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僕達は前を向いて生きていく。  作者: あさねこ
【1章】 異世界での成長録
104/216

28-01 【魔法の勉強】

ブックマークがついに1000を超えました。

沢山の方に見ていただけてとてもありがたいです。これからも頑張りますね。

物語はまだまだ序盤の序盤…先が長いです(汗

―ヤスオ自室 


 今日も今日とて経験を積むために魔法の本の朗読を続けている。ステータスと【解読】ランクが適正ならば新しい魔法を覚えたり、覚えきれなかった魔法を覚える事が出来る魔法の書だが、深く読み続けていれば魔法に関するスキルも覚える事が出来る。技と違って戦闘中に閃いたり、いきなり使える様になる訳ではないので、こういう地味に見える作業も必要なのだ。


 僕自身本を読むのは好きだから辛いとは思わない、小説とか読み続けていたのだから字が嫌になるということもないのだが……


「んー…よくわかんねぇなぁ。この世界の本を僕が読めるように翻訳されてるのもあってか時々変な文章になってるし、なんかエキサイト翻訳見てる感じだわ…」


 【解読】のスキルで文字が読めるようにはなったが、異世界の文字はやはり異世界の文字、時々理解し難い文字の羅列になったり変な翻訳になってたりもする。ランクが上がればスムーズに読めるようになるのか、それとも…翻訳や解読を使わずにこの世界の文字を理解できれば読みやすくなるかもしれない。


 【知】が上がっているお陰で、物を覚える事や記憶する事が得意になってきたから、頑張れば普通に読み解く事も出来るはず…意味は無いかもしれないが、この世界で生きるのなら【翻訳】の魔法無しでこの世界の言葉も覚えなくてはならないし、文字も覚えないとな―


「それにしても…参ったなぁ、僕としてはゆったりしてるつもりだったんだけど、ハードワークだったのか……」


 昨日の夜にティルさんといつもどおり念話していた所、僕の今のペースがハードワーク過ぎると注意されたのだ。




―アルスに教えてもらったティルお姉ちゃん


【ヤスオ君ヤスオ君、無理はしてませんかお? 週に1回は休んでる? それは休みって言わないの!! ダンジョンアタックしたら最低でも2~3日は休むもんだおっ! 何次の日普通に訓練してるのかなっ!? よーし、こうなったら今日はお説教だお。週の行動パターンを教えなさい! そこからダメ出ししていくからねっ! 頑張るのはいいけど、頑張り過ぎはダメに決まってるでしょ~が!!】




 とまぁ、心配10割と言った感じで昨日は怒られてた。

 確かに言われてみれば訓練しすぎだったかもしれないな……頑張って追い付こうと張り切りすぎたかかもしれない。色々出来るようにはなったけどどれも今一歩足りないから何とかしたくて、鍛錬を重ねすぎてしまったのがな。


 暫くは皆とのモンスター退治を少なめにして、エスタさんに剣を教えてもらおうかな。この前教わったけど身体を酷使するタイプの訓練じゃなかったし。寧ろ剣術の基礎を教えてもらった、この辺アルスさんに教えてもらった以外は我流だったので、おかしい場所を色々直すきっかけになれたと思う。前よりスムーズに戦えるようになったからありがたい事だ。


 後、そろそろミキからシーフスキルの事教えてもらうのも良いかもしれない。

幾ら払えばで教えてくれるんだろうか? 


 ってそのミキの事だけど、あ、そういえばそろそろ任期が終わるって言ってたな。暫くは恩を返すから残るって言ってたけど、あいつ一体何処に住むんだろう……普通に宿屋かな? この長屋は全部埋まってるし空き家は離れた方にあるから不便だろうし…金はあるだろうけどどうするんだろう?


 そう言えばアリアちゃんもカノンも宿屋で暮らしてるはず、近い内にこういうのが得意そうなカノンに相談してみようかな。寝る場所がないのはあいつだって大変だし、まぁ、余計なおせっかいだけどね。


「…あ、なんか洞窟に住んでた時の事思い出した。あの洞窟荒らされてないかなぁ…色々思い出が有る場所だし今度見に行きたいな…」


 と…カノンで思い出した。そう言えば今日彼女が自作のクッキーを持ってきてくれたんだ、最近お菓子とか食べてなかったし凄く美味しかったな。色々出来るのは知ってたけど本当に何でも出来るんだなぁ。


 多めに作ったからと皆にもプレゼントしてたし、普段冷静で寡黙に見えて面倒見が良い子なんだよな。今度僕も皆に何かプレゼントしてみよう。日々のお礼になんていい感じかもな。


「………皆にお礼のプレゼント、か。やっぱ僕って変わったよな。たった数ヶ月で、人ってここまで変われるのかな? 自分で言うのもなんだけど僕が此処に来た当時は何処に出しても恥ずかしいクズだったし」


 チーレム万歳とかほざいてウサギに殺されかける位には屑だったな…今考えると頭悪すぎて寒いよな…ってこんな考えが出来る様になるなんてなぁ…人間って死にかけると変われるのかな…? でもそれって殺されかけた悪人は後で必ず改心しますって事にならないか?


 もしかしてこの世界のシステムが僕をこんな性格に変えた…? そういうことがあるかもしれないな…


「考えてもわかんないか…元々性根を正せばこんな感じだったのかもとか…人間って自分の事が一番わかんないのかもなぁ。でも昔みたいな自分には戻りたくないってそう思う」


 父さんや母さんを苦しめてきたあのダメな自分には戻りたくない…って、今もどこかで性根は変わってねーか。皆に心配させまくってるし、考え方が変わっただけなのかもなぁ。人間って極限を体験したらこうなれるのかも。あの頃は食う事すら満足に出来なかったから…さ。


 何にせよ、今の自分からまたあのダメな頃の自分に戻らないようにしないとな。だらけてたら僕ならまた自堕落な生活に戻るに違いない。昔誰かが言ってた人間はきちんとしてないと堕落するって。昔の僕はまさにその通りだった、だから今はもう少し自分を引き締めねぇと。


「でもやり過ぎたらティルさん達に怒られるからある程度手を抜いて!!あの人に怒られるのは精神的に辛いです!!」


 うん、何事も程々が一番ですね、分かります。


―28話終了…29話に続く


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