覚える勉強をさせてもらう時がある。この世界識字率は大体40~60%らしく書けない人や読めない人もそれなりに居るのでそこまで恥ずかしくないと言われたが、まぁ…色々とあるのだ、色々と。


 別に学者とかになるつもりは無いので日常生活での読み書きと魔法書を読む程度が出来れば問題ないが。


「うし、鍛冶の勉強は終了したし魔法の本を読むか…? 念話?」


 魔法の本を取り出そうとした所で【念話】がかかって来た。

 ティルさんからの念話にしては早いのでだれだろうと思いつつ魔法を受ける。


【お。ヤスオ今平気か?】


 子供から大人になる中間の声色のよく聞き慣れた声…念話の相手はまさかのフィル君だった。彼から念話が掛かって来るのはかなり珍しい。


【フィル君かい? 珍しいね】


【いやぁ、実は暇でさ。この時間のヤスオなら多分勉強か外で鍛錬って思ったんでちょっと話をな】


 流石フィル君、僕の行動をピタリと当てている。

 いや僕がわかりやすいだけとも言うが。


【話…?】


【いや、大した事じゃないんだけどさ。女にプレゼント渡すのって何がいいかな?】


【………ごふぁ】


【ヤスオ? どうしたヤスオ!? なんかダメージ受けたような声で!?】


 いや、実際ダメージを受けたのですよフィルさんや。


【それは、ファッツさんに聞いたほうが良いんじゃないかなぁ】


【俺もそれは考えたんだけど団長じゃほら…あれだろ?】


【あー……】


 あれだろ? でわかってしまうこういう時のファッツさんの信用の無さ。


【ノーヴァの奴はそういうのにまったく興味ないし、ハウルも同じだからさ。となるとロシェルっていう同じ団員の男もどっちかと言うとノーヴァ寄りで役に立たないんだ】


【すまないフィル君。それに関しては僕も役に立ちそうにないんだが…】


 ここに来るまで僕が話した女性なんて殆どいないのですよ。

 勿論現在も彼女も居ません。友人や仲間、悪友はいるとしても。いや…まてよ? 皆にプレゼントを渡した時の事を思い出せばなんとか…いや女性云々なんて気にしないで渡したからなぁ……


【どうしてもっていうなら…花とか小物…かな?】


【やっぱその辺だよなぁ。でもそれらは前にプレゼントしたからさ、こう違うのを…】


【もういっそ埴輪でもプレゼントしたらどうかな】


【なんで埴輪!?】


 なんとなく思いついただけなんです。


【いや、待てよあいつなら埴輪で喜ぶかもしれねぇ…】


【待てっ!? 正気を取り戻すんだフィル君!!】


【はっ!?】


 危なかったもしあのままだったら僕の所為で彼女のプレゼントに埴輪を渡すイケメンが現れる所だった…それはそれで見てみたい気もするが友人がやるなら止めなくては……後で正気に帰ったら怖いし。


【うーん…………思いつかないなぁ】


【ヤスオでもダメかぁ】


【いや僕に聞くのが間違いですよフィル君】


 そんな甲斐性のある男ならもう少しこう…リア充な生活を送っていたに違いない。


【カノンに聞くのはあれだしなぁ……ミキに聞いたらどうだ?】


【ミキだったらお金と宝石って言うと思うよ?】


【ミキだしな】


【ミキだからね】


【あー! 考えてても埒が明かねえ! ヤスオ! 明日一日付き合ってくれないか!! 二人でよさ気なものを探すのを手伝ってくれっ! 頼む!!】


【え……僕で役に立つかなぁ】


 既にこんなにグダグダしている僕達が二人集まった所で烏合の衆でしかない気がするが、フィル君はどうやらそう考えていないらしい。信頼してくれるのは凄く嬉しいが、正直何の役にも立てそうにないのでどうしたものだろうか。


【じゃあ明日だな! 朝迎えに行くからさ!】


【あっ!? フィル君!? フィル君!?】


「……切れちゃった……明日は大変な一日になりそうだぞ…」


 頑張れ僕、超頑張れ………




 

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