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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
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CP-14 【はじめてのプレゼントとふぃーば~】 Ⅲ

次でカノンのお話は一旦終了です。

最終話までまだ200話以上残ってるので先が遠いですね(汗

小説に書き起こすのがここまで大変とは(汗


沢山のブックマーク及び評価有難うございます。

このお話はプロットも無く勢いだけで最終話まで書いたものなので矛盾などが

確実にありますが、なぁなぁな気持ちと生暖かい目で見てあげてください

―道具屋【俺の塩】


 【世界各国の塩再入荷!! 美味しい塩を手に入れる大チャンス!!】


 と大々的に立て札を立ててある塩屋ではなく道具屋、町の人気道具屋【俺の塩】世界にたくさん存在する塩ラーがこぞって来るとかこないとか店主であるセイルは自信満々によく言っている。


「おう、カノンの嬢ちゃんじゃねぇか珍しいなおい。ポーションでも必要になったか? もしくは塩か? いい塩が入ったぜ?」


「こんにちはセイルさん。今日はただの野暮用よ」


「よーし! なら塩買っていけ塩! こいつなんてオススメだぞ!!」


 今日発売のレアな塩をカノンにオススメする店長のセイル。塩屋の鏡である。けっして塩だけの店ではないが。


「いつも思うけど、ここまで塩をオススメされる店もあまり見ないわ。ごめんなさいね、今日は塩は要らないのよ」


 カノンは塩ラーではないのでそこまで塩に魅力を感じない、彼女も塩ラーなるなんだかよくわからない趣向団体が居ることは知っているが、特に興味はなかったりする。塩ラーでは友達は増えないのだ。


「男性が好みそうな物ってあるかしら? 塩は要らないわよ?」


「ちっ、しゃあねぇな。んん? 嬢ちゃん誰か気になる男でも出来たのか?」


「あら、私が軽い女に見える? そういう恋路は興味ないの今日はいつもお世話になっている人への御礼よ」


 セイルのことを軽く躱すカノン。


【―のーないかのん― れ、恋愛なんてまだ早すぎるわ!? そういうのはまず交換日記…いえ! お見合いから!? えーと、えーと…すいませんよくわかりませんっ!!】


 少しでもその中身を出せば友達なんて簡単にできると思うのだが、この鉄面皮と性格はそうそう変えられるものではない。


「はは、悪ぃ悪ぃ。小さな町だとそういうのが大人気でな。おまけしておくから許してくれや、んー、お前さんが世話になってるっつぅと、ファッツかハウル、んでヤスオ位だな? どいつに贈るんだ?」


「流石に小さな町だと直ぐ知られるわよね。今回はヤスオさんに贈るつもりよ、何かいいの見繕ってくれるかしら?」


「あー…何気に一番難しいやつだな。いや、簡単といえば簡単なんだが、あいつなら多分何貰っても大喜びしそうだぜ」


「……そうね、否定しないわ」


 最近特に感激屋になっているヤスオ、女性からクッキーを貰うというリア充行為に大喜びしていた程だ、割り箸上げても喜ぶんじゃ無いかと彼女も思ってしまう…と言うより多分喜ぶだろう。人からものをプレゼントしてもらうなどティルから貰った財布が初めてな程だ。


 だが、彼女としては簡単なものをプレゼントして喜んでもらうのは許せない。自分が初めて貰ったプレゼントのお返しなのだから最高のプレゼントを手渡さないと、と凄まじく燃えていた……内面で。


「あー。そう言えば新しい魔法書欲しいとか言ってたなあいつ。火、水、風、土、治癒は覚えてるらしいし、それ以外の魔法書でもくれてやりゃ喜ぶんじゃねぇか?」


「魔導書ね…そうなると光、闇、聖、邪、時空かしら。流石にお古渡す訳にはいかないし何かあります?」


「わりぃな。そいつらは魔法書の中でも価値が高いから直ぐ捌けちまって残ってねぇんだ。基本4種と治癒しかねぇわ」


「そうですか…それじゃどうし―」


 魔道書がないならば魔道具でも、とカノンが口を開いた所でポンと手を叩くセイル。


「いや、待てよ? 確か雑貨屋に聖魔法の書が入荷したってナッツの奴が言ってたな。少し値が張るが見に行ってみると良いんじゃねぇのか? それ以外もあるだろうよ」


「聖魔法ね。私は相性が合わなくて前に売ったけどヤスオさんなら覚えられるかしら? あのダンジョンは聖魔法が良く効くし良いかもしれないわね。有難う御座いますこれから向かってみますね。ついでだしこの少なめの塩頂いていくわ」


「おうまいどっ! これからも贔屓にしてくれや!!」


 情報料とばかりに塩を買って雑貨屋を目指した―









…………









「ふぅ、流石に歩きすぎて少し疲れてきたわね。買い物が終わったらどこかで休むことにしましょうか」


 冒険者である以上身体はある程度鍛えているが基本メイジである彼女の身体能力はそこまで高くない。ヤスオを遥かに超える鉄壁の防御力は装備している防具とカードの効果であり、彼女自身はHPも高くないのだ。朝から情報を求め歩いたり道具屋に向かったりあちこち良さそうなのを見回して歩き続けた結果―


【―のーないかのん― あ、足がぷるぷる言ってる。あばばばば…あ、あかんやつやこれ…誰か回復魔法くれませんかっ!?】


 歩き疲れて滅茶苦茶足が痛くなっていた。ダンジョンで歩いているのと気を抜いて歩いているのでは、肉体も色々違うものなのだろう。そんな感じであわあわしながら歩いていると先の方で此方を見て嫌な顔をしている女性が居た。


「…げっ、カノン…(うわー…嫌な奴に会っちゃったなぁ)」


 『私貴女嫌いです』と言わんばかりの表情をするミキ、何度かヤスオと一緒に組んでいる相手ではあるが、始めに殺されかけた所為もあり出来れば話す所か近づきたくないと考えている相手が目の前に居るのだから顰めっ面になるのも当然だろう。自分が悪いのは分かっているのでその辺仕方ない事は重々理解しているが。


「あら、シーフじゃない。奇遇ね」


「あ、あんたもこんな時間にこのへん歩いてるなんて珍しいじゃない…いつもは広場に居るくせに」


「毎日居る訳でもないわよ」


「って、アンタにかまってる暇なんか無かったわ。さっさと雑貨屋行かないと」


「雑貨屋…? 貴女の方こそ珍しいじゃない宝石などにしか興味ないと思ってたけど」


「うっさいなー…自分だってそう思うわよ。ちょっと御礼返しに行くだけだっつの。あんたにゃ関係ないわ」


 微妙に冷や汗を書きながら言うミキ。自身も雑貨屋なんて大したものが置いて無さそうな場所に本来なら用など無いのだが、今回ばかりは行かないといけない理由だあった。


(あんにゃろう、プレゼントとかもらったら更に借り増えちゃうじゃないの。せめてあの服の代わりを叩きつけてやんないと。あいつ魔法書ほしがってたしちょっち痛いけどあれでも投げつけてやろう。ふふん、ミキ様に感謝しろヤスオ)


 プレゼントを渡していたのはカノンだけではなくフィルやミキなど知り合い全員に渡していたのだ。彼にしてみればいつもお世話になっているからという軽い理由で渡したのだが、カノンは大慌てしてたりミキはこれ以上恩なんて増やしてたまるかと直ぐにお返しを渡すつもりで、こうして運悪く鉢合わせたのだ。


「確かにね、でも私も雑貨屋に行くの。どうせなら一緒に行きましょう? 無駄に時間ずらすのは効率的じゃないわ」


 これを機に彼女と仲良くなれればなぁと思うカノン。スリをされた時は不甲斐なさと同じ冒険者に良い思い出がないので潰すつもりでいたが、彼女はそんな感情をいつまでも根に持つ性格ではない、なんだかんだと話す間柄になった以上は友達は無理としても仲間として話したいと思っていた。


「うげ……あんたと…? ま、まぁいいけどさ、言っとくけど仲良しこよしなんてゴメンだからね」


「えぇ、私も期待してないわ(くすん…もう少し仲良くなれないかしら)」


 お互いに微妙な感じになりながらも雑貨屋を目指して歩いていった―



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