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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
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CP-13 【お勤め終了と自由なシーフの一日】 Ⅱ

―ウインドウショッピング中


 あちこち見まわって物色中………

 こうやってこの辺りゆったりするのって初めてだしこうして回るだけで十分楽しいわ。今までここまでゆったりしたのってあんまりないわよねぇ。スリして逃げて他の場所で豪遊して、そこでスリして次の場所に逃げて……同じ場所に固まってたのはめったにないわね。


 なんて言っても他の奴と話してるだけで気分悪くなるしね…触られるなんて吐き気はするし寒気はするしたまったもんじゃないわ。ミキ様ってほら、可愛いから下衆な男どもが目をギラギラさせて向かってくるのよねぇ…はぁ、可愛いって罪よね。


「なーにか面白いものないかなぁっと。ふふ、やっぱ自由って素敵だわ~♪」


 宝石、化粧品、小物にと女なら着飾りたいもんでしょ。私だって折角のこの見た目をもっと良くしたいしね、特に香水とかは厳選しないと。今までは留置場だったから我慢しなくちゃだったけど、これからは自由! 好きなようにしないと。


「色々あるわね結構安いじゃん。なにかいいのないかな~んー、どれがいいか迷うわね…あ、これ5万Rじゃん、安いかも」


「これ貰えるかしら?」


「って! 私が狙ってたやつ!!」


 誰よ! 人様が狙ってたものを奪おうとするや…つ……


「あら…? シーフじゃない、珍しいわね? 仕事はどうしたのかしら」


「ぎゃー!? 出たぁああああああっ!?」


「何気に酷くないかしら? 少し傷つくわよ?」


「嘘つけっ! 全然気にしてねーじゃん!!」


 この町で会いたく無いやつナンバー2、私の天敵が目の前にぃぃぃ……


「って、私は今日で自由の身なのよ、此処に居たって問題ないでしょ私の自由よっ!」


「別に貴女が何処に居ようと気にしてないわ」


 さらっと言いのけるこの女…うぅ、滅茶苦茶強いし怖いし…嫌なのに会ったなぁ…


「そう、なら次回のダンジョンアタックは新しいシーフ探さないといけないわね。貴女もやる気になればそれなりに優秀だけど」


【―のーないかのん― 私ってそんなに顔怖いのかしら…でもヤスオさんは気にしてないみたいだしシーフにどう思われようとも構わないけど仲間に怖がられるのは嫌です…!? こ、これはかのん可愛いよ計画を立てるしか!?】


「ちょっ! 私だって行くわよっ! 勝手にハブにしないでよねっ! ヤスオと次回のダンジョンに行くって予約入れてるんだから!!」


 何勝手に決めつけてんのよこのアマ…! あんたは別にいなくても良いけどヤスオには恩を返さないとだし、お金も稼げるんだからついてくに決まってるでしょうが…! とは面向かって言えない私。 だってこいつ目が怖いんだもん…何かしたら殺すって感じの冷徹な瞳ががが…


「てかさ、いつまでも私の事名前じゃなくてクラス名で呼ばないでよ。なにそれ嫌がらせのつもり? そりゃ、アンタのサイフ盗んだのは私だけどさ、いつまでも根に持たれると流石の私も傷つくんだけど?」


 シーフシーフって、私にはミキって言う可愛い名前があるっての!


「信頼度って知ってる?」


「知ってるわよっ!!」


「なら、それが答えよ」


【―のーないかのん― だって、この子私の事ずっと怖がってるし寧ろ話しかけたら引いちゃうから、私も一線引いてるんだけど…】


 呆れ果ててるーって顔でこっちを見てるカノン。畜生、やっぱ怖いよぉ…


「名前で呼ばれたかったら行動で示しなさいな。貴女の能力は買ってるわよ? 後はそれを真面目にすれば私も答えるわ」


【―のーないかのん― 私だって折角出来たパーティがギスギスしてるのは嫌だものっ! 出来れば仲良くなりたいって思うわよ、くっ…これがヤスオさんが居ない時の対応なのね…塩対応怖いです、泣きそうです】


「言ったわね。んじゃ次を見てろよ…別にアンタにどう思われてもいいけどせめて名前は呼ばせてやる」


 びしっと指を突き付け宣言する。

 こいつにどう思われても別にどうだっていいけど、存在否定されるのはムカつくのよ。


「そう…なら少し期待してあげる。出来れば答えてちょうだいね? 無駄な争いは私も望む所じゃないわ」


【―のーないかのん― これってもしかして…強敵と書いてともと呼ぶフラグ!? フラグなのねっ! 頑張りなさいシーフ、応援してあげるわよ】


 そう言って踵を返して歩いてくカノン…あんにゃろう、すまし顔のまま帰りやがった。良いじゃない…ミキ様の本気を見て腰抜かすなよ…!!


「って! あいつ結局あれ買って帰りやがった!! あれは私が目をつけてたんだってのっ!!」


 はぁ…変なおっさんといい、あのムカつく女といい…せっかくの自由なのに無駄に疲れた。今日はもう宿に行こうっと…買い物する気も失せたのでこのまま宿屋に向かって歩き始める。さっきまでの凄く楽しかった気分が失せて、なんかもうやる気すら消えちゃったわ…早く帰って寝よ。



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