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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
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30-02 【慌ただしい平穏】 Ⅱ

―数日後


 最近はフィル君の他にカトル君とも一緒に鍛錬やフィールドの狩りをする様になってきた。


 彼の細身の身体から繰り出す連続攻撃は鋭くとても速い。まだステータスが低いので今の僕でも問題なく見切る事が出来るがこれが高レベルになったらとても強いファイターになるんだろう。僕も負けていられない。


「はっ…! はっ…! ……はぁ、はぁ…」


「お疲れ様カトル君」


「は、はい……はぁ…はぁ……さ、流石ですね、あれだけ一緒に激しい鍛錬をしたのに息も切らしてないなんて…はぁ……はぁ…」


「毎日体力作りを欠かしてないからかな。朝早く起きて町内1~2周するようになったし昔と比べてかなり体力はついたと思うよ」


「な、成程…レベルを上げる以外にも基本…ふぅ…的な体力作りがいるんですね…」


「レベルが上がって【体】が増えても持久力が増える訳じゃないからね、折角素体が強化されたんだから地道なトレーニングも必要だって、僕も教えてもらったんだ。カトル君もやってみるといいよ」


 フィル君やファッツさんも朝からパトロールを兼ねてランニングしているから朝はよく話したりしている。ハウルさんも数日に1回は走ってるみたいだ。他にはマリーちゃんや、まさかの親方まで走ってるからあの時は吃驚したよ。確かに鍛冶はひたすら体力を消費するからあぁやって体力をつけてるんだろうなぁ……なにげに普通に戦っても勝てる気がしないし。


 息も整いタオルで汗を拭くカトル君。

 やはり何度見ても様になってるな、ファンタジーの人は大体格好いいの法則にもれず彼も男性としてとても魅力的な子だと思う。


 整った肉体に僕なんか遥かに超える高身長。聞いた所180センチは超えてました……10センチ位くれないもんだろうか。


 全体的に細身なのに肉付きはしっかりとしていてか弱いというイメージはない。あれだ…細マッチョって奴かな。顔もかなりかっこいい方だからモテるだろうな。うんうん、まだ18歳って言ってたしこれからですよ若人。


 ちなみに僕が隣に立つと、細マッチョとチビデブという凄い構図に………


「ヤ、ヤスオさん? なんか顔が死んで…」


「うん、なんでもないのさ…なんでも……」


 身長が欲しいです―







…………







「そういえばヤスオさん。今週は開いてますか?」


「うん? 明日仕事がある以外は特に無いけど?」


 軽めの朝食をいつもの食堂で取りながら談笑中、カトル君が相談を持ちかけてきた。


「よかったらその…3日後にフィールドで僕達のパーティと一緒に狩りをしませんか? ヤスオさんがいてくれたらとても助かるんですが」


「あぁ、臨時パーティかい?」


 いつもはフィル君やカノン、居る時はアリアちゃんもつれて半固定パーティでダンジョンに行ってるから、こうして一緒に訓練している以外はまだ一緒に本格的な狩りをした事はないんだよな。


 カトル君のパーティはファイターのカトル君を初め、シーフ、メイジ、アコライト、アーチャーとかなり理想的なパーティ構成になっている。後一人防御系のファイターか後衛火力がいればフィールドなら熊にでも合わないかぎりは安定して戦える感じだ。レベルがまだ4~6と低めだから無茶は出来ないとしても、周辺でハウンドやヴァイパーを倒す位なら十分過ぎる。


「はいっ! 僕は一緒に訓練させてもらってヤスオさんの事を良くしってますが、他の皆はあの時のスキル公開の時に話した位ですから、改めての顔合わせって感じで……ど、どうでしょうか? レベルが違いすぎるから足手まといになるかもですが…」


「いや、こっちもお願いしていいかな? 色々なパーティで戦えば僕としても経験になるしね」


「有難うございますっ! よし早速皆に話をつけてきますね!! 後でまた来ます!!」


 歓喜満面と言わんばかりの表情でガッツポーズし、あれよあれよという間に精算してかけていくカトル君……な、なんだろうここまで信頼されてると嬉しいというか気恥ずかしいな……


「ホモォ…?」


「絶対違います!!」


「冗談だ冗談。で、あれはなんであそこまで騒いでたんだ?」


 ニマニマ笑うナナさん。ほんとこの人は面白そうな事があるとニュルリと現れるなぁ……


「あー…次に僕とカトル君達のパーティでフィールドで狩りをする事になったんですよ。それで…かな?」


「なる程な、あいつらとしても中級手前の奴の戦い方が見れるんだ、喜ぶのは当然だろう」


「え? 僕がですか…?」


「パーティでとは言え熊を倒せる奴は十分中級手前だよ」


 いや、あれは僕が殆どやられてただけでカノンやアリアちゃんが対応してくれてるんですが…ま、まぁある程度動き方わかったんで前衛でフィル君と一緒に翻弄したりしてるんですが。


「自己認識が甘いなぁお前は。ま、偉そうにしてる奴よりはよほどいいさ。ま、事故って死ぬなよ? 偶に強くても事故死なんてのはあるんだからな?」


「は、はい気をつけます」


「お前には5番を食べてもらわにゃあならんのだから」


「……あ、あれはちょっと無理かなぁ…」


 この店の特別メニュー、誰もが挑戦し大体8割の人が負けていくという鬼のメニューが5番【私は全部食べる…全部だ!!】という料理名がこの店の名産…てか迷産です。


 その名前の通り、この店のメニュー1~4を全部足して更にボリュームを数倍にした奴が出てくるのだ。凄まじくでかいステーキや肉野菜炒め、馬鹿でかいパンやシチュー…その量たるや余裕で数キロは超えているという化物メニューだ。


 値段はこれで商売成り立つんですか? と言わんばかりの激安1500Rなのでちょっと出せばだれでも挑戦できる、実際フィル君とファッツさんがこの前挑戦して、二人共撃沈しました。僕? 僕は元メタボでも大食いじゃないんでやってません…怖いよあれ、なんか鬼気迫ってるし。


「そうか、じゃあ明日用意しておこう」


「いや、無理ですから」


「ちっ…」


「舌打ちしたぁ!?」


 ナナさんはほんとフリーダムだと思います……

 まぁ、何より次のパーティ狩りを楽しみにしておこうかな。一応僕の方がレベル…は無いとしても実力が高いし、恥を書かないようにしなければ。




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