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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
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32-05 【フィールドアタックと弓使いと兄弟戦士】 Ⅴ

戦闘シーンを上手く書くことが出来れば一人前だと思います。

なので、全然描写したい事の10分の1も書けない私はまだまだ練習が足りないですね。沢山書いて上達したいです。

「連戦なんて…ダンジョンじゃないんだぞっ!?」


 敵を倒したのも束の間、おかわりとでも言う様にモンスターが再び襲い掛かってくる。数はさっきより少ないがその代わりと言わんばかりに向かってきたのはブラウンベアー4体というダンジョンでもお目にかからないグループだ。


 皆が居る以上全滅する事はない。奴等の初撃さえ防いでしまえば後はカノンやアリアちゃん、そしてノーヴァ君が抑えてくれる以上、僕達が全力で抑えればいい。さっきより数が少ないしバラけて居ないのなら二人にも防御魔法は張れる、MPの問題はあるが、少しの時間さえあれば魔力のポーションを飲めばMPも回復できるが…


「どう考えても…おかしいですよね」


「ない…とは言い切れないがね。この辺りは大襲撃があった以上可能性は0じゃない。運が悪ければこうやって出会うこともあるさ」


 ウォルクさんが拳を手のひらに叩きつけて気合を入れる。何にせよ戦うしか他にない。


「………来る……」


 人間の頭部など簡単に飲み込めるほどの大口を開け此方に向かってくる。直ぐに指示を伝え改めて魔法でバフを掛ける。この中で一番攻撃力が低い以上、少しでも強化しなければならない。


 この中で誰よりも速く動ける僕が剣を構えながら突っ込む。

 しかし僕の姿が見えていないのか、それとも小さい僕などたやすく吹き飛ばせると言うのか、全く勢いを衰えさせずに唸り声を上げながらぶつかりに来る!


「見え見えすぎる!! 【連環】!!」


 突っ込んできた熊のタックルを綺麗に躱しその勢いを利用して再び【連環】を仕掛ける。遠心力の他に技の発動によって高められた一撃はオーラの様な、オーラ以外に呼び方がわからないので便宜上オーラなのだが、その伸びたオーラ状の刀身を全力で切り込む。


 鉄より硬いんじゃないかと思われる熊の剛毛に全ての刃は止められてしまうが叩きつけた衝撃までは防げない、僕の一撃は突っ込んできた熊4体の勢いを止めきる事は出来なかったが多少なりともダメージを与える事に成功した。熊の内の1体は動きを止めたので十分と言っても良いかもしれない。


「ガアアアアアアアっ!!」


「ナイスだヤスオ君!! ぬううんっ!! 【剛連脚】!!」


 動きが鈍った熊に対して高らかに叫びながら蹴りによる怒涛の3連打を叩き込む。一撃一撃が鋼鉄の棒を叩き込んだ様な音を響かせ、あの熊の肉体を物理的に凹ませてしまう。カナリのダメージを受け完全に動きが止まった所に漆黒の槍が襲いかかり頭部を綺麗に突き破る。水の入った風船が割れるような音ととともに肉片と血のシャワーを降らせその場で消えていくブラウンベアー。


「流石だ。これは僕もうかうかしてられないな…【流星縛】」 


 後ろの方から感心したと言わんばかりのノーヴァ君の声が聞こえてくる。連戦だろうとも彼はまったく問題ないとばかりに弓を射続ける。


 弓技【流星】の中級技【流星縛】がその名の通り流星の様な速さでもう一体のブラウンベアーの目を射抜く! 狙ったのかたまたまあたったのか…ノーヴァ君なら狙って当ててるんだろうな…


 突き刺さった矢が光を放ち【流星】と同じように熊を拘束する。これでこいつは少しの間動く事が出来ない。そうなれば撃破1に無力化1、ほぼ無傷が1に僕が対応している熊が1ということだ。


 一番の問題は…


「がああああああああああああっ!」


「【風壁】【土壁】!! ぐっ、がああああああああっ!」


 巨体から繰り出される攻撃をそう何度も何度も避けられるほど僕が強くないということだ。


 土の壁と風の壁を同時に展開した魔法壁をあっさりと貫通し邪魔者を薙ぎ払うかの様に僕は吹き飛ばす。息が詰まる様な衝撃と生身の部分が爪に寄って引き裂かれ血かあふれる。防御魔法を使って漸くこの状態なのだ、正直行って正面から勝てる相手じゃない。


 意識も下半身に力も入る。

 直ぐに飛び起き回復魔法ではなくHPポーションを飲みながら再びダッシュで前衛に復帰する。もし後ろに行けばアリアちゃんとノーヴァ君がまずい。カノンは僕より防御力があるから少しは大丈夫として、ほぼ防具の意味をなしてないアリアちゃんやアーチャーらしく革の胸当て程度しか装備出来ていない二人はこんな一撃を喰らえばヘタすれば一撃で即死だ。


 それが分かっているから僕はどれだけダメージを受けても直ぐに前衛に復帰しなければならない。前を護るのは僕達の役目なのだ。


「ぐるるる……ああああああああああああああっ!!」


 鼓膜を突き破るような咆哮を上げる熊。

 あまりの音量に僕やウォルクさん達も咄嗟に耳を塞いで防御する……が…。それと同時に自身に掛かった魔法の力が消えていくのを感じる。よく見れば炎を纏っていたショートソードも炎が消え失せている。


「あいつの咆哮…バフ解除効果が!?」


「めったに使ってこないが、余程切れているらしいね。ヤスオ君、君は中衛に下がってバフをかけ直したり回復を頼む。ここは僕達で塞ごう」


「っ…! お願いします! 直ぐに復帰します!」


 攻撃力も速度も下げられてしまったら僕はただの足手まといだ、強化して4~5割しか攻撃を回避できないのに、今の状態ではただ殺されてしまう。やはり攻撃力も防御力も今の僕には足りないのか……


「…っ?! ヤスオさん後ろを!!」


「カノ……冗談だろ…!?」


 直ぐに回復魔法を使おうとした瞬間カノンに呼び止められ、言われた通りにカノン達の後ろを見ると……


「……挟み撃ち!?」


 狙ったかの様に、ヴァイパー数匹とブラウンベアー1体が此方に向かってきていた。




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